伊豆高原・浮山温泉郷に広がる約6,000坪の日本庭園の中に佇む「ABBA RESORTS IZU - 坐漁荘」は、創業100年を超える歴史を誇る温泉旅館です。四季折々の自然に寄り添う静かなロケーションと、離れやヴィラを含む多彩な客室、上質なおもてなしで、多くの人を魅了してきました。

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「ABBA RESORTS IZU - 坐漁荘」入口

2026年7月には南館をリニューアル。万葉集や与謝蕪村の世界観を取り入れた意匠を施し、日本の美意識を現代的に表現した客室へと生まれ変わりました。滞在スタイルや旅の目的に合わせて客室を選べるようになり、これまで以上に幅広いニーズに応えるラグジュアリーリゾートへと進化しています。

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「ABBA RESORTS IZU - 坐漁荘」外観
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撮影スポットのひとつ、野点傘

今回、リニューアルに際して「ABBA RESORTS IZU - 坐漁荘」を訪れたPrecious.jpライターが、新客室を中心に、施設の魅力についてご紹介します。

家族でゆとりある時間を過ごせる新客室「ファミリーメゾネット」

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ファミリーメゾネット「牡丹」

今回のリニューアルで誕生した「ファミリーメゾネット」は、全4室のメゾネットタイプの客室。万葉集の柿本人麻呂の和歌に着想を得て、「和歌の世界に滞在する」をコンセプトに優雅な色彩、繊細な素材感といった日本の美意識と現代的な感性の調和を楽しめる空間です。

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客室に飾られた人麻呂の和歌

各客室の入口には、客室のテーマとなった「天(あめ)の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ」という人麻呂の歌が飾られています。こちらは色や柄が違う和紙を手でちぎって斜めに貼り合わせ、緩やかな曲線を描く「道長取り」の継ぎ紙(和歌を書くための和紙工芸)に記されています。

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吹き抜けの壁紙は4室とも違う柄
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もちろん全室露天風呂付き

道長取りは、継ぎ紙だけでなく着物の柄にも用いられていたことから、吹き抜けのリビングの壁紙のデザインに着物が採用されています。部屋の作りは4室とも同じですが、この着物の柄などは各部屋でデザインが異なります。

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メゾネットタイプの客室
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和室も

リビングとベッドルームを上下階に分けたゆとりのある造りで、家族それぞれが思い思いの時間を過ごしながらも、一緒にくつろげる空間が広がります。

落ち着いた和モダンのインテリアに包まれた室内は、上質さと居心地のよさを兼ね備えたデザイン。小さな子ども連れのファミリーはもちろん、三世代旅行など複数人での滞在にも適した客室となっています。

2階からリビングをみおろすと、絨毯の柄がよく見えます。「牡丹」の絨毯は和歌にある「天の海」を表したデザイン。ほか3室もそれぞれ違ったイメージで1点ものとして作られています。

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寝室
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欄間にはそれぞれの客室の名前の花のデザインの透かし彫りが

寝室には、駿河竹千筋細工をモチーフにした照明や、竹に色のついた刺繍糸を巻き付けたベッドアートが。こちらのベッドアートは伊豆の海を表現しており、クッションとともに各客室でそれぞれ微妙に違った色合いになっています。客室の随所にみられる、職人の丁寧な手仕事を感じられるしつらえに心癒やされます。

ファミリーメゾネットは、牡丹と星の移ろいを基調にした「牡丹(ぼたん)」のほか、雲の波のようにしとやかな「藤袴(ふじばかま)」、月の光を思わせる温もりがある「木犀(もくせい)」、紺碧の空に降る星を表した「竜胆(りんどう)」の4室。

夜空を海や林に見立てた幻想的な情景をもとにした4室の異なる世界観を存分に楽しんで。

専用露天風呂で非日常を味わう「翠月ヴィラ」

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「翠月ヴィラ」入口

もうひとつの新客室「翠月ヴィラ」は、与謝蕪村の俳句「おのが葉に 月おぼろなり 竹の春」に着想を得て、月と竹を主題とした客室。こちらの俳句が持つ静謐でロマンティックなイメージをもとにデザインされた、「竹蘭」と「月見草」の全2室のみという特別なヴィラタイプです。

