2025年10月、JR高輪ゲートウェイ駅と直結した複合施設「TAKANAWA GATEWAY CITY」の23〜30階に開業した「JWマリオット・ホテル東京」。世界中で30以上のブランドを展開するマリオット・インターナショナルの中でも、最上位に位置づけられる「JWマリオット」の国内2軒目、そして首都圏では初のホテルです。

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2階エントランス
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丸みを帯びたデザインが随所に。照明もそのひとつ

江戸時代には桜や月見の名所として賑わいを見せていた高輪。その地の歴史や、禅の美意識から着想を得たインテリアは、世界有数のラグジュアリーホテルを手がけるデザインスタジオ「Yabu Pushelberg」が担当。「高輪に再び憩いの場を創出する」というコンセプトのもと、繊細でエレガントな空間が広がっています。

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1階エントランス

エントランスは2つあり、高輪ゲートウェイ駅から訪れる場合には、2階エントランスがスムーズ。車寄せのある1階エントランスでは、富士山をイメージした大きなオブジェが迎えてくれます。桜の名所であり、東京湾越しに富士山を望めたという高輪の情景を象徴しているそうですよ。 

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    1階入り口にある石のアート
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    エレベーター内には月のモチーフが

1階から入ると、水音が心地よく響き、枯山水を思わせる石の配置が視界に入ります。お月見の風習になぞらえ、エレベーターの床には、まん丸な月のモチーフが浮かび上がるのも印象的。

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30階レセプション

レセプションの天井には、浮世絵にインスパイアされた鎌倉彫のアートが施され、かつての高輪の風景が現代に蘇ります。訪れたゲストを温かく迎え入れてくれるような、包容力ある世界観です。

今回はそんなJWマリオット・ホテル東京内にオープンした地中海レストラン「セフィーノ (Sefino)」へ。香港のミシュラン一つ星レストラン「Ando」を手がけるアグスティン・バルビ氏が監修するダイニングで、ディナーコースを堪能してきました。

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入ってすぐ迎えてくれる、圧巻のワインセラー
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美食の序章を彩るウェルカムエリア
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「セフィーノ」内観
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視線の先に広がるセミオープンキッチン

さらに食事前には、特別に館内も案内していただいたので、レストランに加えてホテルの魅力もあわせてレポートいたします。

地中海と日本の美が溶け合う「セフィーノ」のコース料理

■1:美しいプレゼンテーションから始まる、ウェルカムスナック&ドリンクと特製フォカッチャ

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本日のコースを彩る食材が一箱に

最初にテーブルに運ばれてきたのは、箱いっぱいに旬の食材をしつらえた美しいプレゼンテーション。その日の料理に使われる食材が、まるでアートピースのように収められていて、これから始まるコースへの期待が一気に高まります。

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3種類のスナック

続いて登場したのは、3種類のスナック。台座のような器にのせられた一品一品は、美術館の展示物のような佇まいです。

かぼちゃをテーマにしたひと品は、生地・タルタル・ピューレ・スライスと、異なる質感が重なり、ひと口の中でかぼちゃの魅力が広がります。ハマチ、りんご、きゅうりを組み合わせたタコスは、ライムの香りが爽やかに引き立ち、軽やかな酸味がアクセントに。

そしてガラスの器にそっと隠されていたのは、赤牛のタルタル。表面を覆うきのこと白トリュフのシフォンフォームをよく混ぜていただくと、ふわりとしたチーズとやわらかな赤身が一体となり、まろやかな味わいです。

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ウェルカムドリンク

ウェルカムドリンクは、地中海地方に根づく「浸け込み」文化を取り入れたマセラードスタイル。日替わりで5種類、用意されています。この日はブラックベリー、セージ、自家栽培のバジルをゆっくり抽出した一杯で、香り豊かでありながら後味はすっきり。コースの始まりにぴったりでした。

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特製のフォカッチャと2種のオリーブオイル ※現在、オリーブオイルの提供は1種類

さらに、青さのりを練り込んだ特製フォカッチャも登場。合わせるオリーブオイルは、スペイン産の希少品種ファルガから搾ったものと、イタリア・シチリアのエクストラバージンオイルの贅沢な2種(※現在はファルガのオリーブオイル1種のみの提供)。

