【近藤須雅子さんと考える、今とこれからの「美肌哲学」】
美容賢者として信頼を集めるふたりの、使い続ける化粧品とその背景にある判断軸とは?研究の進歩や処方の変化など、最前線でコスメを見つめてきた美容界の重鎮がナビゲートします。
情報や選択肢が溢れる今、化粧品選びは、信頼できるものを見極める目が必要に。美容賢者としておなじみの近藤須雅子さんは、数多くの研究者を取材し進化を読み解き、膨大な数の化粧品を試し続け価値のあるものを見定めてきました。確かな知見をもつ近藤さんの「美肌哲学」は、今の時代の化粧品選びにおける指針となることでしょう。

先進研究や開発の舞台裏に精通する近藤須雅子さんのたどり着いた美しさの本質
近年、シミ取りレーザーにHIFUと、美容医療がぐっと身近になってきました。誰だって容姿には多少なりとも不満はあるし、できることならよくしたいもの。それを短期間で叶えてくれるらしい美容医療に、手を少し伸ばせば届くようになったのはたぶんラッキーなこと、でも、そのぶん迷いも増えました。
シワもシミも治療できるのにしないのは臆病な怠け者のように思えたり、友人の友人の誰かがクリニックできれいになったと聞けば浮き足立ったり。年齢相応のくすみやたるみが気になるのも、人からよく見られたい虚栄心からかなと、自分が情けなくなることもあります。でもまた、外見に無頓着でいることが内面を豊かにするわけではないと考え直したり──。
ただそんなさまざまな思いに心乱されながら、丁寧に自問自答を繰り返し、誠実に折り合いをつけていくこと、それこそが洗練の核心のような気がします。
実際、若い頃は気にも留めていなかった肌のハリや輝きを、今となって医療や化粧品で人工的に演出しようとするなんて、浅はかで滑稽。でも、いじらしい─。そんな清濁合わせを受け入れる余裕と知性が、大人の魅力や美しさにつながると思うのです。
ともすれば自分自身を他人の目で値踏みして欠点を数え上げ、シミもシワもない完全無欠な美肌を目指すように追い込んで、先進技術を搭載した革新的な化粧品や美容技術までも、架空の美に近づくためだけのツールにしてしまいがち。
その一方、自分を労りねぎらうことには、なかなか思いいたらないものです。だからこそ、多忙な日々にひととき、ため息がもれる優雅なテクスチャーで文字どおり手をかけ、自分を慈しむ時間を招き入れ、ゆったりと美意識を育む。美容を、そんな心豊かで優雅な作法として楽しみたいと思っています。
近藤須雅子さんの「美肌哲学」と共鳴する名品4アイテム|世界レベルの研究者たちが磨き上げ、完成させた美しき佇まいの傑作
先進研究や開発の舞台裏を、長年にわたり取材し続けてきた近藤須雅子さん。尊敬すべき研究者や開発者が並々ならぬ思いを込めて手掛けた化粧品は、まるで最高峰のアート作品と評し、その真摯なものづくりに、深い信頼を寄せています。
画像左/クレ・ド・ポー ボーテ『ル・セラムII』
世界から羨望を集める「クレ・ド・ポー ボーテ」、その真髄をなす美容液。奇をてらわず美肌の基本を突き詰める誠実さで、徹底的に肌の理想の潤いを追求。内側から輝きを放つ美肌へと導く。
画像右/ゲラン『アベイユ ロイヤル ウォータリー オイル セロム』
ヨーロッパで長い歴史をもつアビセラピー(ミツバチ産品による自然療法)の可能性を先進科学で最大限に引き出した美容液。小さなビーズに水油両方の成分を閉じ込め、使い心地も優雅そのもの。
画像上/ゲラン『オーキデ アンペリアル ザ ロンジェビティ クリーム』
『アベイユ ロイヤル』同様、フランス国立薬学アカデミーの主要薬理学史者でもあるフレデリック・ボンテ博士によるハイエンドな逸品。使った翌朝から変化を実感できる、現時点の最高傑作のひとつ。
画像下/ポーラ『B.A クリーム』
「若さを保つ」というエイジングケアのセオリーを超越し、皮膚細胞を誕生のレベルから健やかに育み、エイジレスな美肌を実現するライン。化粧水も高い人気を誇りますが、一品選ぶならこちら。
「高度なサイエンスを礎に、美意識を体感できるコスメはまるでアートピースのよう」近藤須雅子さん
毎シーズン、次々と優秀な化粧品が登場し、クスリのようにシミやシワを改善できるアイテムも今や珍しくなくなりました。ただ同時に、その効果に圧倒されてしまい“クスリ並みに効く”のが“いい化粧品”と考えるのは、ちょっと違うと思っています。
化粧品はクスリというより、食べ物のようなもの。心身の健康を養う基本アイテムであり、心とろける味わいやかぐわしい香りで、日々の暮らしを豊かに彩る嗜好品であり、他者への配慮や敬意を示すリチュアルであり、そのすべて。太古から磨かれ培われてきた美の文化です。クスリのような “効き目” は、こんな多彩な魅力に満ちた化粧品の、ほんの一面でしかないと思うのです。
もちろん現在の一流化粧品の開発は、医学博士や工学博士などハイスペックな科学者が手掛けるもの。医療レベルの高い品質や効能は大前提です。だからこそ、表示成分やレシピだけにこだわらず、自分にとって心地よいテクスチャーや心震える香りを優先しています。ただ、仕事柄、各メーカーの研究者や開発者に取材をする機会が多く、どの製品を誰が担当されたのか“生産者の顔が見えている”ため、お気に入りの作家やデザイナーのアートや洋服が気になるように、「あの研究者さん、あのメーカーの新作なら」と個人的な信頼感がキーになることも。直接じっくり話をうかがい、化粧品に対する熱意や倫理観に共感できることは、やはり大きなファクターになっています。
ここで紹介した4点は、そんな尊敬する世界的な研究者たちの研究成果を、洗練されたテクスチャーと美しい佇まいで完成させた名品たち。絵画や音楽のように見たり聞いたりするだけでなく、実際に肌でその実力を感じ取り、美意識を体感できるのも、化粧品ならではの大きな魅力でしょう。いずれも、一点の曇りもなくおすすめできる、現時点で最高峰のアート作品です。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- PHOTO :
- 戸田嘉昭(パイルドライバー)
- EDIT :
- 荒川千佳子、五十嵐享子(Precious)












