【目次】
【にんにくの日とは? いつ?】
■2月29日は「にんにくの日」
「にんにくの日」は、「伝統にんにく卵黄」などの健康補助食品を製造販売する、株式会社 健康家族が制定しました。日付は「2(にん)」と「29(にく)」読ませる語呂合わせから。日本記念日協会にも認定されています。
■「にんにくの日」の意味
「にんにく卵黄」は、江戸時代から九州地方(特に鹿児島県)で親しまれてきた伝統健康食品です。にんにくのスタミナ成分と卵黄の栄養を凝縮し練り上げたもので、江戸時代には参勤交代での過酷な移動や農作業の疲れを癒やす、家庭での常備薬として用いられていたのだとか。
株式会社 健康家族の商品は、「健康のために口にするものは素材自体が健康でなければならない」という創業者の信念のもと、農薬を使わないにんにくと、そのにんにくを食べて育った鶏の有精卵黄でつくられています。「にんにくの日」の制定は商品の宣伝だけでなく、にんにくの健康パワーについて広めたいという思いがあるのです。
■4年に1度しかない記念日。2月 29日のない年はどうする?
ご存じの通り、2月29日は閏年(うるうどし)にしか存在しません。しかし、閏年ではない年も株式会社健康家族は「幻のにんにくの日」と称してキャンペーンを行っています。さらに創立50周年となる2026年は、1年を通してさまざまな企画が予定されているとか。「にんにくの日」は4年に1度しか巡ってきませんが、青森や香川といったにんにくの産地などでも、毎年2月28日近辺にイベントや広報活動などが行われることがあるようです。
【そもそも“にんにく”とは:栄養の特徴と、食べるメリットの基本】
■にんにくの基礎知識
ユリ科の多年草。球状に肥大した鱗茎(りんけい/白い可食部)には強い辛味と特有の臭気があり、香辛料や強壮薬として用いるために栽培されます。栽培の歴史は古く、古代エジプト、古代ギリシア時代から栽培され、日本へは中国から渡来しました。
■にんにくの栄養
にんにくが「天然の抗生物質」と呼ばれていることをご存知ですか? それほど「強力なパワーを秘めた植物」として注目されています。摂取により期待できる効果は、健胃、整腸、利尿、発汗、去痰など。食事として摂るほか、サプリメントなどの健康食品で手軽に摂取する方法も一般的です。
にんにくに含まれる成分のなかで、特に注目したい“にんにくパワー”について見てみましょう。
・アリシン:にんにくから抽出される無色で油状の抗菌性物質。にんにくには抗菌作用が報告されている成分があり、風邪のウィルスや細菌を退治する手助けになるとされ、体調管理目的で活用されることも。ビタミンB1の吸収を劇的に高めるため、疲労回復に役立つ可能性があります。血液をサラサラにして血行を促すので、冷え性の改善や動脈硬化予防にも期待できます。
・ビタミンB1:アリシンと結びつくことでアリチアミンという物質に変化。通常ビタミンB1はすぐに体外へ排出されてしまいますが、アリチアミンになると体内に長く留まることができ、エネルギーを効率よくつくり出し続けます。これが「にんにくを食べるとスタミナがつく」といわれる最大の理由のようです。
■にんにくを食べるメリット
体内で過度に発生すると、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化を促進する原因になるといわれる活性酸素。にんにくに含まれるアリシンやS-アリルシステイン、セレンは、この憎き活性酸素を除去する抗酸化物質。細胞の老化を防ぎ、アンチエイジングにも期待がもてます。また、これらの作用によって免疫力が向上すると体の防御機能も高まるため、にんにくはガン予防の研究対象としても注目されています。
【食べすぎ注意:向かない人・NGな食べ方】
にんにくはその強力なパワーが健康に良い働きをする反面、体質や体調によっては注意が必要です。にんにくが向かない人やNGな食べ方などを、しっかり確認しておきましょう。
■にんにくが向かない人
・胃腸が弱い人:にんにくに含まれる殺菌成分のアリシンは超強力なので、胃の粘膜を荒らしたり、腸内の善玉菌まで死滅させることも。胃潰瘍や胃炎がある人は悪化する恐れがあるため、医師などに相談したほうがよさそうです。
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・抗血栓薬を飲んでいる人:にんにくには、血小板のはららきを抑える作用(いわゆる“血液をサラサラにする”作用)が報告されています。そのため健康に役立つイメージがありますが、ワルファリンなどの抗凝固薬や抗血小板薬を服用している人は注意が必要です。特に問題になりやすいのは、料理で使う少量のにんにくというよりも、にんにくサプリメントや濃縮エキス製品の継続摂取です。これらは有効成分(アリシン関連物質など)を高濃度に含むため、抗血栓薬の作用を強めてしまう可能性が指摘されています。
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・貧血気味の人:アリシンを過剰に摂取すると、赤血球に含まれるヘモグロビンを減少させ、貧血を引き起こすことも。サプリや極端な大量摂取は避け、持病がある人は医師・薬剤師に相談してください。
