クリーンでフレッシュな「NOVAキャビア」
キャビアと聞いて、まず思い浮かぶのはシャンパーニュではないでしょうか。小さなブリニにサワークリームを添え、そこに艶やかなキャビアをのせる。このクラシックな組み合わせは、今も変わらず心をときめかせてくれます。
一方で、キャビアそのものの味わいも進化しています。かつて保存性のためにしっかり塩を効かせていたキャビアも、今は卵そのものの風味や食感を生かす方向へ。国内外で、低塩でクリーンな味わいを打ち出すキャビアが増えており、エストニア産のプレミアムキャビア「NOVAキャビア」も、そうした現代的なタイプのひとつ。
徹底した水質管理のもとで養殖されたチョウザメから生まれる「NOVAキャビア」は、塩味を前面に出すのではなく、繊細な旨味と質感を引き出すスタイルです。その味わいを支える考え方のひとつが、ロシア語で「少ない塩」を意味する「マロソル(Malossol)」。口に含むと、卵本来の旨味がなめらかに広がり、後味には透明感。魚卵特有のクセは穏やかで、ラグジュアリーでありながら軽やかでモダンな印象のキャビアなのです。
美酒とのペアリングを探る
こうしたスタイルのキャビアは、ペアリングの可能性も広げてくれます。シャンパーニュとの相性のよさはもちろん、塩味が穏やかで後味がクリーンだからこそ、白ワインや赤ワイン、日本酒とも寄り添うはず。そこで、シャンパーニュ、樽を効かせたタイプの白ワインと赤ワイン、さらに個性の異なる日本酒との相性を検証してみました。
1. シャンパーニュ:アンリ・ジロー フュ・ド・シェーヌ MV 2020
シャンパーニュの名門「アンリ・ジロー」による、樽由来の気品と深みを備えたシャンパーニュ。キャビアとの王道の組み合わせですが、繊細な泡がキャビアの塩味を包み込み、樽由来の香ばしさやナッツのニュアンスが魚卵の旨味を引き出します。華やかでありながら、余韻にも厚みのあるペアリングでした。
2. 白ワイン:ドゥレア・グラフ テラスド・ブロック・リザーヴ シャルドネ
3. 赤ワイン:ドゥレア・グラフ バンフック・リザーヴ メルロー
「ドゥレア・グラフ」は、ダイヤモンドで知られるワイナリーという背景もあり、ラグジュアリーな世界観をもつ造り手です。
白ワインは、ふくよかな果実味と樽由来の厚みを備えたシャルドネ。泡がないぶん、キャビアの粒が舌の上でほどける感触をゆっくり味わえます。ワインのミネラル感とキャビアのヨード感が重なり、穏やかで落ち着いたペアリングに。
赤ワインのメルローとの組み合わせは意外性のあるものでした。一般的に魚卵と赤ワインは難しいとされますが、NOVAキャビアには強い生臭みや重たい塩味がないため、なめらかなメルローの果実味と衝突せず、赤ワインの旨味にキャビアがアクセントを添えるような印象に。「キャビアに赤ワインもあり得る」という発見が楽しい組み合わせでした。
4. 日本酒:金紋 X3 ブラック
5. 日本酒:金紋 X3 ロゼ
6. 日本酒:金紋 X3 シャルドネカスク 黒麹仕込み
秋田の金紋酒造による「金紋 X3」シリーズは、通常の3倍の麹を使用して、濃厚な旨味とともに華やかな酸を兼ね備えた新しいスタイルの日本酒。
黒麹を使用したブラックは、日本酒らしい透明感をもちながら、味わいの輪郭がはっきりとした印象。キャビアの塩味と米由来の旨味が同調するイメージです。
白米に赤米を加えたロゼは、爽やかでチャーミング。ベリーを思わせる華やかなニュアンスが、キャビアの塩味に美しいコントラストを与え、アペリティフのように楽しめる軽快さがあります。
ユニークだったのは、黒麹仕込みの原酒をワイン樽で貯蔵したシャルドネカスク。黒麹由来の酸とシャルドネ樽の香りが重なり、日本酒でありながら白ワインのニュアンスも。キャビアの塩味と旨味に、酸と樽のニュアンスが奥行きを添えます。
7. 日本酒:満寿泉×アンリ・ジロー “シェーヌ・ダルゴンヌ” 純米大吟醸
「満寿泉」の純米大吟醸を「アンリ・ジロー」のアルゴンヌ産オーク樽で熟成させたスペシャルな日本酒。グラスからはほのかなバニラやスパイス、木樽由来の香りが立ち上ります。一方で、磨き抜かれた純米大吟醸ならでは透明感や米の旨味も感じられ、キャビアと合わせると美しい一体感が生まれます。キャビアの穏やかな塩味と澄んだ旨味、なめらかな粒感に、シェーヌ・ダルゴンヌの樽由来の香りと柔らかな旨味が重なり、長い余韻も圧巻です。
塩分がマイルドな「NOVAキャビア」はどの酒類と合わせても、その複雑な香りや味わいが鮮やかに感じられ、いずれの組み合わせも楽しく味わうことがわかりました。シャンパーニュと合わせて楽しむ特別な食材というイメージが強いキャビアですが、こうした低塩でクリーンなタイプは楽しみ方が広がります。特に、酸や樽のニュアンスをもち、丁寧に醸されたお酒との相性は抜群。美酒と「NOVAキャビア」の出合いはラグジュアリーな食体験の新たな扉を開いてくれるものでした。ご自身の好みのお酒と楽しんで、自分流のマリアージュを見つけてみてはいかがでしょうか。
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- PHOTO :
- 谷宏美
- EDIT&WRITING :
- 谷宏美

















