東京・銀座のランドマーク「ハウス オブ ディオール ギンザ」4階に位置する「カフェ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック」。

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「カフェ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック」内観

2024年12月、関西国際空港店に続く国内2号店としてリニューアルオープンし、スイーツだけでなく本格的なセイボリーやアルコールも楽しめる、ランチやアーリーディナーにもおすすめの、大人のための上質なカフェとして注目を集めています。

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入口すぐに設置されたショーケース
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上品で可憐なムードが広がる店内

入口ではガラスのショーケースにずらりと並ぶシグネチャーケーキがお出迎え。店内は淡いピンクやブルー、クリーム色を基調にしたやさしい色合いで、椅子や壁のデザインも洗練されています。

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ディオールの世界観が息づくテーブルセッティング

テーブルに目を移すと、プレートにはディオールのコードがさりげなく刻まれ、ナプキンをまとめるホルダーもアイコニックなデザイン。カラフルなグラスが光を受けてきらめき、座った瞬間から非日常のひとときが始まります。

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世界的シェフ、アンヌ=ソフィー・ピック氏

そして、このカフェが美食家からも熱い視線を集めている理由のひとつが、世界で最も多くミシュランの星を獲得した女性シェフ、アンヌ=ソフィー・ピック氏の存在です。香りのレイヤーや素材の組み合わせに卓越した彼女の料理は、ディオールのレガシーをひと皿に映し出すような魅力にあふれています。

今回は、そんな「カフェ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック ギンザ」で味わえるシグネチャーメニューから、この秋冬に登場した新作まで、Precious.jpライターが実食。迷ったときにぜひ選びたい、おすすめの品々をご紹介します。

「カフェ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック ギンザ」で味わう至極の7皿

■1:アンヌ=ソフィー・ピックの世界観を象徴する「ル ニュールック」

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「ル ニュールック」¥3,300

アミューズでまず味わってほしいのが、ブランドのアイコンでもある「ニュールック」に着想を得たこちらのひと品。1947年、ムッシュ ディオールが発表したファーストコレクションの名を冠した料理で、アンヌ=ソフィー・ピック氏の世界観をもっとも端的に感じられるシグネチャーです。

ベースは韃靼そばを使った極薄のタルトレット。ひと口目を軽やかに仕立てるため、生地はとても繊細です。

中央にはモンテリマーヌガーから着想を得たヌガーが忍ばせてあり、3種類のナッツと蜂蜜のやさしい甘さが広がります。さらに中には隠し味として貴腐ワイン(ソーテルヌ)のゼリーを潜ませ、食べ進めるごとに自然な甘みも立ち上ります。

さらに全体を包み込むのが、フォアグラで表現したモンブランのようなクリーム。フォアグラと聞くと重たく感じがちですが、卵白や乳脂肪分の高いバターを合わせることで、エアリーに仕上がっています。

当日スタッフの方が「ひと口目と最後の印象が変わる、彼女らしいコントラストを楽しむ料理なんです」と語っていた通り、ひと皿の中に小さなストーリーが宿るような構成。最初から最後まで香りと食感が移ろい、思わずもう一度味わいたくなる特別なひと品です。

■2:ひまわりの花のような美しいサラダ「ラ フルール ド トルヌソル」

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11月登場の新メニュー「ラ フルール ド トルヌソル」¥3,500

ひまわりのように美しく広がるビジュアルが印象的なキャロットサラダ。アンヌ=ソフィー・ピック氏が得意とする、素材の繊細な表情を引き出すアプローチが表れたひと品です。

マダガスカルペッパーで風味付けした2種類のにんじんを細いジュリエンヌにカットし、すべて手作業で花の形に組み立てたという驚くべき丁寧さ。

中央の白い「パール」は、ヨーグルトとオレンジフラワーウォーターを合わせた爽やかなクリームで、その下に忍ばせたブレトンサブレがサクッと心地よい食感を添えています。仕上げにはビオラの花とにんじんパウダーがあしらわれ、見た目にも華やぎを添える仕立てに。

