東京から特急踊り子号で約2時間。澄み渡る海が広がる伊豆半島に位置する「赤沢温泉郷」は、海辺の景色と温泉を満喫できる人気のリゾートエリアです。
ホテルや日帰り温泉施設が点在し、ゆったりとした時間が流れるこの地では、近年リニューアルや新施設の整備も進行中。グランピング施設や屋内アミューズメント施設の完成も間近に控え、全エリアが整う2026年春には「プレジャーリゾート 伊豆赤沢温泉」としてグランドオープンを迎える予定となっています。
その赤沢温泉郷の一角、1000坪を超える広大な敷地に静かに佇むのが、わずか15室のみの宿「赤沢迎賓館」。全室に露天風呂を備えた客室では、海と空の気配を身近に感じながら、日常からそっと解き放たれるような滞在がかないます。
昨年9月のリニューアルを経て、より洗練された空間へと生まれ変わり、いっそう心地よい時間を過ごせる宿となりました。
今回はPrecious.jpライターが実際に訪れ、1泊2日の滞在を体験。大人の女性が心からくつろげる極上宿と、リゾート内の施設の魅力を詳しくご紹介します。
日本建築の美に包まれる、特別な滞在「赤沢迎賓館」体験レポート
■1:重厚な佇まいと格調高いロビー
まず目に飛び込んでくるのは、堂々とした門構え。凛と澄んだ空気のなか、どっしりと構えるその姿に思わず足を止めて見入ってしまいます。門をくぐった先に広がるのは、日本の美意識を感じさせる意匠とモダンな設えが調和した空間。自然と背筋が伸びるような、静かな緊張感に包まれます。
館内に足を踏み入れると、深い紫のソファが置かれたロビーが現れ、落ち着きと品格を備えた雰囲気。1階には貝殻を用いて表現された雁(がん)が飛び立つ様子のアートが配され、2階には雁が空から見下ろす視点で描かれた作品が飾られるという、粋な演出も印象的です。
ロビーから客室へと向かう道のりにも見どころが点在します。西陣織の大きなアートや静謐な石庭、木の温もりを感じる廊下など、視線を引き寄せる設えが随所に。館内を巡る時間そのものが、心を整えるひとときとなります。
■2:和の意匠が息づく、全室露天風呂付きの客室
今回宿泊したのは、1階の和室「すいせん」。扉を開けると、まず目に入るのは小さな飾りの間に静かに置かれた和の器。控えめながらも凛とした佇まいが、この先に広がる空間への期待を高めます。
ふすまを開けると、約68平米のゆとりある室内。網代(あじろ)編みの天井や聚楽(じゅらく)の塗り壁が織りなす設えは、伝統建築の美意識を感じさせるものです。
小上がりになった寝室には、シモンズ社と共同開発したローベッド「スリープレジャー」が。身体をあずけた瞬間に深い安らぎに包まれました。
洗面スペースも余裕ある作りで、落ち着いたトーンで統一されています。そして何より魅力的なのが、全室に備わる専用露天風呂。客室からもシャワールームからも直接アクセスできる動線で、湯上がりの移動もスムーズです。
目の前に広がる日本庭園と自然の緑。木々の揺らぎを感じながら湯に浸かる時間は格別です。静かな解放感に包まれ、思わず深呼吸したくなる心地よさでした。
露天風呂には、伊豆の水深800mから汲み上げた海洋深層水。ミネラル成分を豊富に含んでおり、美肌やむくみの改善、リラックス効果などが期待できるそうです。
館内の大浴場も同じ海洋深層水を使用していますが、塩分濃度が異なり、客室は5%、大浴場は3%。塩分濃度が高いほうが浮遊感が強いとのことで、入り比べてみるのもおすすめです。縁側にはゆったりと腰掛けられるソファも設けられ、湯上がりの余韻を楽しめます。
館内には約150平米を誇る離れの特別室も一室のみ用意され、茶室や専用サウナを備えるさらに贅沢な設え。今回宿泊したスタンダードタイプでも十分な広さがあり、満ち足りた時間を過ごすことができましたが、より非日常感を味わいたい方にはこちらも魅力的です。
■3:滞在を彩る、伊豆の恵みの日本料理
お料理は、伊豆の海が育む魚介や地元の厳選素材を取り入れ、四季折々の味覚を丁寧に仕立てた日本料理。夕食は、日本料理の伝統を大切にしながらも繊細な工夫が光る一皿一皿を、コース仕立てでいただきます。
レストランの入口にはガラス張りのキッチンがあり、料理人たちが手際よく準備を進める様子を間近に眺めることができます。自然と期待が高まる演出に、心躍ります。
席は庭園を望む席を中心に全室個室で、落ち着いた空間のなかでゆったりと食事を楽しめます。
筆者がいただいたのは2月の献立。最初に登場した「海華の恵み」では、まぐろ、ぶり、鯛、かんぱち、シマアジなど、その日おすすめの鮮魚が美しく並びます。どれも脂のりがよく、口に含むとやわらかくほどけるような食感。土佐醤油、白ポン酢、黄身醤油の3種が添えられ、それぞれの魚の個性を引き立てます。
続く「お椀」は、新若芽の薄葛仕立て。ふたを開けた瞬間、湯気とともに広がる出汁の香りに思わず深呼吸。ふんわりとした海老真丈や筍が入り、さりげなく春の気配を感じさせるひと椀です。
「組肴」では、うるいとセロリの梅香浸しや河豚の竜田揚げなど、味わいも食感も異なる品が少しずつ。日本料理ならではの繊細な組み立てに箸が進みます。
そして「焼肴」には伊勢海老が登場。凝縮された旨味と香ばしさが際立ち、印象に残るひと皿に仕上げられていました。
その後も、芹をたっぷり使った和鴨鍋、白魚と若牛蒡の釜炊きご飯と続き、季節の恵みを余すことなく堪能できます。