内装からアート、家具に至るまで統一された世界観のもと、俳句に詠まれた古典の情景を現代的に表現した2室です。

いずれも専用庭園を望む露天風呂を備え、豊かな自然を感じながら温泉を独占できる贅沢な空間が魅力。広々としたリビングやテラスも備えられ、時間の流れを忘れてゆったりと静かに過ごせます。

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翠月ヴィラ「竹蘭」

「竹蘭(ちくらん)」は、その名の通り竹のデザインが随所にみられる客室。欄間や絨毯、壁に飾られたアートなどが特徴的です。竹林をイメージした絨毯は、そのデザインを表現するのが実はとても難しかったのだそう。

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寝室
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露天風呂付き

ベッドの背後には竹が描かれた扇子が置かれており、こちらの扇子も竹林に見立てているそう。その上の壁には三日月の形をした灯りが。障子を左右に開いた庭先に竹林が広がり、その上から月光が降り注ぐという世界観を表現しています。

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「月見草」

続いて「月見草」へ。間取りは「竹蘭」と同じですが、配されているクッションや絨毯、欄間のデザインなどが異なります。

リビングに飾られた、糸と和紙で雲を表現したアートも印象的。よく見るとさりげなく雨の雫も施されていて、雲で月を隠して「朧なり」という俳句の世界観を表現しています。リビングの絨毯も「朧」を表現したデザイン。長椅子の脇にある小さなテーブルの脚の部分も、よく見ると三日月型になっています。

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外から見た「月見草」の様子

随所に配されたアートやデザインが、朧月と竹が織りなす静謐な情景を映し出す翠月ヴィラ。記念日や特別な旅行、大切な人との滞在など、上質なプライベート時間を求める方にふさわしい客室です。

日本庭園を望む東館1階客室も、坐漁荘らしい魅力が息づく

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東館1階客室

リニューアル客室だけでなく、これまで長く愛されてきた客室にも、坐漁荘ならではの魅力が息づいています。

東館1階の客室は、大きな窓越しに美しい日本庭園を眺められるのが魅力。四季折々に表情を変える景色を楽しみながら、静かに流れる時間を過ごせます。

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日本庭園を望む客室
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露天風呂も

数寄屋造りならではの落ち着いた設えと、自然との調和を大切にした空間は、老舗旅館ならではの風格を感じさせます。初めて坐漁荘を訪れる方にも、その魅力を存分に味わえる客室です。

今回宿泊したのは、水辺に佇むヴィラ客室

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ヴィラ客室入口

今回宿泊したのは、池のほとりに建つ水畔のヴィラ客室です。

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ヴィラ客室

客室へ一歩足を踏み入れると、窓いっぱいに広がる水景と緑が迎えてくれ、まるで自然の中に溶け込むような感覚に包まれます。

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寝室
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洗面台

広々としたリビングや落ち着いたベッドルームに加え、客室には温泉露天風呂も完備。湯に浸かりながら聞こえてくる鳥のさえずりや木々の葉擦れの音が、日常を忘れさせてくれます。

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バスアメニティ
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コーヒーやお茶も充実

バスアメニティはブルガリで統一されています。コーヒーやお茶などのドリンク類も充実。忙しない日常から離れてリラックスできる滞在を、より上質なものにしてくれます。

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露天風呂
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自然豊かなので庭先にリスが遊びにくることもあるそう

誰にも邪魔されないプライベートな空間で、好きな時間に温泉を楽しめることこそ、ヴィラ客室ならではの醍醐味。坐漁荘が大切にしてきた静寂と自然との一体感を、存分に味わえる滞在となりました。

