【目次】

【「椅子の日」とは?「いつ」「何の日」かを解説】

■4月14日は「椅子の日」

4月14日は「よい(4)椅子(14)」の語呂合わせから「椅子の日」とされる日です。「椅子の日」の発案には複数説がありますが、同日には北海道川上郡東川町が制定した「家具の町東川町・椅子の日」もあり、2021年に日本記念日協会に認定されています

東川町は、旭川家具の産地のひとつとして知られ、木工家具産業が地域の基幹産業となっています。多くの事業者や職人が関わり、地域ぐるみで家具づくりの文化が受け継がれている点も特徴です。


【「家具の町東川町・椅子の日」はなぜ生まれた?制定の背景と目的】

■東川町の家具づくりの背景

東川町の家具づくりは、農業従事者の冬の仕事として始まったといわれています。東川町公式サイトによれば、1954(昭和29)年の洞爺丸台風で町に倒木が散乱し、その木材を活用したことが、家具づくりの広がりにつながったとされています。こうした歴史を背景に、東川町は「家具の町」として発展してきました。

■「家具の町」東川町の取り組み

「家具の町東川町・椅子の日」は、新しいライフスタイルや未来の社会のあり方を考えるきっかけとして、家具や椅子に感謝する習慣と文化を創造していくことを目的としています。その象徴的な事業が、2006年に東川町ではじまり、現在は複数の自治体で実施されている「君の椅子プロジェクト」。新生児が誕生すると、“ここが君の居場所だよ”という意味を込めて町内の業者がつくった木製の椅子を贈るのです。「家具の町」ならではの素敵な発想ですね。

また、次の時代を担う若者に対して新しくていねいな暮らしの提案につながる家具のデザインを訴求するため、建築家の隈研吾氏と連携した「KAGUデザインコンペ」も実施しています。


【「椅子の日」に何をする?「楽しみ方」と「過ごし方」】

「こんな家に住みたい」「あんなインテリアが理想」「あの家具が欲しい…」など、住まいを整えることを考えたり計画するのは楽しいですよね。「椅子の日」にちなんで、こんな休日の過ごし方はいかがでしょう。

■家具店やインテリアショップを巡る

引っ越しや住み替えなど、“家づくり”はわくわくするもの。カーテンやラグを替えるだけでも気持ちのいいものです。家具やインテリアを見て回るのが好きな人は、椅子に注目してショップ巡りをするのはいかがでしょう。椅子は身体を預ける重要な家具であると同時に、部屋のインテリアの主役にもなります。実用的かつ美しい椅子は、まさに“うっとり”ですよね。 

■世界的なコレクションを鑑賞

椅子研究家の織田憲嗣氏をご存知でしょうか。ハンス・J・ウェグナー、フィン・ユール、ポール・ケアホルムなど名だたるデザイナーをはじめとする名作チェア約1400脚(!)のコレクションをもつ、世界的な研究者です。この織田コレクションは東川町が公有化して保管管理を担っているため、町営の複合交流施設「せんとぴゅあ」で常設展示されています。行動展示で人気の旭川動物園や、これからの季節は色とりどりの花やラベンダー畑でも人気の富良野などへ行く予定があったら、ぜひ「せんとぴゅあ」へも!

※詳細は公式サイトでご確認ください。

■名作チェアに座ってみる

家具店やインテリアショップなどでは現行商品に実際に座って見ることも可能ですが、美術館が所蔵・展示しているヴィンテージや名作チェアには座るどころか触ることもできない…と思っていたら、ありました! 「椅子の美術館」と称される、埼玉県立近代美術館(埼玉県さいたま市)です。

開館当初から近代以降の優れたデザインの椅子を収集し、常時数種類を展示している美術館です。展示室だけでなくエレベーターホールなどに置かれた「今日座れる椅子」は自由に座ることができ、そのデザインと座り心地を楽しむことが可能。東京駅や新宿駅から北浦和駅まで約35分、駅からは徒歩ですぐの距離にある緑豊かな北浦和公園内にあるので、ちょっと足を延ばして名作チェアに座りに行く、という休日もいいのでは?

