「画伯」初のイラスト集が発売!
その名は「STYLE 男のファッションはボクが描いてきた」。一瞬大胆なタイトルだなあ、なんて思っちゃったのですが、よく考えたら画伯のキャリアは40年! まったく大げさな表現ではありません。いつもスナックや喫茶店でバカ話ばかりしているのですっかり忘れてしまっていましたが、日本のメンズ誌におけるファッションイラストレーションは、画伯が描いてきたのです。
ファッション写真という概念が生まれる以前、イラストこそがファッション誌の主役であり、それを描くイラストレーターこそは花形。20世紀初頭に活躍したライエンデッカーやノーマン・ロックウェルといった人気イラストレーターはセレブリティ的な存在だったそうです。そして画伯こそは、画風においてもライフスタイルにおいても彼らの正式な継承者。どんな天気の悪い日も自身のイラストから抜け出したようなオシャレな装いで、夜の銀座へ繰り出して行く様は、憧れ以外のなにものでもありません。僕もこんな大人になりたかった・・・!
画伯のイラストこそが進化するトラッド!
実はファッションイラストレーションというカルチャーは世界的にみるとほぼ絶滅状態。アメリカントラッドの影響が強かった日本にしか残されていないのですが、中でも画伯のイラストはその華やかな世界観といい、緻密な描き込みといい、別格の存在。ちょっと編集者的な言い方をすると、イラストに「クレジットが載せられるのです」のです! イラストにおいてカシミアのケーブル編みソックスをリアルに描けたり、シャルべとターンブル&アッサーのシャツの違いを描きわけられるのは、現存するイラストレーターでは画伯くらいだろうな〜。
雑誌「メンズプレシャス」においてはクラシックとモードを組み合わせるという試みの連載をお願いしていたのですが、グッチとサヴィル・ロウのスーツを組み合わせるような大胆なコーディネート提案も見事に再現していただき、毎度驚かせされたものです。それは画伯のイラストが単なる昔の再現じゃなくて、「今を生きている」から。決してアトリエに閉じこもることなく、常に街を歩き、街で遊び、時代ごとの流行風俗に寄り添うことで、トラッドな装いやイラストをアップデートしているんです。ただ、その代償としてハードな納期に悩まされてはいますが・・・笑。この間催された出版記念パーティ(なんとパークハイアットのボールルームで開催!)でのこと。画伯が忘年会ではお約束の「Y.M.C.A」を絶唱している最中、とあるブランドの広報担当者がポツリと「才能ってオソロシイものやな」。僕も全面的に同意です。たとえ原稿校了になろうとも、画伯の生原画を見るたびに「やっぱりお願いしてよかった〜」と思ってしまうのですから!
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