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・アレルギー体質の人:稀に、にんにくアレルギーを持つ人がいます。にんにくに含まれる成分に対して体が過剰に反応し、激しい腹痛や下痢、吐き気、蕁麻疹やかゆみ失神、かゆみ、咳や鼻水などの症状が出てしまうそう。また、調理中に指先などにんにくと接触した部分が荒れたり、水ぶくれができる「にんにく皮膚炎」というものも。このような症状が続いたり酷い場合には摂取や調理で扱うのを中止し、医療機関を受診してください。
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■NGな食べ方
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・大量摂取:日常の料理ににんにくが欠かせない韓国人やイタリア人などは、にんにくが持つ強い成分に対して耐性がありますが、日本人にとってにんにくは刺激が強い食材。体にいいからと大量摂取するのは禁物で、腸内環境が乱れて逆効果…ということもあるようです。生なら1日1片以内、加熱したものでも2~3片以内を目安に。
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・空腹時の生にんにく:加熱したものより生のほうが刺激が強いので、胃壁にダイレクトに伝わって激しい胃痛や吐き気を引き起こすことも。空腹時に生のまま食べる場合には野菜や肉、炭水化物などと一緒に食べるか、空腹をある程度満たしてから摂るようにしましょう。
・焦げすぎたにんにく:にんにくは糖分が多いため焦げやすいのですが、真っ黒になったにんにくは抗酸化成分も破壊され、有害物質が発生しやすくなっています。にんにく本来のうまみも損なわれているので、焦がしすぎは避け、焦げた部分は食べる際に取り除きましょう。調理に使う際は、冷たい油からのコールドスタートで。弱火でじっくり火を通し、香りと旨味を上手に引き出して。
■食べすぎたかな?と感じたら…
牛乳やヨーグルトのたんぱく質には、にんにくの刺激成分アリシンと結合して刺激をやわらげる性質が。「食べすぎた」と感じたり、胃腸に違和感がある場合には、牛乳やヨーグルトを食べると効果が期待できます。
【におい対策の正解】
にんにく独特のにおいは食欲をそそりますが、食後に自分から発生するにんにく臭はぜひとも抑えたいもの! 独特なにおい成分(アリシン)は血液に取り込まれ、全身を巡って呼気や汗がにおうのです。食後の歯磨きだけでは不十分というわけ。食前、食中、食後で効果的な対策が異なるので覚えておきたいですね。調理の工夫もご紹介します。
■食前対策
「にんにくを食べる前に牛乳を飲むとよい」といわれますが、これは、牛乳のたんぱく質と脂質が臭いの元をブロックしてくれるから。
■食中対策
チーズや肉と一緒に食べると、それらのたんぱく質が胃の中でにんにく臭の成分を包み込み、体外に出てにおうのを防いでくれます。パセリに含まれるピノールという成分も口臭を劇的に抑えるため、にんにく臭対策に限らず付け合わせのパセリは残さず食べるといいようです。
■食後対策
血液中のにおい成分を中和してくれる最強の食材はりんごです。りんごに含まれるポリフェノールと酵素がにんにくのアリシンを分解し、におい成分と結合して無臭化! 生のりんごを皮ごと食べるとより効果が期待でき、食後すぐのほうが効くようです。
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また、茶カテキンやタンニンには強い消臭作用があるので、食後に濃いめに煎れた緑茶やウーロン茶、コーヒーなどでさっぱりさせるのもいいですね。
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■翌日もにおう場合は…
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翌日も気になる場合は、血液中のにおい成分が汗や尿などとして体外に出きっていないサイン。そんなときは、水分を多めに摂って早く尿として排出させる、熱めのシャワーや半身浴で汗をかくといった対策が効果的です。
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■調理の注意点
・加熱してから刻む:皮付きのまま電子レンジで40~60秒ほど温めます。におい成分(アリシン)は、生の状態で細胞が壊れた際に発生するからです。皮が剥けやすくなるというメリットも。
・芽を除く:どんな植物も成長のためのエネルギーが集中するのが芽の部分。にんにくの芽は最もにおいが強烈で胃への刺激も強いので、できるだけ取り除いて調理するのがいいでしょう。
・コールドスタート&低温調理:鍋に油とにんにくを入れてから点火。弱火でじっくり加熱するのは香りを油に移すのに役立つだけでなく、におい成分のアリシンがアホエンという比較的マイルドな成分に変化しやすくなるためです。
【ビジネス雑談に使える豆知識】
2月29日の「にんにくの日」にちなみ、ランチやビジネス雑談に使えるにんにく豆知識もご紹介します。
■調理でついた「手のにおい」はこれで解決!
にんにくの調理すると手に臭いがついてしまいますよね。「ステンレスソープ」といった名称で商品化されていますが、ステンレスの金属イオンがにおい成分と反応して、石鹸で手を洗うようにこのステンレスソープで洗うのがにんにく臭撃退にも効果的――なのですが、実はステンレスのボウルや蛇口などをこすっても同じような効果が期待できるとか。
また、にんにくの切り口などを触った直後に、こすらず強めの流水で洗い流すとにおわないことも。試してみて!
