【目次】
- 「チャップリンデー」とは?「いつ」「何の日」かを解説
- 「チャップリンデー」の「由来」と「意味」
- 「チャップリン」とはどんな人物?生涯と代表作
- なぜ今も愛される?「チャップリン映画」の魅力
- 「チャップリンデー」に何をする?「楽しみ方」と「過ごし方」
- 知っておきたい「チャップリン」の名言とその意味
【「チャップリンデー」とは?「いつ」「何の日」かを解説】
■「いつ」?
「チャップリンデー」は4月16日です。
■「何の日」?
「チャップリンデー」が、「誰が」制定した記念日なのかは不明ですが、20世紀を代表する喜劇俳優であり、映画監督、脚本家、作曲家としても多才な足跡を残したサー・チャールズ・スペンサー・チャップリン[Sir Charles Spencer Chaplin]の功績を称え、作品を振り返る日として、世界中のファンの間で親しまれています。
【「チャップリンデー」の「由来」と「意味」】
■「由来」
「チャップリンデー」は、1889(明治22)年4月16日に、喜劇俳優のチャールズ・チャップリンがイギリスのロンドンで生まれたことを記念して制定されました。彼は極貧の少年時代を送りながらも、舞台から映画の世界へと羽ばたき、世界的なスターとなりました。その波乱万丈な人生の幕開けとなった日が、現在の「チャップリンデー」の起源なのです。
■「意味」
「独裁者」や「モダン・タイムス」など、笑いの中に鋭い社会批判を込めたチャップリンの作品は、現代のクリエイターや視聴者にも大きな影響を与え続けています。「チャップリンデー」は、単にひとりの俳優の誕生を祝うだけでなく、彼が映画界にもたらした「笑いと涙」や、「社会風刺」の精神を再確認する意味をもっているのではないでしょうか。
【「チャップリン」とはどんな人物?生涯と代表作】
サイズが合わないダボダボのスーツに山高帽、ドタ靴にステッキというスタイルでおなじみのチャップリンは、極貧の子供時代から世界で最も有名な表現者へと登りつめた、映画史上最大のアイコンのひとりです。とはいえ、彼の最盛期は1920年代から1930年代にかけて。実際に作品を鑑賞したことがある人は、案外少ないかもしれませんね。ここでは、チャップリンの生涯と代表作について、さくっとまとめてご紹介しましょう。
■どんな生涯を送った人?
チャールズ・チャップリンは1889(明治22)年、ロンドンで生まれました。両親共に舞台俳優でしたが、幼くして父を亡くし、母の病気により過酷な少年時代を過ごしました。しかし、天性の才能で若くして舞台に立ち、1910(明治43)年のアメリカ巡業をきっかけに映画の世界へ。その後、自らスタジオを建設し、監督・脚本・主演・作曲まですべてをこなす独立したクリエイターとなりました。1975年にはイギリス王室から「ナイト[Knight]」の勲位を叙せられていますので、正式なフルネームは「サー・チャールズ・スペンサー・チャップリン」となります。 1977(昭和52)年のクリスマスに、スイスの自宅で88歳の生涯を閉じました。
■いつ活躍した?
1920年代
初の長編映画『キッド』(1921(大正10)年)の大成功に始まり、ユナイテッド・アーティスツ社を共同設立。自らの表現を完全にコントロールできる自由を得て、『黄金狂時代』(1925(大正14)年)などの傑作を連発しました。
1930年代
トーキー(発声映画)の波が押し寄せる中、あえてサイレントの技法を貫いた『街の灯』(1931(昭和6)年)や、機械文明を風刺した『モダン・タイムス』(1936(昭和11)年)を製作。これらは彼の名声と芸術性が頂点に達した時期の作品です。
■代表作(公開年順)
驚くべきことに、チャップリンはほとんどの作品で脚本・監督・主演・演出をひとりでこなしています。多くの作品で音楽制作にも関わりました。 凄い才能と体力ですね!
『キッド』(1921年)
チャップリン初の長編監督作品です。捨て子を拾った放浪者(チャーリー)が、貧しいながらも深い愛情を注いで子供を育てる姿を描いています。当時の子役ジャッキー・クーガンとの名コンビは世界中を魅了し、爆笑の影に切なさが漂う「笑いと涙」という彼独自のスタイルを確立。冒頭の「微笑み、そしておそらくは一滴の涙の映画」という字幕通り、人間の尊厳と絆を映した不朽の名作です。
『黄金狂時代』(1925年)
一攫千金を夢見てアラスカへ向かった放浪者の冒険を描いたコメディ。猛吹雪で飢えに苦しみ、自分の靴をゆでてステーキのように食べるシーンや、フォークに刺したパンを靴に見立てて踊らせる「ロールパンのダンス」など、映画史に残る名場面が散りばめられています。悲惨な状況さえも笑いに変えてしまうチャップリンの真骨頂であり、彼自身も「後世に最も記憶されたい作品」として挙げた傑作です。
『街の灯』(1931年)
盲目の花売り娘に恋をした放浪者が、彼女の目を治す手術代を稼ごうと奮闘するというストーリー。映画界がトーキー(発声映画)へ移行する中、チャップリンはあえてサイレント(無声)形式を貫き、パントマイムの可能性を最大限に引き出しました。ボクシングの試合などの爆笑シーンを経て辿り着くラストシーンは、映画史上最も美しく感動的と言われており、言葉を超えて人間の善意を伝える名作です。
『モダン・タイムス』(1936年)
自動化された工場で機械の一部のように働かされる労働者の姿を通じて、資本主義社会や人間疎外を鋭く風刺した作品です。巨大な歯車に巻き込まれるシーンはあまりにも有名。劇中でチャップリンが初めて「声」を披露しますが、意味不明な造語(ギバリス)で歌うことで、言葉の壁を超えた笑いを表現しました。厳しい現実の中でも希望を捨てず、地平線へと歩き出す幕切れは、多くの人々に勇気を与え続けています。
『独裁者』(1940年)
第二次世界大戦中、ヒトラーとそのナチズムを真っ向から批判した社会派コメディです。独裁者ヒンケルと、彼にそっくりなユダヤ人の床屋の一人二役を演じました。地球儀の風船で遊ぶ独裁者の滑稽さと、ラスト6分間に及ぶ「自由と民主主義」を訴える魂の演説は、当時の世界に強い衝撃を与えました。命の危険を顧みず、映画という武器で独裁者に立ち向かった、歴史的な作品。そして実は、チャップリンとヒトラーは誕生年月が同じ、1889年4月。ヒトラーが4日遅い4月20日生まれです。
