【Special Interview】変わる時代を受け入れ、見極め、進むべき道を選んでいきたい——反町隆史「未来へ泳ぐ」
24歳にして、伝説となるドラマ『GTO』を世に残した反町隆史さん。ひたすら“今”に向き合いつつも、冷静に世の中の流れを読み、挑戦を繰り返してきた結果だったという。それから28年——。自分の芯は揺らぐことなく、でも変化を感じるアンテナは磨きながら、未来へ向かってしなやかに泳ぐ。その心の内にあるものは。

仕事も未来も、想像できなかった
子供の頃からサッカーに夢中だった反町さんが、ファッションモデルとして活動し始めたのは、16歳のとき。バイト先の先輩にすすめられたのが、きっかけだった。
「18歳でパリコレに出るようになって、2か月間フランスに滞在したこともありました。現地のモデル事務所に入ったものの、それほど仕事もなく、なんとなく“自分もここまでかな”と感じてしまった。帰りの飛行機で、ふと俳優をやろうと思ったのは、当時モデルから俳優になった人たちが活躍し始めていたから。先輩たちのようにかっこよく仕事ができたら。でも…俳優を始めてからも、自分の仕事も未来もまったく想像できなかった。やっていたのは、ただ今を必死に生きることだけ。現在も同じで、それだけが自分のやり方かもしれません」

19歳で俳優デビュー。23歳で『ビーチボーイズ』、その翌年に『GTO』と、主演ドラマが大ヒット。『GTO』では元・暴走族のリーダーで型破りな教師・鬼塚英吉が大反響を呼び、最終回の視聴率は35.7%(関東)という記録を残した。「いい時代だったのかな」と少々謙遜をにじませながら、反町さんは当時を振り返る。
「その頃の僕は、俳優としても人としても未熟で、主役を背負う自分のことで精一杯でした。生徒役の俳優たちと年の差もあまりなかったし、役以外で彼らと真っ向から向き合っていたかというと、そこまでは余裕がなかった。まあ、何かあったとしても、自分から『困ってることあるか?』なんて言うタイプでもないですし。でも今なら、少しは余裕をもって接することができるんじゃないかと」

大ヒットから28年後の今年、連続ドラマ『GTO』が帰ってくる。反町さんはそれを“復活ではなく、新しい挑戦”と表現する。
「28年もの期間をおいて、当時のスタッフが再集結して、当時と同じ手法で、同じドラマをつくるというのは、誰も成し得ていないこと。それだけでも価値あることで、大きな挑戦です。例えば、ひとつのシーンを何度も角度を変えて撮るのではなく、一度に何台ものカメラがいろんな角度から撮影する方法にこだわりました。今ではやらない方法だけれど、緊迫感とスピード感、さらにライブ感が違うんです。そして、今の時代の若い世代に媚びるのではなく、我々がいいと思うものを見せていきたいと思っています。それも、自分たちにとっては挑戦です。どんな結果になるかはまだ誰にもわかりませんが、観た人たちが何かしら感じてくれたらいいですね。また、生徒役の方たちのなかからビッグな俳優が誕生するかもしれないし、この経験が違うかたちで生きてくるかもしれない。今はまだ予想できなくても、10年後、20年後に希望を託せるかが大事。そうでなければ、挑戦には踏み切らなかっただろうと思います」
時代が昭和から令和に変わっても、体を張って生徒と対峙する鬼塚のキャラクターは健在。むしろ、「変わらない」ところにその価値があるという。
「年を重ねたからといって、上から目線になったり、説教じみてしまったら、鬼塚じゃない。俺らの時代は…と押し付けるつもりもありません。役のうえでも素顔でも、クールで大人な今どきの生徒たちに、どう響くのか。そうしながら、“グレートティーチャー”とはなんなのか答えを探していく。鬼塚だけでなく、僕自身も」

自分のアンテナを頼りにすれば、道を踏み外すことはない
7月から始まるドラマ『GTO』では、鬼塚の家庭での様子も描かれる。学校では“グレート”でも、私生活となると情けない鬼塚は見どころのひとつ。
「僕自身でいえば、ズバズバものを言い、ダメ出ししてくれるくらいの女性が、楽でいいですね。自分と同じように、食べることに関心があることも大事。料理はね、けっこうやるんですよ。カレーはもちろん、よくつくるのはチャーハン。娘の好物なんです。そして釣りやジョギング、トレーニングは、どれも30、40代のときからやっていることで、生活の一部。何にしても、流れに逆らわず無理のないことがいちばんです。同様に、人生も仕事も流れには逆らうことなく、吹いてくる風を感じていれば、おのずと未来をキャッチするアンテナは磨かれる。そうすれば、道を踏み外すことはないと思っているんです。
かつて、先輩俳優に言われたことがあって。『俳優人生のなかで、ヒット作はひとつあればいい』と。そのためには、時代の流れ、高い志、それを共有できる仲間たちが欠かせません。それに出会えた自分は幸運で、『GTO』は特別な存在。それだけに、つい突っ走りすぎてしまうけど、そこも適度に楽しみたいですね」
ゆったりとアクセルを噴かしつつも、冷静に周囲を見ながら、反町さん52歳の夏が今、始まった。
「日本の暑い夏をスタッフみんなで乗り切って、いい作品をつくる。そしてドラマの撮影が終わって休みがとれたら、離れて住む娘のところにでも行こうかな」
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- 南ゆかり

















