首都圏至近の行楽地、長野・軽井沢にある「軽井沢マリオットホテル」。温泉付きのプレミアルームやコテージもあり、ゆったりとした滞在が楽しめるホテルです。
2025年10月18日(土)、10月25日(土)、11月8日(土)、11月15日(土)の4日間限定で、宿泊プラン「Fermenting Peace Stay」が発売されます。長野が育んできた発酵文化に触れることができる「発酵リトリート旅」プランになっており、ワイン・チーズ・漬物の製造現場を巡るツアーや信州味噌や野沢菜などを使用した発酵ディナーとNAGANO WINEのペアリングを楽しむことができます。
Precious.jpライターがプレス向けのツアーに参加したレポートを交えながら、長野の発酵文化に癒やされる「発酵リトリート旅」をご紹介していきます。
発酵リトリート旅へ!軽井沢マリオットホテル「Fermenting Peace Stay」体験レポート

温暖で多湿な日本は発酵食品が豊富です。中でも長野県は海がなく雪深いことから、暖かい季節に収穫できる食材を保存するために、発酵食品を作る文化が育まれてきました。今もなお、発酵に関連した産業が盛んで、2023年には業界団体が「発酵バレーNAGANO」というコンソーシアムを作り、連携して国内外に魅力を発信しています。
そんな長野の発酵食品をテーマにした「Fermenting Peace Stay」(2名1室利用時1名 ¥70,000~/税・サービス料込み、入湯税別)。1日目はホテル集合後、近隣の発酵食品の工場を巡るツアーへ出発します。
■1:野沢菜漬の製造現場!「やまへい」工場見学

30分程度で到着したのは小諸市の野沢菜漬メーカー「やまへい」。長野県を代表する漬物である野沢菜漬。野沢温泉村が有名かと思いきや、実は盛んなのは小諸や佐久エリアなのだそう。「やまへい」は昭和38年創業の老舗で、大手コンビニやレストラン、スーパーへの納入実績があるので、みなさんも知らないうちに食べているかもしれません。

お話をしてくださったのは代表取締役社長の塩川正徳氏。かつては保存食として大根漬の生産が盛んだったことや、実は11月に収穫する作物だった野沢菜を標高差のある畑や長野以外での契約農家さんの確保で通年収穫できるように工夫していることなどを教えてくれました。

野沢菜漬や山芋漬け、わさび漬けを試食させていただきました。同じように見える野沢菜漬でも、食べ比べてみると全然違うのがわかります。元々は大根漬けの代替品だったことや、緑色であることが好まれるようになったため、さまざまな工夫をしていることなどもお話しいただきました。
工場では多くの方が働いていました。規格が整った農作物ではないので、機械化ができず、人の手による作業になるのだそう。より一層、感謝しながらいただこうと思いました。
■2:日本に見えない!一面のぶどう畑を眺めワインをいただく「リュードヴァン」

2か所めの訪問先はワイン好き垂涎の東御市にある「リュードヴァン」です。東御市は「日本のブルゴーニュ」とも言われるワイン作りが盛んな地域。
それを牽引するのが「リュードヴァン」の代表取締役・小山英明氏です。耕作放棄地を耕し、ワインのためのぶどうを作り始めたのが2006年。そこから少しずつ畑の面積を増やし、参入するワイン蔵も増え、ついには市の事業として大きな畑を造成するに至ったのだそう。他のワイン蔵のワイン用のぶどう畑も作られ、日本とは思えない景観を作り出しています。

最新鋭の機械が入る工場も見学させていただきました。工場に入っただけで、ワインの芳香が漂っています。今回は樽の中でふつふつと泡立ちながら発酵するワインを見学。新鮮な香りはここでしか嗅げません。タンクの中まで見られるかはタイミング次第ですが、瓶詰めの装置やセラーも見られる、大満足な大人のための社会科見学でした。

その後はお待ちかねの試飲タイム。今回は「ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)」と「ドゥー・ローブ・ヴィオレット(Deux Robes Violettes)」が登場しました。特にリュードヴァンの代名詞ともなっている「ソーヴィニヨン・ブラン」を小山氏のお話を伺いながらいただける、贅沢な時間を過ごせます。
「カフェレストラン・リュードヴァン」にも訪問。さまざまなワインを購入できる上に、1杯¥300で追加の試飲もできます。この後のディナーでもワインが飲めますので、ご自身の体調を勘案しながらいただいてくださいね。
■3:国内外のコンクール受賞歴多数!「アトリエ・ド・フロマージュ」のチーズを堪能