「パール」をそっとカットし、にんじんとサブレを一緒に混ぜていただくと、香り・甘み・食感がひとつに重なり、シンプルな素材とは思えない奥行きが広がります。

■3:「カナージュ」柄が浮かぶポタージュ「ル カナージュ」

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11月登場の新メニュー「ル カナージュ」¥3,500

ディオールのアイコンとして知られる、丸く穴の開いた美しい「カナージュ」柄が印象的な温製ポタージュ。パースニップ(白にんじん)のやさしい甘みに、ほんの少しコーヒーを加えて奥行きを出した、季節ごとに素材が変わる人気のスープシリーズです。

表面を覆うチュイールは、24か月熟成のコンテチーズを練り込んだもの。スプーンでそっと割ると、温かいポタージュが現れ、カリッとした食感とチーズの香りが広がります。

スープの中には、ソテーしたパースニップ、自家製ピクルス、クルトン、そしてカレー風味でローストしたクルミが潜み、ひと口ごとに異なる風味と食感が重なります。仕上げのオキザリス(ハーブの一種)が爽やかなアクセントに。

チュイールが少しずつ溶け込むにつれ、スープはよりまろやかでコク深い味わいへ。最初の軽やかさから、後半に向かって濃厚さを帯びていく変化が楽しい逸品です。

■4:「レオパード」柄が魅了するクロックムッシュ「ル ミッツァ」

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「ル ミッツァ」¥6,500

ディオールを象徴する「レオパード」柄をまとった、遊び心あふれるクロックムッシュ「ル ミッツァ」。ムッシュ ディオールのミューズとして知られるミッツァ・ブリカールにインスパイアされたひと品で、楕円形の「オヴァール シリーズ」として提供されています。

パンはプレーンとカカオを組み合わせ、柄まで丁寧に再現したものを合計4枚使用。2枚を1組にしてベシャメルソースをたっぷり染み込ませることで、クリーミーな食感に仕立てられています。ベシャメルは、アンヌ=ソフィー・ピック氏が祖父の代から受け継いだレシピをもとにしたもの。

中には、薄く重ねたハムとチーズ、そして削りたての黒トリュフ。8層にもなる贅沢な構成ながら、ひと口ごとに香りがふわりと広がり、濃厚でありながら上品な味わいに仕上がっています。

見た目の可愛らしさと力強い旨みのギャップが魅力で、年間を通して人気ナンバーワンメニューというのも納得です。

■5:香りと食感が重なる、きのこのパイ「ル プリッセ」

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12月中旬から提供予定の「ル プリッセ」¥6,500

繊細なプリーツのような模様が印象的な、きのこのパイ「ル プリッセ」。サクサクと軽いクロワッサン生地のタルトの中に、4種類の国産きのこ(ブラウンマッシュルーム、ブナシメジ、アワビ茸、⼤⿊しめじ)をふんだんに使ったソテーとピューレを閉じ込めた、香り豊かなひと品です。

中心には、きのこのコンソメをベースにしたフラン(茶碗蒸しのようななめらかな仕立て)が入り、表面のプリーツ模様も同じフランで構成。カットする場所によって異なる食感と香りが現れ、ひと皿の中にきのこの奥行きが幾層にも重なります。

生姜を効かせたブラウンマッシュルームのソースに、ローズゼラニウムの香りが重なり、後味にフローラルな余韻が残ります。軽やかさと深みが同居する、秋冬にぴったりのひと品です。

■6:バラが広がる「ラ ローズ ア ラ フランボワーズ」

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「ラ ローズ ア ラ フランボワーズ」¥4,500

バラが咲いたような佇まいに思わず見とれてしまうケーキ「ラ ローズ ア ラ フランボワーズ」。ブレトンサブレのタルト生地の中には、ローズプラリネと、ローズとオレンジを合わせたフィナンシェが忍び、ひと口目からふくよかな甘い香りが広がります。

