京都洛北、左大文字から続く鷹峯三山の麓にある密やかな森の庭に佇む「アマン京都」。天然温泉を備えるスパ棟、宿泊棟、そして茶室が森の庭に溶け込むように点在する隠れ家のようなラグジュアリーリゾートです。

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茶室「仙窟」外観

2025年11月、「アマン京都」の森の庭に、時を超えて受け継がれる美意識と精神性を映す茶室「仙窟(せんくつ)」が新たに誕生しました。

茶道裏千家十六代家元・坐忘斎千宗室宗匠より命名されたこの茶室は、苔むした巨石の石畳を進んだ先、敷地内でもとりわけ静謐な一角に佇みます。アマン京都の建築と豊かな自然とが静かに呼応し合い、森の庭にさらなる深みと、伝統が息づく穏やかな時間をもたらします。

「アマン京都」に誕生!数寄屋建築の茶室「仙窟」

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茶室「仙窟」

茶室「仙窟」は、伝統的な四畳桝床の小間、露地庭と深池を望む椅子式の立礼席、そしてふたつの茶室を結ぶ水屋から成る、静かに完結した空間構成が特徴です。

宿泊ゲストは、幽玄の世界へと誘われる本格的な茶の湯体験をはじめ、日本画家とのアートセッションや季節の和菓子づくりなど、静謐な空間の中で日本の文化と芸術に触れる多彩なエクスペリエンスを楽しめます。

設計を手がけたのは、裏千家今日庵をはじめ国内外で数多くの茶室を築いてきた仙アートスタヂオ。施工は、数寄屋建築の名匠として名高い中村外二工務店が担当。北山杉や鷹峯の土を用いた土壁など、選び抜かれた素材が織りなす空間には、光や影、風の気配までもが美として溶け込み、数寄屋建築ならではの奥深い趣が息づいています。

茶の湯のひとときを楽しめる四畳桝床の小間

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四畳桝床の小間

卓越した職人技が注ぎ込まれ、極限までそぎ落とされた美を宿す四畳桝床の小間では、茶人による本格的な茶の湯のひとときを楽しむことができます。にじり口から静かに身をかがめて足を踏み入れると、そこに広がるのは、わずかな広さの中に無限の奥行きを感じさせる、“小宇宙”と称される幽玄の世界。

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茶の湯

季節を映す床の間の掛物や草花、釜から立ちのぼる湯気、畳にほのかに残る草の香り、そして障子越しに揺らぐ柔らかな光と影。ひとつひとつの気配が静かに響き合い、敬意と静謐が溶け合う空間の中で、一期一会の美意識が静かに語られます。

靴のまま利用でき、海外ゲストにも親しみやすい立礼席も

立礼席

深池のほとり、瑞々しい緑に抱かれる立礼席の茶室は、茶の湯の伝統を受け継ぎながら、アマン京都の建築美と静かに呼応する佇まい。風と光をやわらかに取り込み、心地よい開放感に満ちた空間が広がります。壁一面に設えた大きな窓の先には、露地庭と深池の景色が連なり、現代的な快適さと和の美意識が自然に溶け合います。

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茶室で提供される和菓子

靴のまま利用できる設えにより、国内外から訪れるゲストが茶の湯文化に親しみやすいのも魅力のひとつ。和菓子づくりや日本画家とのアートセッションなど、多彩なプログラムを通して、日本文化に静かに浸るための場として展開していく予定なのだとか。


アマン京都 総支配人の溝渕康雄氏は「アマンは、その土地が持つ伝統文化や歴史、環境、そしてライフスタイルに深い敬意を払い、体験を通して理解を深めることを大切にしてきました。数寄屋建築の美に包まれる仙窟で、おもてなしの精神を映す茶の湯に触れ、マインドフルなひとときお過ごしいただけることを、心より願っています」と語ります。

茶室は現在、宿泊ゲスト専用として提供されていますが、2026年からはビジターを対象とした季節の茶会も予定。山深く、別世界のように静かに佇む茶室「仙窟」で、アマンならではの奥行きあるエクスペリエンスをお楽しみください。

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