連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People

明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する「Precious」連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、世界のワイン界で存在感を高める “イングリッシュ・スパークリングワイン”。その名を世界レベルへ押し上げた先駆者であり、最高峰として知られる「ナイティンバー」で、ヘッドワインメーカー(醸造責任者)を務めるシェリー・スプリッグスさんにインタビュー!

英国ワイン界を代表する醸造家でもあるシェリーさんは、世界屈指のワイン品評会「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」において、「スパークリングワイン醸造家賞」を2度受賞。さらに’25年には、同社の「ブラン・ド・ブラン 2016 マグナム」が「チャンピオン・スパークリングワイン」を獲得し、シャンパーニュ地方以外の生産者として、「IWC」34年の歴史上初の快挙となりました。

「このワインの価値をもっと世界に伝えていきたい」と話すシェリーさんに、今後の展望についてもお話しをうかがいました。

シェリー・スプリッグスさん
「ナイティンバー」ヘッドワインメーカー(醸造責任者)
(Cherie Spriggs)カナダ生まれ。クーンズ大学で生化学を学び、カナダでワイン醸造のキャリアをスタート。’07年、同じく醸造家の夫と共に渡英し、「ナイティンバー」に参画。「IWC」において、’18、’25年共に「最優秀スパークリングワイン醸造家賞」を受賞、’25年「ブラン・ド・ブラン 2016 マグナム」で「チャンピオン・スパークリングワイン」を受賞。

【West Sussex】“イングリッシュ スパークリングワイン”を世界レベルに押し上げた醸造責任者

インタビュー_1
「ナイティンバー」ヘッドワインメーカー(醸造責任者)のシェリー・スプリッグスさん

世界のワイン界で存在感を高める “イングリッシュ・スパークリングワイン”。その名を世界レベルへ押し上げた先駆者であり、最高峰として知られるのが「ナイティンバー」だ。ロンドンから車で約90分。英国南西部サセックスの丘陵地に雄大なブドウ畑が広がる。

「ここでは、自社の畑で育てたブドウのみを使用し、栽培から醸造、熟成、瓶詰めまでを一貫して管理しています。152区画すべてにおいて、品種や植栽年などを記したプレートを設置。収穫はすべて手摘みで行い、区画ごとに醸造することで、ブドウそれぞれの個性を引き出していきます。緻密にブレンドを重ねていくことで、複雑さと調和をたたえたスパークリングワインが生まれるのです」

そう語るのは、英国ワイン界を代表する醸造家・シェリーさん。世界屈指のワイン品評会「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」において、「スパークリングワイン醸造家賞」を2度受賞。さらに’25年には、同社の「ブラン・ド・ブラン 2016 マグナム」が「チャンピオン・スパークリングワイン」を獲得し、シャンパーニュ地方以外の生産者として、「IWC」34年の歴史上初の快挙となった。

「この地の気候とテロワールに丁寧に向き合うことで、ここ英国でも世界に誇るワインをつくることができる。それを証明することができて感無量でした。この仕事は自然環境と共にあり、過去には品質を優先し、収穫の多くを見送った年もありました。だからこそ『完璧を目指す』のではなく、『完璧を追求し続ける』ことが私のモットー。その姿勢がクオリティに表れているのだと思います」

クラシックピアノを学んだ経験をもち、「ブレンドは音楽のようなもの」と語るシェリーさん。それぞれの要素を調和させる感覚は、ワインづくりにも通じるという。「このワインの価値をもっと世界に伝えていきたい。実際にグラスを手に取ってひと口含めば、その価値は必ず伝わる。そう信じています」

◇シェリー・スプリッグスさんに質問

Q 朝起きていちばんにやることは?
まずお茶を飲みます。紅茶だけでなく、いろいろなお茶を飲みます。
Q 人から言われてうれしいほめ言葉は?
毎日壮大なエネルギーを使って研鑽を深めているので、その努力を理解し、認めてくれる言葉に喜びを感じます。それは賞をとること以上にうれしいのです。
Q 急にお休みがとれたらどう過ごす?
家庭菜園のアスパラガスやグリーンピースを収穫して、料理。
Q 仕事以外で新しく始めたいことは?
時間ができたらキルトづくりを再開したい。
Q 10年後の自分は何をやっている?
間違いなくワインづくりに取り組んでいる。
Q 自分を動物に例えると?
フクロウ。状況を静かに観察し、大事なときに一気に収穫するところ。ワインづくりに必要なのは忍耐なのです。

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PHOTO :
Haruko Tomioka
取材 :
Yuka Hasegawa