盆栽といえば、真っ先に思い浮かぶのが、ご老人が高尚な趣味として嗜んでいるシーンです。しかしそれはあくまでつくられたイメージに過ぎません。いまでは幅広い世代に楽しまれており、世界からも注目されている日本の貴重な伝統文化のひとつになっているのです。

もちろん、大人女性にとっても日本の伝統を楽しめる有効な趣味のひとつ。メリットも豊富にあるようです。

そこで今回は、10代のころより盆栽に親しみ、現在は盆栽の普及活動や盆栽講師を行う女性盆栽家の樹 弥沙さんに、40代の女性が習い事として盆栽を始める方法やメリットを教わります。

盆栽家・樹 弥沙さん

40代から始める大人の習い事「盆栽」、その魅力とは?

盆栽の魅力とは?

盆栽は、自然の草木を鉢に植え、枝などを整えるなどして、丁寧に手をかけて育てていき、理想の形をつくりあげていく園芸芸術といわれます。

この盆栽の魅力は、どのようなところにあるのでしょうか。

「盆栽とは、『大自然の縮小版を目指してつくる、自然と戯れる遊び』です。緑や土と関わることで、とても癒し効果があり、忙しいこの時代において心身のバランスを取るための時間としても、とても良いのではないかと感じております。

高尚な趣味と呼ばれ、難しいイメージをもたれることの多い趣味ですが、実は特に決まったルールがあるわけではなく、ご自身の感覚を大切にしていただくものです。自然界に優劣がないのと同じように、盆栽にも優劣がなく、人と比べることもありません。そのため、とても平和的で自分自身とも気持ちよく向き合える時間を感じてもらうことができると思っています」

40代から女性が盆栽を習うメリット

40代から女性が盆栽を習うメリット

そして樹さんによると、女性が40代から何か手習い事を始めたいというとき、盆栽はとても適していると言います。

「争いのない、人と比べることのない趣味というのは、なかなかないものです。盆栽教室などでの人間関係はとてもスマートで、気持ち良いものとなると思います。また、日本の文化の真髄を感じていただくことで、若いころでは感じることのなかった、『わびさび』の良さや、空間や間の大切さ、感謝する心など、人としてひとつランクアップした自分を感じることができるのではと思います。

また、先にも述べた通り、癒しも得られると思っています。土や木と関わる時間というものは、古来から人が人らしく生きる上で必要なことでした。その関係もあってか、盆栽をしているととても癒されるとおっしゃる方が多いです」

盆栽の評価の基準は?

盆栽の評価の基準は?

盆栽は、争いのない世界。けれど、自部自身が満足いくもの、先生に褒められるもの、優秀で人々に賞賛されるものなど、人々の評価の高い盆栽にも憧れますよね。その評価の基準はどこにあるのでしょうか?

「例えば樹齢が長かったり、人気の樹形や樹種だったりすると、盆栽として高く評価され、値も高くつきます。しかし盆栽は、樹齢何百年の高価格な盆栽が良いとされる文化ではありません。自然界を表現するために、たったひとつの小さな草を用いて、盆栽に仕立てることもあります。また金額が高いからといって“良い盆栽”とは限らず、ご自身が大切にされている木の盆栽であれば、プライスレスの価値があるはずです。

盆栽は生きた芸術と呼ばれ、完成形というものがなく、終わりのない趣味といわれています。日々、木と向き合うことで自然を感じ、季節を感じ、小さなお花ひとつに愛おしさを感じる心が持てれば、それが一番であり、評価よりも大切なものを得られたということではないかなと感じております」

盆栽を始める前に用意すべき道具は?

大人女性にとってメリットの多い盆栽。始めるにあたり、何か道具などを買いそろえておく必要はあるのでしょうか?

「教室ごとの案内に沿っていただければよいかと思いますが、基本的に、特に必要ありません。あえていうならば、園芸用のハサミと箸を使用します。まずはお手軽なものから始めて大丈夫です。今後、ご自身の趣味として深めていくにあたり、お道具の良さというものも実感できると思います。良いお道具をそろえるのはそのとき、ご自身が欲しいと思ったときで良いと私は思っています」

盆栽教室の選び方

盆栽教室の風景

最後に樹さんに、盆栽家として、盆栽教室はどのように選ぶのがいいのか40~50代女性向けに教えていただきました。

「盆栽は、教室に通わずともご自身でできる趣味ですが、教室での同じ趣味、同じ嗜好のある方々との出会いはとても素晴らしいものだと感じています。教室の場所や内容については、ご自身がピンときたところで大丈夫だと思いますよ。あえていうなら、教室にどのような年代の方々がいらっしゃるのか、先生の年齢、初心者でも安心して始められるかなどを見てから行かれると良いと思います」

盆栽は、とても奥が深い世界。そして惹かれるものを感じた方も多いのではないでしょうか。まずは樹さんのInstagramの作品のお写真を見たり、いろんな教室を見学したりしながら、盆栽の世界に馴染んでみることから始めてみるのがいいのではないでしょうか。

樹 弥沙さん
盆栽家
(いつき みさ)10代のころより独学で盆栽を始め、盆栽による空間デザインの依頼がきっかけとなり、 本格的に盆栽の修行がしたいと考えるようになる。大阪の盆栽園『養庄園』にて、小品盆栽協会専務理事である、浦部達夫氏に師事。 手が出しにくい、難しい、といった盆栽に対する敷居の高いイメージを、より身近なものとして沢山の人に伝える為、 空間デザイン、盆栽の卸、小売などを行う「BONSAI盆凡。」を立ち上げる。初めての人でも楽しめる教室をモットーに盆栽講師としても活躍中。2018年より、師匠より雅号を授かり、本名の真柄弥沙より、樹 弥沙と改名する。
Instagram:https://www.instagram.com/bonsai.bonbon.misa/

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