その上にゆずと生姜のコンフィ、さらにフレッシュなフランボワーズの輪切りを丁寧に重ね、フランボワーズとオレンジのコンフィが加わる多層構造。トップのローズは軽やかなムース仕立て。仕上げにローズウォーターを吹きかけ、華やかな香りを重ねています。

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美しい断面

断面を見ると、鮮やかな赤い層が美しく重なり、ひと目で複雑な構成が伝わる仕立て。実際に口に含むと、スタッフの方が話していた通り「ローズとフランボワーズが交互に香る」ように、香りのレイヤーがやさしく行き来します。

バラのスイーツは香りが強めだと苦手意識を持つ方もいるかもしれませんが、これはバランスが絶妙。ところどころにのぞくゆずや生姜のニュアンスがアクセントとなり、最後まで心地よく食べ進められるケーキでした。

■7:ノルマンディの恵みを閉じ込めたスイーツ「ル グランヴィル」

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「ル グランヴィル」¥4,000

白と黒の「トワル ドゥ ジュイ」柄をまとった、芸術作品のような佇まいの「ル グランヴィル」。田園風景を細やかに描くフランス伝統のモチーフをホワイトチョコレートに写し取ったデザインで、テーブルに置かれた瞬間に思わず見とれてしまう存在感があります。

中には、リンゴと柚子のソースに、リンゴを原料とする蒸留酒・カルヴァドスをほのかに効かせた層。その下には、そば茶を混ぜ込んだブレトンサブレと、ノルマンディ地方ならではのコクのあるクリームが重なり、香り・甘み・酸味がやわらかく調和しています。

スプーンを入れると、模様入りホワイトチョコレート、フルーティなソース、クリームが層になって現れ、断面からも丁寧な構成が伝わる仕立て。柚子の爽やかさが後味をすっと整えてくれるスイーツでした。

パンやバター、ドリンクにもこだわりが光る

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スープやメインディッシュには、カンパーニュやバターなどがセットに

料理やスイーツだけでなく、パン&バターやドリンクも印象的です。試作を何度も重ねて完成したというパンは、外はパリッと、中はもっちりとしたこだわりのひと品。栗のはちみつが練り込まれていることで、パンそのものにほんのりとした甘みがあり、後味まで軽やかに仕上がっています。

合わせるバターは、北海道・美瑛産のバターにカカオ豆・トンカ豆・コーヒー豆を砕いて練り込んだ特製フレーバーバター。ふわりと香りが立ち、パンのやさしい甘みと相まって、重さを感じさせないリッチな味わいです。

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「玄米茶コリンズ」¥2,500

爽やかな一杯を求めるなら「玄米茶コリンズ」もおすすめ。水出しの玄米茶に、煎茶から作る自家製のシロップを合わせたもので、和の香りが軽やかに広がります。

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「ホットラテ」¥2,000

さらに、メゾンのアイコンを描いたラテアートにも注目を。「鳥格子」、「ローズ」、「スター」、「ビー(蜂)」、「レオパード」の5種類から選べ、思わず写真に収めたくなる可憐さ。飲み進めても柄が崩れず、美しいままだったのには驚きました。ぜひ実際に体験してみてください。


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「ディオール メゾン」

アンヌ=ソフィー・ピック氏の芸術的ともいえる料理をはじめ、何から何までディオールの世界観に包まれ、夢のような時間を過ごせる「カフェ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック ギンザ」。

隣接するディオール メゾンのブティックには、店内で使用されているテーブルウェアをはじめ、豊富なラインナップが揃い、食後にのぞけばその余韻をさらに深めてくれます。ぜひ一度、ディオールの美意識に深く浸るひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか。

※掲載商品の価格は、すべて税・サービス料込みです。

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この記事の執筆者
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WRITING :
篠原亜由美
EDIT :
小林麻美