最後に立ち寄ったのは同じ東御市の「アトリエ・ド・フロマージュ」。こちらもチーズ好き歓喜の訪問先です。
案内してくださるのはチーズ職人塩川和史氏。工場の2階から作業の様子を見ながら、1982年から始まった「アトリエ・ド・フロマージュ」のチーズ作りについてお話を伺いました。
近隣にある自社牧場のジャージーやブラウンスイスといった牛の生乳を含めた、新鮮な生乳を使ってチーズ作りをしています。現在、在籍しているチーズ職人は塩川氏を含めなんと4名!
ハードからフレッシュまでさまざまなチーズを生産している「アトリエ・ド・フロマージュ」ですが、特に「ブルーチーズ」や「翡翠」といった青カビタイプが「モンディアル・デュ・フロマージュ」や「ワールド チーズ アワード」といった世界的に権威あるチーズのコンペティションで数々の受賞をしています。
そうした青カビタイプのものは塩川氏がほぼひとりで生産管理を行っているのだそう。熟成に時間と手間のかかる青カビタイプのチーズですが、その時間がかかることが作りがいにつながっているのだそう。

試食したのはたくさんのチーズ。個性豊かなこだわりのチーズが堪能できるぜいたくな時間です。

試食後はもちろんお買い物ができます。チーズはもちろん、チーズを使ったスイーツや、チーズに合うドライフルーツなども販売されており、目移りしてしまいました。
温泉付きプレミアルームや大浴場で癒やしのホテルステイ

ホテルチェックイン帰着後はディナーまでの時間に温泉を楽しむことができます。今回のお部屋は別棟にあたる「ノースウィング」の「温泉ビューバス付 プレミアルーム」。ツインのベッドに和室、さらに温泉がついているお部屋です。

近隣の塩沢温泉から運んできた保温効果に優れたナトリウム塩化物・炭酸水素塩温泉。ひとりでゆっくりと入ると体の芯からぽかぽかしてきます。

メインウィングにある温泉大浴場では、小瀬温泉に入ることができます。こちらには広々とした大浴場と露天風呂があります。小瀬温泉は美肌の湯とも呼ばれるアルカリ性単純温泉。お肌がすべすべになりますよ。脱衣場にソフトドリンクのサーバーがあるのもうれしいサービスでした。
ワイン5種とのペアリング付き!充実の「発酵ディナーコース」
レストランシェフ 梅津充博氏考案の発酵食品とワインの特別ペアリングディナーは、すべてのメニューに発酵食品が使われ、また長野産の食材を豊富に使ったコースになっています。
アルコールが苦手な方には、ノンアルコールバージョンでの提供も行われます。ノンアルスパークリングワインのほか、リンゴ酢や甘酒を使ったカクテルがいただけるので、十分に楽しむことができますよ。
■1:アミューズから発酵食品がたっぷり

アミューズ ブーシュに登場したのは「さんまのコンフィ やまへいの野沢菜のジェノベーゼ添え、フォアグラのテリーヌ、腸詰屋の生ハムと季節のフルーツ」。長野の食材がたっぷり使われた一皿です。
旬のさんまがコンフィになった「さんまのコンフィ やまへいの野沢菜のジェノベーゼ添え」。野沢菜がジェノベーゼになるとは…という驚きと共に、脂ののったさんまをいただくことができます。野沢菜の香りとさんまの組み合わせはどこか懐かしさを感じさせつつも、新しい味わいでした。
「フォアグラのテリーヌ」にはマルコメ10年熟成味噌が使われており、深みのある味わい。「腸詰屋の生ハムと季節のフルーツ」には、鉄板の組み合わせであるりんごが使われていました。
J.S.A ソムリエ エクセレンスの的場隆史氏がセレクトしたワインがペアリングされています。
アミューズには「リュードヴァン スペシャル ヴァンムー」が登場。シャンパーニュ方式で作られた深みのあるスペシャルなスパークリングワインで、乾杯酒にぴったり。アミューズの味を引き立て、この次のメニューが楽しみになる一杯です。
■2:サーモン&鴨!オードブルにはシードルとピノノワールがマリアージュ

オードブル1皿めは「信州サーモンのタルタルそば粉のクレープ包み アトリエ・ド・フロマージュのブルーチーズソース」。「アトリエ・ド・フロマージュ」でいただいたブルーチーズがソースになって登場です。ほんのり甘みのあるそば粉のクレープで、しっかりした信州サーモンを包んだクレープに、ブルーチーズソースの相性が抜群。
こちらに合わせるのはりんごの芳香がしっかり残る「ポムドール シードル シュペリウール」。そば粉の甘味とサーモン、ブルーチーズの旨みとベストマッチでした。

もう1皿は「塩麹でマリネした信州フランス鴨胸肉のロティ イチジクのコンフィとごぼうのチップ添え」。信州で育てたられたフランス系統の鴨肉を塩麹で柔らかに仕上げた逸品。滋味深いごぼう、イチジクの味わいの鴨肉との相性が際立ちます。
ワインは芳醇な「ピノ ノワール2023」が登場。王道ながらもこれでなくてはと思わせる、鴨やごぼうなど強めの食材に負けないテロワールを存分に感じられる組み合わせでした。
■3:信州産キノコのクリームスープにはまろやかな米麹ミルクを使用!

