連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People

明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する『Precious』連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、女性がエンジニアスキルを身につけるためのスクール「Ms. Engineer」を創業された、代表取締役CEOのやまざきひとみさんにインタビュー!

「女性の働きにくさを次世代に引き継ぎたくない」という原動力から起業し、運営するオンラインスクールを卒業された9割の女性が、IT業界への転職に成功しています。

「女性にエンジニアという新キャリアを提案したい」と活動する加藤さんに、詳しくお話しをうかがいました。

やまざきひとみさん
「Ms. Engineer」代表取締役CEO
(やまざき ひとみ)日本女子大学を卒業後、サイバーエージェントに就職。アメーバピグの立ち上げなどに携わる。’21年、女性がエンジニアスキルを身につけるスクール「Ms. Engineer」を創業。女性のためのプログラミングブートキャンプを開催し、未経験からスタートした多くの女性がエンジニアの道を進み、新時代の働き方を実践している。

【Tokyo】高いスキルがあれば働き方が変わる「女性AI人材の育成」が私の使命

「Ms. Engineer」代表取締役CEOのやまざきひとみさん
「Ms. Engineer」代表取締役CEOのやまざきひとみさん

女子高から女子大へと進み、文系街道まっしぐらだったやまざきさんがファーストキャリアに選んだのはIT業界。「これがラッキーでした」と振り返る。「伸びている業界は、仕事も多くあり、経験を積むほどに給料も順調に上がっていく、将来性がある仕事はそれ自体が楽しいなどのメリットを実感しました」

自分らしく働ける環境に満足していたやまざきさん。まさか自身が起業するとは夢にも思わずにいたが、コロナ禍で考えが一変した。

「職種によっては不安ななか出社する人もいるなかで、エンジニアは最もリモート率が高いことを知りました。家で仕事ができてライフスタイルとの両立が叶いやすく、育休などで休んでも給与水準は高くキープできるなど、その働き方や強みは女性から大きなニーズがあると感じました。人材需要も高いIT業界でシステム開発やプログラミングなどエンジニアとしてのスキルがあれば、安心して働くことにつながるはずだと思いました」

女性ITエンジニアの育成という、人生を賭けてもいいテーマに出合ったやまざきさんは起業を決意。’21年に創業した「ミズエンジニア」は、女性専用のオンラインスクール。アクティブラーニングやAIのチュータリングによる個別学習で、平均8か月で高いスキルを身につけることができる。小学校教諭やウェディングプランナーなど異業種からの挑戦も多く、卒業した9割の女性がIT業界への転職に成功している。

やまざきさんの原動力は「女性の働きにくさを次世代に引き継ぎたくない」という思い。

「仕事での男女格差が話題ですがそれに対する具体的な施策はほとんどないのが現状です。その点でも、女性のエンジニアを増やすことは即効性がある。エンジニアは男性がなるもの、私が頑張ってもお給料はこの程度だよねなど、女性が女性にかけているバイアスも、まだあります。そんな偏見をなくし、女性にエンジニアという新キャリアを提案したい」

◇やまざきさんに質問

Q.朝起きていちばんにやることは?
コーヒーをいれて飲むこと。
Q.人から言われてうれしいほめ言葉は?
「おもしろいね」と言われること。身近な人におもしろい人だと思われていることは信頼関係を強くすると思っています。
Q.急にお休みがとれたらどう過ごす?
娘とデート。ディズニーランドかな。
Q.仕事以外で新しく始めたいことは?
今は仕事のことで頭がいっぱいで正直…何も思いつかないです。中断している筋トレを再開するぐらいでしょうか。
Q.10年後の自分は何をやっている?
社会を変えるために働いていたい。
Q.自分を動物に例えると?
働きバチでしょうか。エサを集め、巣づくりをして、お世話をする…女性たちのために働くイメージですね。

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PHOTO :
望月みちか
取材・文 :
大庭典子