【目次】
【第18回のあらすじ】
15代将軍足利義昭(尾上右近さん)を京から追放して室町幕府を終わらせ、目の上のたんこぶだった朝倉・浅井勢を打ち負かし、その他もろもろ収めた信長(小栗旬さん)。天正3(1575)年、約20年もの間、信長一筋に仕えてきた藤吉郎(池松壮亮さん)は浅井長政(中島歩さん)の領地だった北近江を与えられ、とうとう琵琶湖畔に城を築きます。長浜城主・羽柴筑前守秀吉の誕生です。
出身や身分ではなく、働きや忠誠によって評価するというニュートラルな感性をもっていた信長のもとで、“百姓猿”だった藤吉郎・小一郎ブラザーズは見事に“出世猿”となったのでした。前回の息をのむ展開とは打って変わり、わが国を誇らしげに眺める羽柴兄弟の姿から始まった第18回、タイトル「羽柴兄弟!」も気が利いています。
年貢や役(えき)を免除したことで長浜城下は賑わいを見せましたが、人が集まればそれだけもめ事も増え…というなかで、秀吉の妻・寧々(浜辺美波さん)の父、浅野長勝(宮川一朗太さん)がぽっくり亡くなりました。焼香に訪れた小一郎に、寧々の母・ふく(森口瑤子さん)は「一生いちばんの手柄は、あなた方ご兄弟と縁者になったことだと。あの人は果報者でした」と語ります。
浅井長政亡きあと、守山城に身を寄せていた市(宮崎あおいさん)と3人の娘も、ようやく信長の岐阜城で暮らすことに。兄を守るため浅井に嫁いだ市、妹の幸せを守れなかった信長。久しぶりの対面に、この兄妹らしい絆を見ました。
さて、戦国大河である『豊臣兄弟!』も、今回はドンパチなしの平和な回。軍師・竹中半兵衛(菅田将暉さん)の助言で家臣を増やすことにした秀吉は、信長同様「どんな身分でも等しく吟味し、才あるものを家来に」と、われを家臣に! と集まってきた民を試験します。槍や算術、精神統一と、とんちの利いた試験をクリアしたのは4名でしたが、今回の登用は3名限定。秀吉が出した最終試験は、4人で話し合って家臣となる3人を決めろ、というものでした。そして彼らが出した結果が見事でしたね! 4人のうち、ふたりは合わせてひとり分の禄で結構、3人分の禄で4人を召し抱えてくだされ、というわけです。
秀吉が家臣に採用したのは、のちに豊臣政権の中枢を担う五奉行のひとりとなる石田三成(松本怜生さん)、賤ヶ岳の戦いで大活躍する平野長康(西山潤さん)と片桐且元(長友郁真さん)の3人。
不採用となった藤堂高虎(佳久創さん)は、なんと小一郎の家臣になることを命じられます。秀吉も小一郎も、姉川の合戦で浅井方として活躍した高虎を覚えていたのです。今回の採用はその頭の回転の速さや機転の利かせ方を見込んでのこと。短気で荒ぶれ者だけれど、いざというとき人を助けることができる高虎が、羽柴小一郎長秀にとっての初めての家臣となったのです。「殿、この藤堂高虎、身命を賭してお仕えいたします」と頭を下げた高虎、かっこよかったです!
家臣も揃い、わが城での宴シーン。元ラグビー選手という佳久さんの屈強な体で軽々(?)と持ち抱えられる半兵衛も、それなりに楽しそうでしたね。
そして――秀吉が城持ち大名となり、少々浮かれ気味の母や姉妹を横目に、相変わらず場の雰囲気をまったく読まず、家族になじもうとしない小一郎の妻・慶(ちか/吉岡里帆さん)。しかし次回、いよいよ彼女の謎めいた過去が明らかにされるようです!
