世界的に著名な写真家・田原桂一氏の35年前に撮影されたシリーズ作品が、チェコ共和国の首都・プラハのプラハナショナルギャラリーにて公開されました。
田原桂一氏は、1951年に京都で生まれ、ヨーロッパの刺すような光に魅せられ、パリで写真家として活動を始め、国際的な賞を受賞。写真だけにとどまらず、“光そのものの存在を見たい、光を自分の手でつかみとりたい”という欲求から、光そのものを使った作品、光の彫刻、光のインスタレーションなど、さまざまな表現方法で光をとらえようとしています。
35年ぶりに展示された、ダンサー・田中泯さんとの作品とは?
展示されたのは、1978年から1980年にかけて、ダンサーの田中泯さんとともに試みた「光と身体」の関係性についてのフォトセッション。
ローマ、ニューヨーク、アイスランド、パリ&ボルドー(フランス)、東京、九十九里浜、秋川渓谷など、世界各地の都市や大自然のなか、異なった光や大気や季節の下で、ダンサーの身体がどのように反応してゆくのか? あるいはただ単に、人間の皮膚や神経が、その触手を光の中にどのようにのばしていくのか?を追い求めた連作写真です。
「光によって、見るという行為やそれに伴う感情が如何に翻弄されるか、そんなことばかりを考えていた時期であった。『身体気象』という言葉が私たちを結びつけた。まさに光と身体が出会う瞬間である。私の写真行為のなかでこのプロジェクトは『対象』と『主題』が渾然と入り混じった実に不思議な3年間であった」と、田原さんは当時を振り返っています。
7年前に田原桂一さんのカメラが捉えた、田中泯さんの身体とその見え方の、興味深い対話が公開される写真展となりました。
■Keiichi Tahara: Photosynthesis 1978–1980 featuring Min Tanaka
会 場:Národní galerie v Praze/Trade Fair Palace(チェコ・プラハ)
会 期:2017年3月17日〜8月27日 ※終了
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- Precious.jp編集部