「これってもしかして浪費?」「いつも行き当たりばったりでお金を使っているかも!?」と思うことはありませんか? 学校でお金の使い方を教わることはありません。そのため、正解がわかりづらいもの。できることなら、人生にいい影響があるような使い方がしたいですよね。

そこで今回は、成功者からのアドバイスを本にしたビジネス書作家の水野俊哉さんに、人生が思い通りに動くようになるお金の使い方について聞いてみました。

今後これらの使い方を心がければ、もっと人生が豊かになり、あなたの思い描くように動いていきます。なかには少し意外なものもありますが、早速そんなミラクルなマネー術を見ていきましょう。

人生が思い通り動くようになる「お金の使い方」5選

■1:面白い本にお金を使う

成功者は気になった本をすべて買う
成功者は気になった本をすべて買う

皆さんも本から多くのことが学べることは、ご存知の通りです。しかし、いざ書店に出かけると、「あ、この本、なんか面白そう」とピンと来たとしても、ついつい「また今度にしよう」と、買うのをためらったりするものです。

「もし、自分の好奇心のアンテナがピンと立って知らせたなら、成功者は間違いなく、すぐにその本を買いますね。もし次に回して、再び巡り合えるかどうかはわかりませんから。そのときにピンと来たことを優先して、そこに何か学びがあるはずだと考えて、買うわけです。これはいわば、自分の好奇心というアンテナを大事にしなさい、という教えでもあります」

ただ、最近はネット情報が充実しているため、ネットでリサーチして済ます人も増えています。それではダメなのでしょうか?

「ネット情報は玉石混交で、正しいかどうかもわかりません。一方で本には、加えて、無料の情報とお金を出して買った情報を比べたら、どちらを真剣に読み、その情報が身につくかを考えたら、本を買うことに投資する方が賢明だと成功者は判断するわけです」

最初は自分が仕事で関わっていたり、興味のあるジャンルの本から始めて、徐々にこれまで関心がなかった本も、自分の好奇心が導くままにピンと来たら買う、という習慣を続けるといいそうです。

「本は、全部をくまなく読む必要はありません。必要な個所や、興味をひかれた部分だけを読むのでもいい。また得た知識が、どこでどう、ビジネスや人生に関わって来るかはわかりませんから、一見、自分と無関係と思える本も、いつ役立つかはわかりません。ですから好奇心が動いたら買う。そうすることで、自分の好奇心のアンテナを折らないようにすることが、人生を豊かにすることに繋がるのです」

つい「また今度にしよう」と思いがちな本との出合い。人生をよりよくするために、「よし、買ってみるか」と自分の好奇心を信じて行動してみましょう。

■2:自分の健康にお金を使う

成功者は運動や食事に気を遣う
成功者は運動や食事に気を遣う

「健康が一番大切」と、だれもが思ってはいること。しかし、あわただしい毎日の中で、本当に健康を大切にできていますか?

「成功者は、とにかく健康の大切さ、ありがたさを知っています。働ける体であることが、成功への第一歩であると、身をもって体験してきているからです。ジムに通うなら、追加料金を払ってでも、パーソナルトレーナーを付けましょう。自分勝手にトレーニングしたのでは、かえって不健康になってしまう可能性もあります。専門家の意見を聞いて、より健康的な体づくりをしましょう。

そして、日々の食事に気を遣いましょう。いちばんのポイントは栄養バランスです。仕事場の食事環境にもよりますが、多くの人はいつも決まったランチメニューからの選択だったり、自分が食べたいものだけを食べるといったアンバランスな食事になりがちです。

そうした習慣を避けるいい方法が、栄養バランスを考えたお弁当づくりですね。少し高くても、オーガニックな野菜や栄養価などを考えた食材を買うようにしましょう。また、自分でつくったお弁当を持参する女性は、男性社員からの好感度も上がりますので、その点からも人生を豊かにすることにつながるかもしれません。

健康や栄養について学ぶ学校に行ったり、本から学ぶのもいいでしょう。健康についての学びは、生涯にわたり役立つものです。絶対に損のない投資なのです」

普段、健康であることが当たり前になっていると、その大切さにはなかなか気づけないもの。体の調子がいいから、色々なことを楽しめるのです。ぜひ、病気になる前にそのことを思い出し、日ごろの食生活や、体調管理を心がけていきましょう。

■3:コミュケーションを円滑にするツールにお金を使う

成功者は会食が多いのでワインの勉強をする
成功者は会食が多いのでワインの勉強をする

役職が上がるのとともに増え始めるのが、会食の機会です。そんな際に役立つ知識を身に付けておくことも、成功者が欠かさないお金の使い方なのだそう。

「例えば、ワインに関する知識がオススメです。ワインはいろんな料理に合いますから、ワインに関する知識を身に付けておくと、会食の席を盛り上げることができます。年代や格付けなど、うんちく的な要素も多いので、学ぶには格好のターゲットです。ソムリエ資格を取らないまでも、そのための専門学校で学ぶとか、プロ並みのワイン知識を身に付けるわけです。

