『Precious』本誌をはじめ、テレビや広告、ブランドとの取り組みなど、幅広く活躍する人気スタイリストの犬走比佐乃さん。ラグジュアリーブランドからプチプラファッションまで、ファッションセオリーと遊び心を柔軟に織り交ぜながら大人を素敵に見せるコーディネートが、Preciou.jp読者からも大きな反響を呼んでいます。
そんな「マダム犬走」の美意識に、さまざまな角度から触れる連載。第2回のテーマは、昨年79歳で人生の幕を下ろしたダイアン・キートンのオマージュコーデです。犬走さん自身のスタイリングにも影響を与えたという着こなしテクニックを織り交ぜながら、3つの装いを私物で披露してくれました。

年齢を重ねながら個性を楽しむダイアン・キートンのハンサムな着こなし術
「ダイアン・キートンといえば1977年公開の『アニー・ホール』が有名ですが、2003年に公開された『恋愛適齢期』では、ダイアンが実生活でも愛用していたというタートルネックがキーアイテムになっていました。映画の中だけでなくプライベートやそのほかの場面でも、自分のスタイルを確立しているところが素敵だなと思っています」
パンツでもスカートでも、ウエストマークを意識しているのもダイアンらしい特徴で、犬走さんにとってインスパイアされるテクニックのひとつだといいます。
「多少おなかが出ていてもちゃんとトップスをインしてベルトをしています。ジャケットやコートの上からベルトをすることも多いですね。あとは、映画祭などのレッドカーペットに登場するときに、ドレスではなくメンズっぽいタキシードを着ていたのも印象的です。若い頃はもちろんだけど、晩年になってからもその雰囲気を崩さずに貫いていましたよね」
「ちなみに私はキャサリン・ヘプバーンの白シャツの着こなし方とかがかっこよくて好きなのですが、きっとダイアン・キートンもキャサリンのスタイルを好きだったんじゃないかなと勝手に思っています(笑)。
シャツの襟をちょっと立てたパンツスタイルとか、タートルネックとシャツの重ね着とか、ジャケットの着こなし方とか、似ていますよね。残念ながらもう叶わないけれど、もしもダイアンにインタビューする機会があったなら、ぜひ聞いてみたかったですね」
今回ご紹介いただく3つのコーディネートは、年齢を重ねながらも個性を楽しんでいたダイアンらしさを感じさせながらも、絶妙な小物使いで犬走さんらしいエッセンスがプラスされています。
■1:メンズライクなスタイルに小物や丈感で軽やかさをトッピング
『アニー・ホール』のイメージで組んだのは、イタリアで創業したシャツのファクトリーブランド「バグッタ」の白シャツに「ザラ」のチェック柄ネクタイを合わせたコーディネート。
「『サクラ』のサスペンダー付きワイドパンツは、ピンストライプのウール素材がマニッシュですが、くるぶしくらいの少し短め丈なのでダイアンっぽい軽やかなボーイッシュ感が加わったかなと思います」
最近メンズのヴィンテージショップで最近購入したという「ワイズ」のベストは、小さな襟があしらわれているのがイメージにぴったり。
「帽子は渋谷ヒカリエの「CA4LA」で見つけた「YPON」というブランドのもので、実はクラウンがハート形なんです。久しく帽子をかぶっていなかったのですが、これはちょっとユニークでかわいいなと一目惚れでした」
■2:水玉のスカーフを小粋に効かせたスーツスタイル
続いては、『アニー・ホール』でもドットネクタイをしていたように、ダイアンが水玉を好んでいたことを意識した着こなし。「ブルネロ・クチネリ」のメンズライクなスーチングスタイルに、「ベグ&コー」のカシミアスカーフをネクタイ風にあしらうことで、柔らかい雰囲気がプラスされています。
「ダイアンといえばボウラーハット(山高帽)がトレードマークですが、ベレー帽もかぶっていたので今回は『CA4LA』の黒ベレーを合わせました。コンパクトなシルエットのダンガリーシャツはかなり前に購入した『グッチ』のもの。柔らかい素材感なので、ジャケットの下に着ていてもノーストレスです。
さらにちょっとした遊び心としてジャケットにピンバッジをプラスしました。今回は1つだけですが、小さなピンバッジをたくさんつけるのもかわいいですよね」
■3:メリハリをつけてモノトーンコーデをハンサムビューティに
最後はスカートスタイル。黒タートルに「バグッタ」の白シャツを重ねたダイアンらしい着こなしにも、ジャージ素材の黒スカーフをプラスして、首元の印象を引き締めているのが犬走さん流のアレンジです。
「ベルトとスカートは『ザラ』。スカートは、昨年創業50周年を記念して50人のトップクリエイターとコラボしたコレクションのアイテムです。腰下に切り替えが入っているのがアクセント。ナイロンタフタみたいなハリのある素材なので、きれいなAラインを描いています」
パンプスは、程よいヒールの高さでとても履きやすくてお気に入りだという「セルジオ・ロッシ」。モノトーンコーデの足元に上品な光沢感を入れることで、エレガントな魅力が後押しされています。
「ポイントはなんといっても太めのベルトでウエストマークしていること。日本人はウエストラインを曖昧にしがちですが、これはぜひみなさんにもダイアンを見習っていただきたいなと思います」
「マダム犬走」ことスタイリスト犬走比佐乃さんの連載。今回はダイアン・キートン風の着こなしをお届けしました。次回もぜひお楽しみに!
※私物に関するブランドへのお問い合わせはご遠慮ください。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- 田中麻衣(小学館・犬走さん)、Getty Images
- WRITING :
- 河野未奈
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)

















