世界最高峰のリゾートブランド「ワン&オンリー(One&Only)」とは?
アマンやリッツ、フォーシーズンズと並び、最高級のリゾート体験ができるホテルブランドとして現在、世界7か国に展開されている「ワン&オンリー」リゾート。
リゾートステイにラグジュアリーな時間や特別な体験を求める人のために、世界で最も美しいリゾート地のみにつくられ、その地域の文化を生かし、最高のサービスを提供。卓越した体験ができるリゾートとして、2002年のスタート以来、右肩上がりで評価を高めているホテルブランドです。
現在はモルディブ、モーリシャス島、南アフリカ、ルワンダ、オーストラリア、メキシコに1つずつ、ドバイには2つ、合計8つあります(※)。東アジア、東南アジア地域にはまだひとつもなく、日本上陸が待ち望まれている「最後の高級リゾート」と言えるでしょう。
■ドバイのワン&オンリーその1:「ワン&オンリー・ロイヤルミラージュ(One&Only RoyalMirage)」を楽しむ
15年以上前に、私たち家族がドバイに引っ越して来て以来、最も頻繁に訪れたお気に入りのホテルが、そのなかのひとつ「ワン&オンリー・ロイヤルミラージュ」です。
全長1kmのビーチ、65エーカーの庭園があり、ドバイモールから車で20分ほどで行くことができます。パーム・ジュメイラ湾に面し、パラス、アラビアンコート、レジデンス&スパの3つのブロックからなり、計13のレストランやバーがあります。
これまで食事やデイユースに訪れてばかりだった私たちですが、子供達も大きくなった今、夫婦だけで週末ステイを過ごしに行くことにしました。
アラブの宮殿風のエントランスは豪華絢爛
今回宿泊したのは「ザ・パラス」のスーペリアルエグゼクティブスイート。ここには127のスーペリアルデラックスルーム、49のゴールドクラブルーム、43のスーペリアルエグゼクティブとゴールドクラブスイート、2つのロイヤルスイートがあります。
部屋には専属バトラーが
チェックインすると、ウェルカムドリンクをいただいた後に、部屋専属のバトラーが、客室へ案内してくれます。
このバトラーは荷物のアンパッキングからパッキング、カートの手配から何から、ゲストの滞在が快適になるよう、すべのニーズに応えてくれる存在です。例えば、私がお菓子を入れる箱が欲しいのだけれど…と相談してみたところ、あっという間に素敵な紙の箱を持って来てくれましたし、スパの予約に合わせて広い敷地内を移動するカートも予約しておいてくれました。痒いところに手が届くサービス!
宿泊はスーペリアルエグゼクティブスイートへ
今回のお部屋、スーペリアルエグゼクティブスイートに入ってみると、ゆったりとしたスペースのリビング、ベッドルーム、バスルーム、すべてがエレガントなアラブテイスト。
ミニマルなデザインのホテルが世界中で「おしゃれ」ともてはやされている現在だからこそ、アラブの宮殿風なバスルームやマホガニーを使った椅子やテーブルなどが、かえって新鮮に感じられます。
肝心のお部屋ですが、フルーツとスイーツが沢山用意されているのは、女性にはうれしいサービス。バスルームのアメニティはロンドンのペンハリガンでした。
アメニティはペンハリガン(PENHALIGON’S)
そしてバルコニーからはアラビア湾と風にそよぐ椰子の木、手入れの行き届いたどこまでも続く庭園が見えます。
オリエンタル・ハマム(モロッコ式ボディスクラブ)で”生まれ変わり”スパ体験
ボストンバッグを置いて、さっそく夫はプールへ、私はスパへ向かいます。今回は、50分のオリエンタル・ハマム(モロッコ式ボディスクラブ)を受けてみることに。
2フロアで2000平方メートル(およそ600坪、建売り住居約20軒分)という広大な面積を誇るスパへは、カートに乗車して向かいます。敷地が広大なため、リゾート内の移動はスタッフが運転してくれるカートを利用することが多いのです。
ドアを開けるとそこは薄暗くモザイクのタイルが敷き詰めてあり、床には水が絶え間なく流れ、モロッコかトルコかどこか異教の国、別世界にに迷い混んだような感覚に襲われます。深く息を吸い込むと、蒸気を含んだ空気が重く肺に入ってゆくのがわかります。
モロッコ人のマッサージ師が私の手を引いて、大きなな壺からお湯があふれ出ている部屋の大理石のベッドの上に導いてくれました。
お部屋の中はさらに暗くて、褐色の肌の彼女の顔もよく見えません。魔法にかけられたかのように固まっている私に、彼女は暖かいお湯をかけます。軽くマッサージをしてもらった後、またしても別の部屋へ。今度は蒸気で真っ白に煙っているお部屋です。