伊豆の旬を一皿に映し出す「レストラン やまもも」のフレンチディナー

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フレンチレストラン やまもも

夕食は、フレンチレストラン「やまもも」にて。伊豆近海の魚介や地元野菜など、その土地ならではの旬の食材をふんだんに取り入れ、一皿ごとに季節感を繊細に表現した、フレンチのコースディナーです。

ワインとのペアリングを楽しめるのも魅力のひとつ。老舗旅館ならではの落ち着いた空気に包まれながら、本格フレンチを味わう時間は、滞在をより特別なものにしてくれます。

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くぬぎ鱒のタルタル 山葵 下田ブルー
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旬野菜

華やかな盛り付けとともに、素材本来のおいしさを引き出した料理が楽しめる「やまもも」。今回は、前菜から始まる9品のコースをいただきました。

アミューズブーシュとして、一口オードブルを2品いただいたあとは、静岡県富士宮市のブランドニジマスである「くぬぎ鱒」を使ったタルタルが登場。

生食するためには化学肥料を与えないといけないところ、化学肥料に頼らない自然由来の安全なやり方で育てているという「くぬぎ鱒」。そのおいしさをダイレクトに受け取れるタルタルには、地元・天城のわさびと、アマゴという川魚の魚卵がのせてあります。アローカナという鶏が産む、「下田ブルー」と呼ばれる卵の卵黄をからめていただくと、とろけるような舌触りで濃厚な旨味を感じられました。

さらに、駿河湾であがるアオリイカとサザエを使った一皿や、静岡生まれのアメーラトマトという糖度の高いトマトを主体とした三島の野菜たっぷりの遊び心あふれるサラダが続きます。

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鮎 浜納豆と野菜のメリメロ
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鮎の骨せんべい

魚料理には、鮎を三枚におろしてきのこから作ったデュクセル(ペースト状の万能調味料)をはさみ、パリッと焼き上げた一皿が登場。山芋やきゅうりといった夏野菜や、浜納豆という発酵食品を混ぜて作ったメリメロ(フランス語で“ごちゃまぜ”の意)と共にいただきます。鮎の上に添えられた山椒とパクチーがいいアクセントに。

鮎の骨で作ったというせんべいも。鮎をじっくりと揚げてしっかり乾燥させ、頭までバリっと食べられるよう仕上げられたせんべいは、鮎から作る魚醤で味付けしてあります。お酒のおつまみになるような味わいでした。

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天空の鹿 ビーツ

メインの肉料理は「天空の鹿」。山の標高の高いところにいる、身の締まったきれいな赤身が特徴の「天空の鹿」をやさしく火入れした一品です。付け合わせには、グリルしたビーツと、ビーツに少しマスタードを加えたさっぱりした味わいのソース、ビーツにマッシュルームを発酵させて作ったうま味調味料をあわせたオイル系ソース。それぞれとあわせて“味変”しながら楽しめました。

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ジャスミンのムースとライチのソルベ
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食後のハーブティーとパウンドケーキ

デザートは「日本酒と日本薄荷のソルベ」と「ジャスミンのムースとライチのソルベ」。藤枝の杉井酒造の日本酒を使ったさわやかなソルベと、客室にある竹細工をイメージしたメレンゲに囲まれた美しいライチのソルベは、お腹いっぱいでもすっきりといただけました。

最後に、食後のハーブティーと共に登場したのは「癒しの菊芋パウンドケーキ」。坐漁荘のオンラインショップでも販売されているスイーツで、やさしい甘さが締めにぴったりでした。


歴史ある温泉旅館として培ってきた趣はそのままに、新たな客室の誕生によって、より多彩な滞在が叶うリゾートへと進化した「ABBA RESORTS IZU - 坐漁荘」。

家族旅行から夫婦での記念日、大切な人との特別な時間まで、それぞれの旅のスタイルに寄り添う客室が揃い、訪れるたびに新たな魅力と出合える一軒です。伊豆の豊かな自然と美食、そして上質な静けさに包まれる贅沢な時間を求める方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
小林麻美