【大河ドラマと連動した展覧会、名古屋、大阪、そして東京へ!】
NHK大河ドラマは、舞台となる地元などでイベントや企画展が行われることもあり、放送年はゆかりの地も盛り上がります。今回の『豊臣兄弟!』では、秀吉や信長、家康をはじめとする戦国武将が残した資料や彼らの手に渡った美術品などを展示する『NHK大河ドラマ特別展「豊臣兄弟!」』が開催されています。
まずは名古屋展が6月14日(日)まで、そのあと大阪展が7月8日(水)から8月31日(月)、そして東京展が今春4年ぶりのリニューアルオープンとなった江戸東京博物館を会場に9月15日(火)から11月8日(日)まで。
秀長(小一郎)の素顔や、兄弟の絆をひもとく資料、秀長を支えた家臣団ゆかりの品、そして華麗な能装束に茶の湯の逸品、豊臣家ゆかりの工芸品など盛りだくさん! 音声ナビゲーターは仲野太賀さんが務めています。ドラマで使われた衣装や小道具などの展示は共通ですが、開催地域によって、歴史的背景や展示作品が異なります。
この特別展の概要と、おすすめの展示品をご紹介します。
『NHK大河ドラマ特別展「豊臣兄弟!」』名古屋展
会場:徳川美術館・名古屋市蓬左文庫
住所:愛知県名古屋市東区徳川町
会期:2026年4月18日(土)~6月14日(日) ※会期中、一部作品の展示替えあり
前期展示 4月18日(土)~5月17日(日)・後期展示 5月19日(火)~6月14日(日)
開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
休館:月曜日
イチオシ展示品:尾張の関連資料藤堂高虎が所有した「唐冠形兜(とうかんなりかぶと)」(三重・伊賀市蔵/通期展示)。戦国末期に流行した変わり兜で、秀吉から拝領したものです。左右に張り出された木製黒漆塗の後立の1枚の全長は、なんと約90cm!
『NHK大河ドラマ特別展「豊臣兄弟!」』大阪展
会場:大阪歴史博物館
住所:大阪府大阪市中央区大手前4-1-32
会期:2026年7月8日(水)~8月31日(月) ※会期中、一部作品の展示替えあり
前期展示 7月8日(水)~8月3日(月)・後期展示 8月5日(水)~8月31日(月)
開館時間:9:30~17:00(最終入館16:30)
休館:火曜日 ※8月11日(祝・月)は開館
イチオシ展示品:松永久秀が織田信長に献上したことで、大和一国を安堵されたとも伝わる「唐物茄子茶入 付藻茄子(からものなすちゃいれ つくもなす)」(東京・静嘉堂文庫美術館蔵/8月19日~8月31日展示)。「大名物(おおめいぶつ)」と呼ばれる名器で、中国の南宋~元時代(13~14世紀)のもの。久秀から信長、秀吉、そして家康と、時の天下人が所持しました。
『NHK大河ドラマ特別展「豊臣兄弟!」』東京展
会場:東京都江戸東京博物館
住所:東京都墨田区横網1-4-1
会期:2026年9月15日(火)~11月8日(日) ※会期中、一部作品の展示替えあり
前期 9月15日(火)~10月12日(月)・後期 10月14日(水)~11月8日(日)
開館時間:9:30~17:30、土曜日は9:30分~19:30(最終入館は閉館の30分前)
休館:月曜日、9月24日(木)、10月13日(火)、11月4日(水) ※9月21日(月)、10月12日(月)、11月2日(月)は開館
イチオシ展示品:「御所参内・聚楽第行幸図屛風(ごしょさんだい・じゅらくだいぎょうこうずびょうぶ)」(小林英好氏蔵・上越市立歴史博物館寄託/通期展示) は、天下人となった秀吉が京都に造営して邸宅とした聚楽第に、後陽成天皇が行幸する様子を描いたもの。秀吉の一世一代の晴れ舞台を、六曲一双屛風という広大な画面に再現しています。2008(平成20)年に新潟県上越市内で発見されました。
展示数もその内容も、戦国ファンでなくても見応えたっぷりな展覧会。『豊臣兄弟!』をより楽しむためにも、ぜひ会場へ出かけてみて。「あのシーンで竹中直人さんの久秀が…」なんて気付いたら、またそのシーンを見直してみたくなるかもしれませんね。
【次回 『豊臣兄弟!』第19回「過去からの刺客」あらすじ】
信長(小栗旬さん)は嫡男・信忠(小関裕太さん)に家督を譲り、安土に天下一統を見据えた巨大な城を造り始める。秀吉(池松壮亮さん)は柴田勝家(山口馬木也さん)を総大将とする上杉攻めに加わるが、作戦を巡り勝家と対立してしまう。一方、慶(吉岡里帆さん)に他国の武将と内通しているという疑いがかかり、小一郎(仲野太賀さん)は彼女が密かに足を運んでいるという村へ向かう。そこで小一郎は、慶がひた隠しにしていた悲しい過去を知り――。
※宮崎あおいさんの【崎】は「たつさき」が正式表記です。
※『豊臣兄弟!』第18回「羽柴兄弟!」のNHK ONE配信期間は2026年5月17日(日)午後8:44までです。
- TEXT :
- Precious編集部
- WRITING :
- 小竹智子
- 参考資料: 『NHK大河ドラマ・ガイド 豊臣兄弟! 前編』(NHK出版)/『大河ドラマ「豊臣兄弟!」完全読本』(産経新聞出版)/『大河ドラマ 豊臣兄弟! 超おもしろファンブック』(小学館)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館) :

