ファルガは樹齢1500年以上の古木から収穫される小粒の実が特徴で、口あたりは驚くほどなめらか。対してイタリア産はフルーティーで華やか。味わいの違いが明確で、オリーブオイルの奥深さを実感できます。

磯の香りがふんわり広がるフォカッチャと、個性豊かなオリーブオイルの組み合わせは、まさに地中海の風を感じるような味わいでした。

■2:地中海の感性が息づく、ふたつの魚料理

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「鮪赤身、アホ・ブランコ、海ブドウ」

地中海料理らしく、魚料理は2品構成。ひと皿目は、スペインでも親しまれているというまぐろを使ったひと品。今回使用されたのは、青森・大間で水揚げされた上質なまぐろで、ぶつ切りにした身をタルタルのようにまとめ、南スペインの伝統的なスープ「アホ・ブランコ」をソース仕立てにしています。

「アホ」はにんにく、「ブランコ」は白を意味し、旨みとまろやかなコクが感じられるソース。仕上げに、細く香りのよいパセリオイルと、軽やかな辛みを添えるチリオイル、さらに海ぶどうなどが添えられ、日本の食材がいつもとは違う表情を見せる、新鮮なひと皿になっています。

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「甘鯛、エシャロット、海藻」

ふた皿目は、皮目を香ばしく焼き上げた甘鯛の料理。下には、あおさを混ぜ込んだパンケーキと舞茸のソテーが隠れています。

ソースは、やさしい酸味が心地よいブールブランと、あさりの旨みを抽出した泡状のシーフードソースの2種類。形も風味も異なるソースが甘鯛に寄り添い、ふっくらとした身の奥行きをさらに引き出しています。

最初に登場したあおさのフォカッチャとの相性もよく、最後にソースを少しつけて味わうと、また違った美味しさが広がります。

■3:肉料理は、炭火の香りをまとわせた仔羊

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「仔羊のロースト、ひよこ豆、茄子」

肉料理は、仔羊のロースト。まずオーブンで軽く火を通し、その後炭火で香ばしさをまとわせる二段階の調理法によって、仔羊の旨みが際立っています。

付け合わせは、なめらかなひよこ豆のピューレ、火を入れて甘みを引き出したなす、カリッと仕上げたケール。それぞれの食感や風味が、仔羊の味わいに心地よいアクセントを添えています。

ソースは、骨からとった深みのあるデミグラスと、アルゼンチンのバーベキューソース「チミチュリ」をアレンジしたスパイシーな2種類。炭火の香りとふくよかなソースが重なり、柔らかな肉質がさらに引き立っていました。

■4:幼少期の記憶から生まれた、シェフのシグネチャー「メロッソライス」

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「メロッソライス、舞茸」

次に登場したのは、アグスティン・バルビ氏のシグネチャーメニュー「メロッソライス」。幼少期に、祖母の家で味わった「カルドソ」に着想を得たという、記憶と伝統が受け継がれたお米料理です。

海鮮、きのこ、肉、旬の野菜など、季節ごとに異なる素材を用いて仕上げられるひと皿。今回は、きのことスペイン産チョリソの旨みがしっかりと染み込み、深い香りが漂っていました。

リゾットとは異なりチーズは使わず、旨みのある出汁にご飯をやさしく馴染ませるスタイル。日本のおじやのように、さらりとしたスープの中にお米がほどよく溶け込む軽やかさがあり、重さを感じずすっといただけます。

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メロッソライスはおかわりもOK

仕上げはテーブルサイドで。温かな鍋から丁寧によそってくれるサービスも特別感があり、立ちのぼる香りに期待が高まります。しかも、こちらのメニューはおかわりができるのもうれしいポイントです。

■5:華やかに締めくくる、チョコレートデザートとミニャルディーズ

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チョコレートのデザート

スイーツ好きにはうれしい、デザートが充実したコース構成。まずは新作というチョコレートデザートが登場しました。

ラムをきかせたチョコレートスポンジに、なめらかなチョコレートフォーム、ルイボスティーアイスクリームを重ね、その上には透き通る飴細工のようなパリッとしたプレートが。スプーンを入れると心地よい音が響き、濃厚でありながら上品な甘さがふわりと広がります。ラムの風味がほどよく効き、大人の余韻が残るひと皿でした。