あまりの湿気に、最初は呼吸も困難に感じられるほど。蒸気が肌の上を蔦ってゆき、徐々に徐々に私の身体が蒸されてゆくのがわかります。この白い部屋でひとりになり、どのくらい時間がたったでしょうか。
息苦しさにドアを開けたい衝動に駆られたその瞬間、先程のモロッコ人のマッサージ師が現れ、私の手を引いて、再びお湯が流れ出る部屋に導いてくれました。
私が再度、大理石のベッドに横たわると、彼女がザラザラした手袋をはめて、痛さと心地よさが紙一重の、微妙な力加減でボディスクラブ(垢すり)を始めました。背中からかかとまで、古い角質が大量に剥がされて落ちている気がして、恥ずかしいような気分。でも抗えないような熱心さで擦られて、何も言えない私。
終わってほしいような、永久に続けてほしいような…耳にはお湯が流れる音が常に流れ、時間の感覚が麻痺した状態。そしてすべてを洗い流されて、そこから出た瞬間、現実の世界に引き戻されます。
呆然とした状態のまま、ランの活けられたリラクゼーションルームに案内され、バスローブにくるまれて、徐々に息を吹き返します。まるで自分が一度死んで、再び蘇ったようかのようです。リバイタリゼーション(蘇生)とはまさしく、これのこと? 身支度をして外に出て空を見た瞬間、あれはデジャヴ(白昼夢)だったのかしら?と思ってしまったほどの体験でした。
ここドバイのワン&オンリーの、この神秘的な蘇りの術、ぜひ体験していただきたいです。
ビーチ沿いにあるバー「The Jetty Lounge」でアペリティフを
この生まれ変わった状態で、アペリティフ(食前酒)をいただきに、ビーチにある白いバー「The Jetty Lounge」へ。
初めて訪れた際、このセッティングのあまりの美しさに感動したものです。キリッと冷えたカクテルが喉と火照った体を潤してくれる、静かな時間に身を委ねます。
夕食はビーチにあるレストラン「The Beach & Grill」で
夕日が沈むのをゆったりと眺めた後、ビーチの向こうに見えるレストラン「The Beach & Grill」へ。
ほろ酔い加減のまま、サンダルを脱いで歩いて向かいます。冷たく細かい砂が足に心地よく感じられます。どこに行っても、私達を心から待っていてくれたかのように接してくれるホテルスタッフ。その笑顔や振る舞いに触れるたび、自分たちが特別な存在のように感じさせてくれます。
ビーチに設置されたガゼボで、ロマンチックにシーフード三昧の夕餐をいただきましたが、夫との会話も弾み、遠い昔のハネムーンを思い出しました。
■ドバイのワン&オンリーその2:ワン&オンリー・ザ・パーム(One&Only The Palm)を楽しむ
翌朝は小鳥のさえずりで目を覚まし、水撒きの終わったみずみずしい庭で朝食をいただいた後、ホテルの高速水上ボートで、対岸にあるもうひとつのワン&オンリー「ワン&オンリー・ザ・パーム(One&Only The Palm)」へ。
ドバイのワン&オンリーは、「ロイヤルミラージュ」と「ザ・パーム」に宿泊していると、どちらの施設も利用できるのです。
ムーア様式とアンダルシア様式が融合したデザイン
こちらの「ザ・パーム」は、ムーア様式とアンダルシア様式がシックでコンテンポラリーなデザインに溶け込んだ建築様式で、64の部屋、27のスイート、そして4つのプライベートビーチ付きのヴィラがあります。
「ロイヤルミラージュ」が家族向けだとすると、気品と洗練された、そしてプライベートな雰囲気の「ザ・パーム」は特にカップルにおすすめです。
夕食はマリーナの「レストラン101」で海を見ながら
素晴らしいプールをエンジョイした後、マリーナに浮かぶ「レストラン101」で、地中海料理のランチを楽しみました。ここにはボートが係留できるため、今度は「自分の釣り用ボートで来よう」と提案する夫。
このレストランから眺める夜の景色は、マリーナのスカイラインが素晴らしく、夕食にもおすすめです。
ミシュランの3つ星を2つのレストランで獲ったスターシェフ、ヤニック・アレノ氏が定期的にイベントで訪れるレストラン「The Stay」も、ここにあります。
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食後は「レストラン101」のすぐ隣のマリーナから、高速ボートで「ロイヤル・ミラージュ」に戻ります。ボートから海を眺めながら、また週末を過ごしに、「ワン&オンリー」に来ようと決めた私たち。ここには最高のスタッフや贅沢な時間、まさにワン&オンリーなサービスがあります。
問い合わせ先
- TEXT :
- de Suyrot辛島慶子さん ドバイ在住マダム