連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People

明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する『Precious』連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、アメリカ・ニューヨークで日本文化が感じられる空間で、ハイクオリティの抹茶やクリエイティブな抹茶・ほうじ茶ドリンクが味わえるカフェ「Matchaful」を創業したハンナ・ヘイビーズさんにインタビュー!

現在、すでに8店舗を展開し、他都市への拡大も計画しているハンナさんに、今後の展望について詳しくお話しをうかがいました。

ハンナ・ヘイビーズさん
「Matchaful」チーフ抹茶オフィサー&ファウンダー
(Hannah Habes)大学卒業後、食品会社に就職。マーケティングに携わりながらも、利益追求がプライオリティの上位で、消費者の健康に対する配慮が薄いことに疑問を抱き始める。体調不良を機に心と体を見つめ直していたとき、抹茶と茶道具と出合う。'15年「Matchaful」を起業。'19年1号店をオープン。N.Y.市内の展開に加えて、他都市への拡大を計画中。

【New York】“Matcha” の心と体への作用を体感。一服する時間の尊さを広めていく

「Matchaful」チーフ抹茶オフィサー&ファウンダーのハンナ・ヘイビーズさん
「Matchaful」チーフ抹茶オフィサー&ファウンダーのハンナ・ヘイビーズさん。

ハンナさんのキャリアは、食品業界のマーケティングからスタート。やりがいをもって10年間働くものの体調を崩し、自分の業界において「原材料の品質が重視されていないのでは」という疑問を抱くことになる。そんなとき転機になったのが、当時アメリカと日本を行き来していたパートナーが持ち帰った、抹茶と茶道具のセットだった。

「抹茶は、最初のひと口で心奪われた感覚がありました。“茶を点てる” という儀式が日常に静けさをもたらすだけでなく、抹茶をいただくと集中力が高まるような、それでいてリラックスしているような、“心身が整う” という感覚を得ることができたのです。その後、念願の日本滞在で目撃したのは、品質へのこだわりや高い職人技など、飲むもの食べるものすべてに対する実直な取り組み。そこでさらに心をつかまれてしまったのです」

これらのインスピレーションから、ハンナさんは「Matchaful」を創業し、’19年に1号店をオープン。現在すでに8店舗を展開していて、日本文化が感じられる空間で、ハイクオリティの抹茶やクリエイティブな抹茶・ほうじ茶ドリンクが味わえるカフェとして評判を呼んでいる。今や世界的に市民権を得た “MATCHA” だが、ニューヨークにおける啓蒙活動の第一人者かもしれない。

「誇りに思っているのは、日本のオーガニック認証を取得した抹茶農家と直接契約し、持続可能な形で茶葉を輸入していること。また、日本人女性陶芸家ともパートナーシップを結んでいて、茶碗などの作品をカフェで紹介することもあります。彼ら彼女らの思いを物語として伝えることは、人生をかけた私の使命。一杯の抹茶を通して心の落ち着きを感じたり、日本文化やその歴史に興味をもったり。そんな小さな瞬間を提供することで、文化交流のうねりを起こせたら。そんなことを願っているのです」

◇ハンナさんに質問

Q. 朝起きていちばんにやることは?
早起きできればランニングやピラティス。できなければ子供たちと過ごして「今ここ」に集中。 
Q. 人から言われてうれしいほめ言葉は?
「あなたのお店で素敵な体験をした!」 
Q. 急にお休みがとれたらどう過ごす?
また日本に滞在したい。5月に夫と旅館に泊まり、温泉に入ったり浴衣で和んだりしたのは、幻想的な時間でした。 
Q. 仕事以外で新しく始めたいことは?
日本語のレッスンに励み、パブリックスピーキングのトレーニングを受ける。 
Q. 10年後の自分は何をやっている?
「Matchaful」の経営と女性起業家の支援。 
Q. 自分を動物に例えると?
馬。地に足がつきながらも俊敏で、独立しながらも連携を得意とする特性は、私の生き方の理想。

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PHOTO :
Msahiro Noguchi
取材 :
Junko Takaku
文 :
本庄真穂