■「におい度ランキング」最悪はやっぱり…
調理時の切り方や使い方で、にんにく臭がかなり変わるのをご存知ですか? 細胞が壊れることで起こるので、いちばんにおうのは「すりおろし」。次ににおうのは「みじん切り」で、以下「千切り」「スライス」「丸ごと潰す」の順に弱くなり、「丸のまま」使うのがもっともにおわない、ということに。
■にんにくで人間になった!?
にんにくの消費量が多いのはダントツで韓国です。韓国のひとり当たりの年間にんにく消費量は約7kgといわれていて、これは日本人の20~30倍だそう。韓国の建国神話には、「熊が100日間、にんにくとヨモギだけを食べて人間(女性)になった」という話が登場するほど、文化にも深く根付いています。韓国人にとっては「先祖がにんにくを食べて人間になったのだから、韓国人はにんにくを好きになるしかない」のだそう。
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■吸血鬼ドラキュラはなぜにんにくを嫌う?
ドラキュラ退治に、にんにくが欠かせないというのは有名な伝説ですよね。日光(紫外線など)に当たると皮膚に水ぶくれやかゆみ、色素沈着などの症状がでる「ポルフィリン症」という病気は、にんにくに含まれる成分で症状が悪化することがあるのですが、これをドラキュラ伝説に応用したという説があります。ドラキュラがポルフィリン症を患っていたらしいという話があり、そこから生まれた都市伝説、というわけですね。
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■世界最古級のスタミナ食材
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古代エジプトでは、ピラミッド建設の労働者のスタミナ維持ににんにくが使われていたのだとか。にんにくの供給が滞った際には労働者によるストライキが興ったほどです。古代ギリシャでは、オリンピックに参加するアスリートたちが競技前ににんにくを食べたといわれています。スタミナ増強には、やっぱりにんにくだったのです。
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また、古代インドでは心臓病や寄生虫除去に効く万能薬としてにんにくが使われ、中国では紀元前に記された最古の医学書に「消化を助けて体を温めるもの」として登場しています。
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■国産にんにくの王様は青森産
日本のにんにく産地の筆頭は青森県。厳しい冬の寒さを雪の下で耐え抜くことで、糖分をたっぷり蓄えて育った「福地ホワイト六片」というブランド品種が主役です。糖度はなんと35〜40度前後あり、加熱するとホクホクとした食感になって驚くほど甘みが増すので、丸ごと焼いたり、アヒージョに使うのがおすすめ。食べた直後はしっかりにおいますが、翌日まであまり残っていないといわれます。
■輸入はほぼ中国産!韓国産じゃない訳は…
最近ではスペイン産のにんにくも見かけるようになりましたが、輸入にんにくは9割以上が中国産です。にんにく大国である韓国ではないのは、国内消費分の生産で手一杯だからとか!
■にんにくの保存法あれこれ
・まるごと冷凍(保存期間3~6か月):ひと粒ずつばらして薄皮を剥き、保存袋などに密閉して冷凍庫へ。使用時は解凍せずに包丁を入れることができます。冷凍すると細胞の組織が壊れるため香りが立ちやすく、火の通りも良くなります。鮮度と香りをキープできる手軽な方法です。
・すりおろして冷凍(保存期間3~6か月):すりおろしたら保存袋に平らになるように入れて冷凍庫へ。使う分だけポキッと折って、解凍せずに調理します。みじん切りも同様の方法で冷凍保存を。
・包んでチルド室(保存期間1~2か月):1球ずつ新聞紙やキッチンペーパーなどで包み、保存袋に入れて軽く口を閉じたら冷蔵庫のチルド室(パーシャル室)へ。0℃付近に保たれているチルド室ではにんにくの休眠状態が続くため、芽が出にくくなります。野菜室は低温障害を防ぐため一般的に3~8℃と高め設定なので、にんにくの保存には不向きです。
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紫式部の『源氏物語』では、かつて熱心に通っていた女性を久しぶりに訪ねたら、「風邪が重く(薬として)極熱の草薬(ごくねつのそうやく)を服用しました。ひどくにおうので今夜はお会いできません」と拒絶された体験を披露する「雨夜の品定め」(第2帖「帚木(ははきぎ)」)というシーンがあります。この極熱の草薬というのがにんにくです。平安時代からにんにくの効能は活用されていたのです。
にんにくは食欲を刺激し、料理をおいしくしてくれます。あのにおいがおいしさでもあり、悩みどころでもあり…。最近では「におわない」とうたった品種もありますが、上手に対策しておいしくいただきたいものですね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/『日本食材百科事典』(講談社)/『現代用語の基礎知識』(自由国民社)/株式会社健康家族( https://www.kenkoukazoku.co.jp/ ) :

