【なぜ今も愛される?「チャップリン映画」の魅力】
制作から100年近く経った今もなお色あせず、世界中でチャップリンの作品が愛され続けているのはなぜでしょう。
■圧倒的な「パントマイム」の力
彼の作品の多くはサイレント映画です。表情や視線、そして指先まで神経の行き届いたしなやかな動作だけで、喜びや悲しみのすべてを表現しています。言葉による説明を必要としないため、国籍や年齢、文化を超えて、誰もが直感的に物語を理解し、笑い、共感することができるのです。
■「笑い」と「涙」の絶妙なバランス
チャップリンは自らの手法を「トラジ・コメディ(悲喜劇)」と呼びました。単なるドタバタ劇に留まらず、貧困、孤独、格差といった社会の厳しい現実をリアルに描き、その中で懸命に生きる人間の滑稽さと愛おしさを浮き彫りにしました。「人生は近くで見れば悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」という彼の哲学が、観る者の心に深い余韻を残します。
■弱者の視点から描く「不屈の精神」
彼が演じる「放浪者(チャーリー)」は、社会の底辺にいても決して尊厳を失いません。権力者や理不尽な状況に翻弄されながらも、機転を利かせて立ち向かい、最後にはステッキを振って前を向く。その「負けない心」「不屈の精神」は、いつの時代の観客にとっても、大きな救いであり希望なのです。
【「チャップリンデー」に何をする?「楽しみ方」と「過ごし方」】
■代表作を鑑賞する
王道とも言える楽しみ方は、やはり映画鑑賞です。現代ではYouTubeの公式チャンネルや各種配信サービスで、修復された鮮明な映像を気軽に楽しむことができます。
初めて観る作品としては、おすすめはエンターテイメントの要素が強い『黄金狂時代』でしょうか。夜、ワインと共にじっくり鑑賞するなら、『街の灯』や『独裁者』に込められたメッセージをかみしめてみてはいかがでしょうか。
■「身体表現」のパワーに注目する
普段、私たちが観ている映画やドラマは、どうしても「言葉」に頼りがち。効果音も凄いですよね。そこで、「チャップリンデー」には、チャップリンの作品はもちろん、お気に入りの作品の音声をあえて消してみたり、字幕に頼らずに、俳優の「動き」だけを追ってみるのはいかがでしょうか。驚くほど多くの感情が伝わってくることに気づかされます。あるいは伝わってこないことも…。作品を見る目が変わるはずです!
■チャップリンが愛した「日本文化」に触れる
意外にも、チャップリンは大変な親日家でした。1932(昭和7)年の初来日以来、計3回も日本を訪れています。彼のお気に入りは日本食。特に「海老の天ぷら」が大好物でした。一晩で30尾以上食べたという逸話もあるんですよ。そして、 歌舞伎や相撲を好み、日本の伝統芸能に備わった精神性を高く評価していたそうです。
日本チャップリン協会の最高顧問は、チャップリンの娘・ジョゼフィン・チャップリンさんが務めていらっしゃいます。
【知っておきたい「チャップリン」の名言とその意味】
■「人生は近くで見れば悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」
(Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.)
自分にとっては悲劇的な出来事であっても、他人から見たら喜劇のように映ることもある。あるいは、目の前の失敗や苦悩も、「長い人生」という視点や客観的な視点で見れば、いつか笑えるエピソードに変わるかもしれない…。困難に直面したときに、ふと心を軽くしてくれる言葉です。
■「下を向いていたら、虹を見つけることは出来ないよ」
(You'll never find rainbows if you're looking down.)
こちらは彼の作曲した名曲『Smile』の一節 “You'll find that life is still worthwhile, if you just smile.” の精神を象徴する言葉として語り継がれている言葉です。悲しみや困難の中でも、希望(虹)を見つけるためには顔を上げ、前を向く姿勢が大切であると説いています。彼の演じる放浪者が、どんなに打ちのめされても最後には前を向いて歩き出す姿そのものを表しています。
■「行動が伴わない想像力には、何の意味もない」
(Imagination means nothing without doing.)
クリエイターとして徹底的にこだわり、完璧な表現を追い求めたチャップリンらしい言葉です。素晴らしいアイデアも、形にし、行動に移さなければ価値を生まないという、力強いメッセージです。
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4月16日は「チャップリンデー」。もしも最近、何だか少し疲れて、「人生に笑いが足りない!」と感じているなら、ぜひ彼の映画を一本観てみてください。無邪気に笑い、そして切ない程の美しさに涙する…爽やかな感動が、忙しさに鈍りがちな感性をリフレッシュしてくれるはずです。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:Charles Chaplin 公式サイト /日本チャップリン協会Web/『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『岩波 世界人名大辞典』(岩波書店) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『世界大百科事典』(平凡社) /西日本新聞めくると「4月16日は「チャップリンデー」」/公式YouTubeチャンネル「Charlie Chaplin」 :

