※詳細は公式サイトでご確認ください。


【「椅子」とは?歴史と役割をわかりやすく解説】

■歴史

西洋の椅子の起源は古代エジプトにまで遡るとされています。もともとは王や貴族など支配層の権威の象徴であり、庶民が日常生活のなかで現在のような形の椅子を使い始めたのは近世の中期以降からのようです。これは西洋の話で、日本の家屋で椅子を用いる生活が一般に普及したのは第二次世界大戦以降のことと、まだ100年経っていません。

■役割

人間が通常の生活の中でとる主な姿勢は「立つ」「座る」「寝る」の3つ。人生のかなりの時間を椅子に座って過ごすため、デザインや座り心地に加え、体への影響・適合も重要なポイントです。

  • 座ることで脚や足にかかる負担を軽減したり、食事や書きもの、パソコンの操作など、特定の作業を行う際に机と共に使用することで効率を高めたり。また、人間工学の考え方を取り入れた椅子は、身体への負担に配慮しながら、快適に座れるよう設計されています。

  • 椅子はインテリアとして空間の印象を左右する存在でもあります。歴史的には権威の象徴として用いられてきた側面もありますが、日常生活で使う椅子については、見た目だけでなく、体の負担にも目を向けて選ぶことが大切です。


【「椅子」の種類と特徴|用途別に紹介】

■食事や家事、くつろぎに

・ダイニングチェア:食事や書きものがしやすいよう、背もたれが比較的垂直で、座面も適度な硬さがあるものが主流です。

・アームチェア:背もたれと肘掛けが付いた椅子のこと。上半身を背もたれに、腕を肘掛けに預けられるのでリラックス度が高いことが特徴です。

・ラウンジチェア、イージーチェア:くつろぐことを目的とした、ゆったり座りやすい椅子を指す言い方です。ホテルなどのラウンジやロビーなどに多く採用されています。

■ 仕事や家事作業に

・オフィスチェア(タスクチェア):長時間の使用を前提に、身体への負担を減らす機能が詰め込まれた高機能製品。昇降機能やリクライニング、キャスター付きなどがあります。

・スツール:背もたれや肘掛けがない簡易的な椅子。家事や仕事の作業中の一時的な腰掛けとして、また予備の椅子にも。

・ゲーミングチェア:レーシングカーのシートのような形状をした、ハイバックチェア。長時間同じ姿勢を保つゲームに適した機能が搭載されているためこう呼ばれていますが、オフィスでも広く採用されています。

・エルゴノミクスチェア:人間工学に基づき、骨盤のサポートや背骨のカーブの維持を追求した高機能チェア。

■日本の伝統的な椅子

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  • ・座椅子、低座椅子:ローテーブルやこたつとともに使うことを想定した、座面が極端に低く設計された椅子。

  • ・正座椅子:長時間の正座でも足がしびれにくく、腰や膝への負担を軽減する簡易的な椅子のこと。折り畳んで持ち運びやすいものも。

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一日のうちかなりの時間を椅子に座って過ごすわたしたち。シーンや用途によって求められる機能に違いはありますが、憧れの椅子や気に入って手に入れた椅子、座り心地がよく体に負担が少ない椅子、座ることで疲労が軽減される椅子に心身が癒される椅子など、とっておきの一脚が生活にもたらす価値は計り知れません。よりよいQOLのためにも、今座っているその椅子をちょっと見直してみようか――「椅子の日」は、そんなことを考えるきっかけになるかもしれませんね。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/リビングデザインセンターOZONE( https://www.ozone.co.jp/facility/ )北海道東川町( https://higashikawa-town.jp/ )/『ハンス・ウェグナー 至高のクラフツマンシップ』(青幻舎) :