食事中には、スタッフおすすめの地ビール「ウサミゴールデンエール」を。きめ細かな泡とまろやかな口当たりで、和食とも好相性。料理の味わいを引き立てながら、ゆったりとした時間をさらに心地よく演出してくれました。
締めくくりの抹茶アイスや黒糖葛餅などの水菓子も、上品な甘さで心まで満たされるひとときに。
朝食も同じダイニングですが、朝は大きな窓から光が差し込み、夜とはまた異なる清々しい雰囲気に包まれます。
まず供された「おめざ」は、海洋深層水ゼリーに静岡みかんジュースを合わせたひと品。すっきりとした味わいで、目覚めたばかりの身体にやさしく染み渡ります。伊豆高原野菜と魚介のサラダは、自家製玉ねぎドレッシングでさっぱりと。その後に並ぶ小鉢の数々も丁寧な仕立てで、朝から満足感のある内容です。
なかでも印象的だったのが、鯛や蛤が入った海宝汁。新潟の白味噌を使ったという甘めの味噌汁があまり馴染みのない筆者にとっては、新鮮で心に残りました。
夕朝ともに、土地の恵みを丁寧に生かした料理の数々。滞在の満足度を高めてくれる、大きな魅力のひとつです。
迎賓館ステイをさらに満たす、赤沢スパ&プレイラウンジ
■1:美と癒やしを満たす、海洋深層水の「赤沢スパ」
赤沢迎賓館からは連絡通路を通ってそのままアクセスできる「赤沢スパ」。宿泊者は追加料金なしで利用できるのもうれしいポイントです。
海洋深層水を用いたスパ&ウェルネス施設で、まず体験したのは、フランス発祥の美容・健康法「タラソテラピー」を取り入れた海洋深層水プール。貸出用のセパレート水着が用意されているため、手ぶらで訪れても安心です。
水深800mから汲み上げた温かな海洋深層水に身を浸し、順路に沿ってゆっくりと歩行。ジェットの刺激を受けながら進むうちに、自然と呼吸が深くなり、思考まで澄んでいくよう。水の浮力と水圧が心地よく、心身がほぐれていくのを実感します。
屋外には新設された3棟のバレルサウナも。筆者が訪れた日は調整中で利用できなかったものの、ロウリュ式のプライベートサウナと水風呂を備え、木々に囲まれた環境でととのう時間を楽しめます。
館内にはそのほか、個室サウナや足湯、岩盤浴や温暖浴なども揃う充実ぶり。
ととのいスペースはゆったりと設けられ、ドリンクや雑誌も用意されているため、時間を忘れて寛げます。
2階にはカフェも併設。ホットサンドやおにぎり、スープ、サラダなど軽食が揃います。筆者は、りんご、パイナップル、レモン、ぶどう、キウイ、メロンなどの酵素原液を海洋深層水の炭酸で割った酵素ドリンクをいただきました。爽やかな酸味とほのかな甘みが身体にすっと染み渡る一杯です。
迎賓館の穏やかな時間に、スパの心地よい刺激。滞在がより立体的に、豊かに広がっていきます。
■2:夜の時間も満たす、大人のためのプレイラウンジ
赤沢スパのすぐ隣にある「ディープ シー ラウンジ(DEEP SEA LOUNGE)」は、宿泊者が無料で利用できるプレイラウンジ。深海をイメージしたシックな空間に、ダーツやビリヤード、卓球、ボードゲームなどが用意されています。
落ち着いた照明に包まれたラウンジ内には、ゆったりと寛げるソファ席も用意されており、お酒やソフトドリンクも楽しめるため、湯上がりや夕食後の余韻を過ごす場としても最適。大人同士の滞在はもちろん、親子や三世代での旅行でも楽しめます。
まだまだ広がる、伊豆赤沢温泉リゾートの魅力
全体敷地約25万平方メートルを超える広大なフィールドには、赤沢迎賓館やスパが位置するエリアのほかにも、趣の異なる3つのゾーンが点在しています。
そのひとつ、別ゾーンに位置する昨年12月にリニューアルした「赤沢日帰り温泉館」は、空と海が溶け合うような絶景の大露天風呂に加え、「海のねころびラウンジ」や温暖浴、タイ式マッサージなどが新設され、より充実した時間が過ごせるようになりました。
さらにほかのエリアでは、2026年4月末には伊豆の自然を五感で楽しむグランピング施設「GRAX EARTH FIELD」が誕生予定。天候に左右されずアクティブに過ごせる全天候型アミューズメント施設「プレジャーアリーナ」も整備が進められており、今後ますます注目を集めそうです。
敷地内はカートでの移動も可能。目的に合わせて自由に巡りながら、このリゾートならではの滞在を満喫できます。1泊2日では巡りきれないほどの充実ぶり。筆者も、次回はゆとりある滞在で、この地の魅力をさらに深く味わってみたいところです。
日常の喧騒からそっと離れ、穏やかな時間の流れに身を委ねられる「赤沢迎賓館」。客室や食、スパ、そして多彩な施設を巡るなかで、心も身体もゆるやかに整っていくはず。次の休日は、そんな上質な伊豆の滞在を楽しんでみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 赤沢迎賓館
- 施設/ 全15室(内、1室は離れ特別室)
宿泊料金/¥104,500~(2名1室利用時、2食付、税・サービス料込み) - TEL:0557-53-4890(予約センター)
- 住所/静岡県伊東市八幡野1754-114-3
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 篠原亜由美
- EDIT :
- 小林麻美

