ポタージュには「米麹ミルク入り信州産キノコのクリームスープ 舞茸のフリットと共に」が提供されます。首都圏エリアの方には、きのこと言えば長野と即答されるほどの特産品が、米麹の甘さとコクをまとってポタージュになっています。添えられた舞茸フリットと、舞茸としめじのデュクセルを落として食べると、さらに旨みがアップする秋らしい一品です。
■4:リュードヴァンのワインを使った贅沢アクアパッツァ

魚料理は「カサゴのアクアパッツァ セミドライアメーラトマトとリュードヴァンの白ワイン」です。一晩お酒と昆布で巻いたカサゴに、ドライトマト、あさり、リュードヴァンの白ワインを合わせた贅沢なアクアパッツァ。何層にも旨みが重なります。
ペアリングはフルーティさを感じる「ピノ グリ2024」。果実味がトマトや白ワインの風味とリンクし、旨味を存分に感じることができます。
■5:信州プレミアム牛フィレ肉をほう葉包みで

「橘倉酒造の日本酒グラニテ柚子風味」でさっぱりしたあとは、肉料理「信州プレミアム牛フィレ肉となすのミルフィーユほう葉包み ぼたんこしょう味噌風味 リュードヴァンの赤ワインソース 秋の三種の味わい(ぶどう、かぼちゃ、柿)」が登場。
ぼたんこしょうは信州の伝統野菜で、辛味を持つピーマン型の野菜です。山の恵みであるホウの葉の香りをまとった繊細な肉質の信州プレミアム牛フィレ肉が、リュードヴァンの赤ワインソース、ぼたんこしょう味噌とよく合います。
こちらには、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランの3品種がブレンドされた「トリオ 22」が合わせられました。重たい味わいと果実感、清涼感が程よくブレンドされ、柔らかながらもしっかりとした信州プレミアム牛フィレ肉とマリアージュします。
■6:デザートにも発酵食材が!信州特産の小布施栗も

デザートは「小布施栗のマジョレーヌ カシスアイス 甘酒のメレンゲと共に」です。栗とアーモンド、ヘーゼルを使った生地にチョコレートも合わせられている「小布施栗のマジョレーヌ」。小布施の和栗の風味を存分に味わえます。カシスアイス、甘酒のメレンゲと共に食べると、また違った奥深さを感じることができます。
食後のコーヒーまたは紅茶と共に、マカロンやトリュフ、ウィークエンドシトロンといった「プティフール」が提供され、ディナーは大満足のうちに締めくくられました。
朝食ブッフェにも発酵アイテムが!レイトチェックアウトでゆったり温泉も

翌日の朝食はブッフェスタイル。6:45から10:30の間の好きな時間にいただくことができます(※時間は季節により異なる)。和洋取り揃えられているブッフェメニューの中には「信州ローカルステーション」と名付けられた味噌や漬物が並ぶコーナーも。

また、軽井沢に本店を構える浅野屋のパンが10種類ほど並び、目移りすること間違いなしです。さらには、名物のフレンチトーストや、玉子焼き、おにぎりを注文できるカウンター、ワゴンサービスのたまごサンドやツナサンドまで、豊富なメニューが並びます。
食後から11:00のチェックアウトまではお部屋でくつろぐもよし、もう一度、温泉につかるもよし、早めに退出して駅周辺でお買い物や散策を楽しむもよし。さまざまな過ごし方ができますよ。
製造現場では通常は入れないエリアまで見せてもらった上に、試食や試飲も楽しめる軽井沢マリオットホテルの「Fermenting Peace Stay」。発酵食品についての知識を深めたあとにペアリング付きディナーと温泉という贅沢な時間を過ごせるのも魅力的です。
軽井沢駅からの無料送迎バスもあるので、気軽に参加できますよ。ぜひ、この秋の信州旅を楽しんでくださいね。
問い合わせ先
- 軽井沢マリオットホテル
- 「Fermenting Peace Stay」
実施日/2025年10月18日(土)、10月25日(土)、11月8日(土)、11月15日(土)の全4回 - ※3日前17:00までの事前予約制。予約は2名より、1日20名限定
TEL:0267-46-6611 - 住所/長野県北佐久郡軽井沢町長倉4339
関連記事
- 「星のや」で紅葉やお月見、伝統的なお食事などを楽しむ!秋のアクティビティ&滞在プログラム6選
- 軽井沢・万平ホテルのシンボル「すずらん」を描いた「万平ホテルフラワークッキー缶」が限定発売!
- 「軽井沢ホテルブレストンコート」開業30周年記念!期間限定で朝食ビュッフェを一般開放【実食レポート】
- TEXT :
- 田中いつきさん フリーランスライター
- EDIT :
- 小林麻美