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ミニャルディーズは4種類 ※現在はアイスクリーム以外変更

 続いて運ばれてきたミニャルディーズは、贅沢に4種類。グラスにはヘーゼルナッツのアイスクリームにバターのチップが添えられ、さらにラズベリーシャンテリクリーム、野イチゴ香る紅茶フレーバーを使用したチョコレートガナッシュ、シャインマスカットの小菓子が並びます。

小ぶりながら異なる味わいと食感が楽しめ、コースの締めくくりまで心が満たされるラインナップでした。

館内で出会う、「JWマリオット・ホテル東京」の魅力

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グリフィンのモニュメント
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30階フロア

創業者ジョン・ウィラード・マリオットの名を冠する「JWマリオット」は、「心温まるエレガンス」を掲げるブランド。静かな香りが漂う館内は、歩くだけで肩の力がふっと抜けるような、やさしい空気に満ちています。

30階に着くと迎えてくれるのが、ブランドの象徴であるグリフィンのモニュメント。取材時は可愛らしいサンタ帽をかぶっていて、凛とした佇まいの中にさりげない遊び心が光ります。

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30階クロワッサンバー「ル・クレス」
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クロワッサンイメージ

レセプションフロアすぐ手前には、世界コンクールで数々の受賞歴を誇るトップパティシエ・野島茂シェフが手掛ける、テイクアウト形式のクロワッサンバー「ル・クレス(Le Cres)」があります。伺った時間帯はすでにクローズしていましたが、営業時間中はガラスケースにクロワッサンが並び、すでにファンが多いといいます。

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暖炉の炎がゆらめく、心落ち着くラウンジ
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30階奥にひっそりと佇む「JWバー」

暖炉を挟んで「JWラウンジ」が広がり、その先には「JWバー」が。

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「JWバー」奥にある「4-0-3」というポップアップバー

その「JWバー」を進んでさらに奥にある「4-0-3」は、3か月ごとに変わるポップアップバーです。

2025年12月末まではサントリーのブレンデッドウイスキー「響」とコラボレーションしており、2026年1月以降は高級シャンパンブランド「ドンペリニヨン」とのコラボレーションを予定しているそう。

鳥獣人物戯画のように動物たちが酒を酌み交わすユーモラスな壁画が描かれ、窓の外には東京の夜景――そんな隠れ家のような贅沢な空間で、期間限定のバーをお楽しみください。

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一番スタンダードな部屋「アーバン デラックス」
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夜景が堪能できるバスルーム

ゲストルームは23〜28階に位置し、スイートを含む全200室。禅の美意識を思わせる日本ならではの色調と琥珀を基調にした落ち着いたデザインで、スタンダードタイプでもゆとりある造り。大きな窓に面したバスルームでは、夜景を眺めながら湯船に浸かれる贅沢さにうっとりします。

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東京を一望する、開放感あふれるプール

スパエリアには、25mプールや「Spa by JW」、宿泊ゲストは24時間利用可能なフィットネスセンターも完備。東京タワーを望む眺望と穏やかな照明が相まって、まさに「都会のリゾート」と呼ぶにふさわしい空間です。

ディナー前に館内をご案内いただいたことで、「セフィーノ」での時間が一層豊かになりましたが、宿泊してゆっくり過ごせば、さらに心満たされる滞在になるだろうと感じました。


今回は「セフィーノ」でのディナーを中心にお届けしましたが、「JWマリオット・ホテル東京」には、まだまだ心惹かれるスポットが多くあります。2026年1月12日(月・祝)には、ブランドコンセプトであるマインドフルネスをより深く体験できる特別なゲストルーム「JWマインドフルルーム」もオープンします。

開業して間もない今は、ゆったりとその世界観を堪能できる絶好のタイミングかもしれません。ぜひ「セフィーノ」のディナーに加え、カフェや宿泊でも訪れてみてください。

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WRITING :
篠原亜由美
EDIT :
小林麻美