日本人の繊細な美意識や、ものづくりへの情熱が脈々と受け継がれてきた、伝統工芸品や名産品。それらが今、若き匠たちを中心に大きな進化を遂げています。そんな現代のライフスタイルにもマッチするセンス溢れるプロダクトの数々を、ギフトスタイリストの河井真奈さんがナビゲートする連載企画。今回は、5月10日(日)の母の日のギフトにおすすめのアイテムをご紹介します。
忙しい日々を重ねてきた女性にこそ贈りたいのは、体に優しく心までほどけるようなひととき。河井さんがそんな思いを込めてピックアップしたのは、「松本養蜂総本場」(福島県会津若松市)のはちみつと「タイガー」(静岡市)のルイボスティーの2点です。日本の風土と丁寧なものづくりが息づき、至福のティータイムを演出するこれらのアイテムの魅力について、河井さんに語っていただきました。
■1:イタリア帰りの元オペラ歌手が手掛ける上質なはちみつギフト
福島県会津若松市にある「松本養蜂総本場」は、80年以上の歴史をもつ老舗の養蜂場。国内唯一の「国産有機(JONA)認証」を受けたはちみつの生産者であり、自然との調和を重んじる姿勢が多くのファンに支持されています。
5代目社長の松本高明さんは、東京藝術大学の声楽家を卒業後、オペラ歌手を志してイタリアへ渡り研鑽を積んだという異色の経歴の持ち主。その後、現地で日本文化を発信する事業を立ち上げ、長くイタリアで暮らしますが、東日本大震災を機に故郷への思いを強くし、2016年に帰国して家業である養蜂を継ぎました。
松本さんは、自然・地域・人の3つのハーモニーを目指すという理念を守りつつも、イタリアで培った感性を生かしてデザインやブランディングを現代的にアップデート。はちみつを生産するだけでなく、ガーデンカフェレストラン「b Kitchen」やスタイリッシュなはちみつ専門店「Boutique del miele(ブティック デルミエーレ)」を展開するなど、革新的な取り組みを続けています。
その「松本養蜂総本場」が手掛けるアイテムのなかで、河井さんが母の日のギフトとして推すのは「国産はちみつ2点セット・ボトルタイプ」。同店の数多くのはちみつラインナップから、『ぼだいじゅ』と『ラ・ローザ』を組み合わせました。
「『ぼだいじゅ』は、北海道のシナノキ(菩提樹の和名)から採蜜した個性豊かなはちみつ。ハーブのようなさわやかな香りと濃厚な甘みがあり、乳製品との相性が抜群です。白湯に少量溶かせば、心までゆるむような穏やかな味わいが感じられます。
『ラ・ローザ』は、国産のはちみつにダマスクスローズから抽出したローズウォーターをブレンド。蓋を開けた瞬間、バラの花束を思わせる芳醇な香りが立ちのぼり、口に含むと澄んだ甘みが優しく広がります。華やかでありながらも上品な後味で、いつもの紅茶にひとさじ加えるだけで格調高いローズティーに変わります」(河井さん)
「『futo』ではこれまで数十名のお客様に数種類の商品の試食していただきましたが、40代以上の女性からの絶大な支持を集めたのが『ぼだいじゅ』。おいしいものをよくご存知で舌の肥えたかたがこぞって『断然これがいい!』と絶賛されるのです。
一方、年代を問わず女性全般に人気なのは『ラ・ローザ』。他にもさまざまなフレーバーがあり、いずれも甲乙つけがたく悩みましたが、試食された方々の声を踏まえ、この2本がギフトとして鉄板の組み合わせではないかと決断しました」(河井さん)
「もう一つのこだわりは、スプーンなしで必要な量を絞りだすことができるボトルタイプであること。忙しい朝、トーストやヨーグルトに片手でサッとかけることができるなど、『一度使うと瓶には戻れない』と評判です。母の日という身内の贈りものだからこそ、見た目の美しさだけでなく、使う人へのさりげない心配りが感じられる機能性も大切なポイントです」(河井さん)
■2:我が子を想う父の願いから生まれた優しいルイボスティーギフト
静岡市に拠点を構える「タイガー」のルイボスティーは、南アフリカ原産のルイボスを、日本人の味覚に寄り添うよう丁寧に仕立てたもの。まろやかな飲み心地で、カフェインを含まないため時間帯を気にせず楽しめます。
もともとは理容院だったという「タイガー」がルイボスティーを扱うようになった背景には、ひとつの個人的な体験がありました。現社長の伊東章さんは幼少期、重いアトピー性皮膚炎に悩まされており、何とか救いたいと父である先代社長が、あらゆる健康法や食事療法を模索した末、出合ったのがルイボスティー。
アトピー治療の研究で知られる丹羽靭負医師の指導のもとルイボスティーの抽出エキスを飲ませ続けたところ改善が見られ、その経験をきっかけに「同じように悩む人の力になりたい」との思いから、ルイボスティーを届ける現在の事業へとつながっていったといいます。
そんな「タイガー」が、これまでの歩みを凝縮した新シリーズが、『TUMUGU(ツムグ)ルイボスティー』。「ツムグ」という名には、先代から受け継いだ「家族を想う優しさ」や「健やかな暮らし」を、次世代へと大切に紡いでいきたいという願いが込められているそうです。
河井さんが母の日ギフトにおすすめするのは、封筒をイメージしたレター・ボックスに、ルイボスティーの豊潤な香りが広がるドリップバッグが入ったギフトボックス。『プレミアム・ルイボスティー』と『生葉ルイボスティー』の2種がセットになっていて、飲み比べができるのも魅力的。同じルイボスティーでも製法の違いで色彩・風味・香りが大きく異なります。
「赤いパッケージの『プレミアム・ルイボスティー』は、南アフリカの強烈な日光を利用して発酵させたもの。ルイボス特有の深い赤色と甘い香りを帯びた紅茶のような一杯は、爽やかに目覚めたい朝にもリラックスしたいティータイムにもぴったりです。
ゴールドのパッケージの『生葉ルイボスティー』は、新芽をあえて発酵させず、緑茶のような製法で水分を飛ばして仕上げたもの。茶葉本来のフレッシュな甘みが感じられるクセのないすっきりとした味わいで、ルイボスティーになじみがある人にも新鮮な驚きと感動をもたらしてくれます」(河井さん)
「いずれも南アフリカで収穫される茶葉のなかでも、全体のわずか数パーセントしかとれない最高級のオーガニック茶葉を100%使用。ドリップパックに湯を注いだ瞬間から、湯気と共に香りが立ちのぼり、淹れている時間そのものがアロマテラピーのようなひとときに変わります。
ルイボスティーは、強い日差しや乾燥、寒暖差といった南アフリカの過酷な自然環境を生き抜いた植物ならではの抗酸化成分を含んでいるのも特徴です。体を労りながら心まで緩められる、そんな優しい時間を届けてくれる素敵なギフトになるのでないでしょうか」(河井さん)
以上、ギフトスタイリストの河井真奈さんが、母の日のためにセレクトしたアイテムをご紹介しました。今年の母の日は、日常に心落ち着く余白をもたらすような贈り物で「ありがとう」の気持ちを届けてみてはいかがでしょうか。
※掲載商品の価格はすべて税込みで、記事公開時のものです。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)

