もちろん、日本酒やビールにもうんちく的な部分は多々あるので、そちらが好きだという人は、それでもいいです。ポイントは、コミュニケーションを円滑にするツールにもしっかりと投資して、会食という場でもしっかりともてなすようにすること、が大切なのです」

ビジネス上のお付き合いには、他にもゴルフなどさまざまなケースがあります。このような、場を盛り上げることができることに投資をして、おもてなし力をアップさせて、あなたのステータスをワンラックアップさせてみましょう。

■4:自分を支えてくれた人にお金を使う

成功者は周囲のために正しくお金を使う
成功者は周囲のために正しくお金を使う

ビジネスで成功したり、順調に出世するなかで、ついつい忘れてしまいがちなのが、周囲の人たちへの感謝の気持ちです。

「成功者の多くに共通しているのは、不遇の時代を過ごしていることです。その困難な時代を、家族などの周囲の人たちや、信じて支援してくれた人など、いろんな支えがあって今の自分がいる。そのことを知っている成功者は、自分を支えてくれた人を絶対に忘れません。

ですから成功したら必ず、そうした周囲の人たちにまず恩返しをすることを大切にしています。私たちはつい、家族旅行に大金を使うなんてもったいない、などと思いがちです。

しかし、自分が思い切り働くには、家族の理解が必要です。特に伴侶は、成功のカギを握るパートナーですから、成功したら一緒にその成果を豪華な旅行などで分かち合うことで、一緒に成功を楽しんでもらうことが大切なのです。家族に限らず、恩師、先輩、仲間など、支えてくれた人には惜しみなく、恩返しをするようにしましょう」

また、なかには「社会貢献に使いたい」という人もいるでしょう。そうした意見に水野さんはこう答えます。

「成功者の多くは、社会貢献は後回しにします。その理由は、税金を払い、従業員を雇用し、社会に役立つ商品やサービスを提供している事業そのものが、すでに社会貢献だからと考えるからです。ですから周囲への恩返しを優先します。それでもなお余裕があり、自分が寄付したい団体などに利益を還元するのは、もちろん有意義なお金の使い方ですね」

いろいろと出費がかかり始めると、つい「パートナーや家族のためにお金を使うのはもったいない」と思い始めてしまいます。しかし、周囲の人と喜びを共有することで、仕事へのモチベーションもさらに高まり、より大きな成長へとつながっていくのです。これに投資をすることで、確実に人生は豊かになるでしょう。

■5:後輩や同僚にお金を使う

成功者は引き継いでも自分の存在価値を失くさない
成功者は引き継いでも自分の存在価値を失くさない

最後の投資対象も、人物。起業をするとやがて直面するのが、後継者をどうするか問題ですよね。では、後継者探しにも投資をするべきなのでしょうか? 実はそこにお金を使わないそうです。

「成功者の多くは、意外に聞こえるかもしれませんが、じつは、後継者探しには投資をしないんです。その理由は、後継者は探すものではなく、気がつくとそばにいるもの、だと知っているからです。

とくに昨今、人材は流動化の時代です。後継者候補として投資をしても、いつ、その人が転職や起業に走るかわかりません。ですから自ら起業した人ほど、後継者としての投資は考えません。では彼らが何をするかといえば、自分の部下などに、単に喜んでもらうために、食事をごちそうしたりするわけです。

これは単に楽しみ・喜びの共有であって、後継者としての投資ではありません。こうして部下たちと成功を共有しながら、気がついたら後継者が現れていた、というタイミングを待つわけですね。ただ、仮に後継者がいても、事業をすべて引き継いで完全引退するのではなく、自分の存在価値が発揮できるようにしておくのが、本当の成功者たちですね」

後輩や同僚は、苦楽を共にする同志です。見返りを求めず成功を共有することで、単なるビジネスパートナーやチームの枠を超え、気づいたら近くにいてくれる後継者ともなってくれているのかもしれません。

この中には、これまでつい「そんなことにお金を使うのはもったいない!」と思っていたことがありませんでしたか? ぜひこれからは成功者たちのように、自分の好奇心、コミュニケーションツール、周囲の人々のためにお金を使ってみましょう。すると、人生がよりよくなっていきますよ!

水野俊哉さん
ビジネス書作家
(みずの としや)1973年生まれ。会社経営を経て2008年、「成功本50冊『勝ち抜け』案内」(光文社)でデビューし、同シリーズは累計10万部を突破するヒットとなる。以後も「法則のトリセツ」(徳間書店)「幸福の商社 不幸のデパート」(大和書房)など話題作を続々と発表し、2017年1月現在、著書20冊(内電子書籍1冊)。商業出版を目指す後進たちを支援するために開講中の、「水野俊哉主催 出版セミナー理論編」は、全国700名以上が受講。採算度外視で業界では破格と言われている少人数制セミナーは、開講から8年で約250名が受講し、受講生の5割以上が大手出版社から商業出版決定という驚異的な実績を誇っている。
『「99%の人が知らない」人生を思い通りに動かす大富豪の教え』水野俊哉・著 サンライズパブリッシング刊
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
町田 光