日本各地で育まれてきた高度なものづくりの技術と、若き匠たちの美意識や情熱が結びついた「新時代のジャパンラグジュアリー」を体現する逸品を、ギフトという形で提案しているスタイリストの河井真奈さん。今回ご紹介いただくのは、河井さんが「世界に誇る“今治タオル”のなかでも今、最も勢いのあるメーカーのひとつ」と語る渡辺パイルから、2024年にリリースされた名品『SHUTTLE 1963(シャトル 1963)』です。

「“1963”は創業年、“シャトル”はその当初から受け継がれたシャトル織機に由来。効率重視の現代にあえてスローな旧式の織機を採用し、熟練の職人の手で丁寧に織り上げたタオルは、まるで上質なブランケットのような唯一無二の風合いです。

顔や手を拭いたり、お風呂上がりに全身を包んだり、タオルは毎日必ず触れるものだからこそ、その質感は私たちの暮らしにささやかな贅沢をもたらしてくれます。大切な方への贈り物としても、自分へのご褒美としても最適ではないでしょうか」(河井さん)

渡辺パイルの「シャトル1963」のタオル
60年以上タオルづくりに取り組んできた同社のものづくりの姿勢を象徴した、原点回帰ともいえる『シャトル 1963』。

初めて出合った瞬間からその存在感と肌触りに心酔したという河井さんに、その魅力について語っていただきました。

河井真奈さん
スタイリスト
(かわい まな)女性誌、CM、ドラマのスタイリング、トークショー、商品開発アドバイザーなど幅広く活躍。2016年、ギフトに特化したWEBサイト「futo」をローンチし、2019年6月に南青山にショップをオープン。2023年5月代官山に移転。著書に『絶対 美人アイテム100』(文藝春秋)、『服を整理すれば、部屋の8割は片付く』(立東舎)。https://futo.jp/

もう手放せない!旧式シャトル織機の紡ぐ今治タオルが至福の肌触り

豊かな水と温暖な気候に恵まれた愛媛県今治市は、言わずと知れた日本最大のタオル産地。その今治で1963年に創業した渡辺パイルは、半世紀以上にわたって生活に寄り添うタオルを織り続けると共に、活躍の場をアパレル分野へも広げてきました。

国内外の名だたるラグジュアリーブランドへ生地を提供したり、問屋を通さず百貨店やセレクトショップと直接取引したりなど、新しいビジネスモデルにも挑戦し続ける同メーカーは、今治のリーディング・カンパニーといっても過言ではありません。

近隣景色
自然豊かな今治。

先代社長の渡邊利雄さんは、地域産業のブランド化にも貢献したともいわれる人物。2019年に利雄さんが急逝した後、妻の千歳さんが社長を務め、さらに長女の有紗さん、長男の文雄さん、次女の琴水さんが事業を分担します。

家族集合写真
左から琴水さん、千歳さん、文雄さん、有紗さん。

「渡辺パイルの素敵なところは、利雄さんのクラフトマンシップや飽くなきタオル愛が、3人のお子さんたちにしっかりと受け継がれていること。展示会で初めて長男・文雄さんとお会いした際、目を輝かせながら商品について熱く語ってくださったのが印象的でした。

まず原料となる綿からとことんこだわり、製品のシリーズごとにコンセプトに合わせた綿を使っているのがユニーク。世界中の綿の特徴を理解し、目指すタオルのイメージに最適なものを選んでいるのだそうです」(河井さん)

アメリカの綿畑
アメリカの綿畑を訪問する文雄さん。

例えば、『シャトル 1963』では、アメリカ・カリフォルニア州のサンホーキンバレーで育った“サンホーキン綿”を使用。山々から流れ出る雪解け水で育てられたこの綿は、繊維が長く白度が高いことから、滑らかで美しい風合いに仕上がります。

糸の準備
こだわりの糸を使用した工場の様子。

「綿の生産、紡績、染色、織りなど各工程で職人や専門家たちと綿密なコミュニケーションを重ねながら一枚一枚のタオルを編み出していくのが渡辺パイルのスタイル。“素材のよさを最大限に引き出したい”、“まだ世にないタオルを作りたい”という創業以来の一貫した理念が息づいているのに感銘を受けました」(河井さん)

旧式のシャトル織機
渡辺パイルで今も活躍している旧式のシャトル織機。

そして最大の特徴は、旧式のシャトル織機を使っているということ。現役で動いているものは、今治の中でも渡辺パイルだけにしかないという稀少な織機で、今では機器自体が製造されていないどころか部品も手に入りにくいといいます。

「工場を見学させていただいたのですが、最新の機械とくらべて非常に動きがスロー。しかも、織機の稼働中に糸の調整や交換などの手作業が必要で、職人が織機の前から離れることができません。そうして手間暇かけて織り上げられたタオルは、見た目にもパイルの密度の高さが美しく、肌に触れるとふわりとしたボリュームと柔らかさに驚かされます」(河井さん)

タオル生地のアップ
タオルとは思えないほど、きめ細やかなパイル地の表情が美しい。

「吸水性と速乾性に優れているのも魅力で、風呂上がりの肌を包み込み、湿り気をまるで引き込むように受け止めてくれる心地よさが格別です。さらに、洗濯を繰り返すほどにパイルがふっくらと立ち上がり、使い始めとはまた違う、自分だけの風合いに育っていくため、長く愛用するほどに手放せなくなります」(河井さん)

極上のバスタイムを演出する3つのバリエーション

今治タオルの歴史と技術の結晶のような『シャトル 1963』シリーズ。「futo」では、バスタオルとフェイスタオルに加えて、バスマットも扱っています。バスタオルとフェイスタオルはチャコールグレーとグレーの2色展開。クールで飽きのこないスタイリッシュな色合いも、河井さんの推しポイントです。

■1・2:フェイスタオル&バスタオル

タオルグレー
上/フェイスタオル(グレー)¥3,300【35cm×75cm】・下/バスタオル(グレー)¥11,000【70cm×140cm】
タオルチャコールグレー
上/フェイスタオル(チャコールグレー)¥3,300【35cm×75cm】、下/バスタオル(チャコールグレー)¥11,000【70cm×140cm】

■3:バスマット

バスマット
バスマット「HORSE」¥13,200【40cm×60cm】

バスマットはタオルよりも肉厚で、吸水性・速乾性が抜群。浴室から出た瞬間、もっちりした生地が足を優しく受け止めて水分を素早く吸収します。イラストレーターnorahiさんとのコラボから生まれたスタイリッシュな新作の「HORSE」は、午年である来年に向けてのギフトにもぴったりです。


端正な美しさと確かな機能性を両立させた『シャトル 1963』は、時代を超えて愛されるアイテム。慌ただしい日々を送る大切な方への、心安らぐ贈り物になるでしょう。

※掲載商品の価格はすべて税込みで、記事公開時のものです。

問い合わせ先

Gift Concierge futo

TEL:03-3462-2036

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)