日本全国に温泉宿は数多あれど、情報の海のなかから本当に満足度の高い一軒を見つけ出すのは至難の業。そこで、本連載では、国内外の温泉を巡りその神髄を知り尽くした温泉ジャーナリスト・植竹深雪さんに、自ら足を運び五感で確かめた上質な宿をピックアップしてもらいました。
極上の湯に癒されるのはもちろん、その土地ならではの美食やホスピタリティで心ゆくまでリフレッシュしたい! そんな大人の女性のニーズに応える至福の旅をナビゲートします。今回ご紹介するのは群馬県・草津温泉の「界 草津」です。

公式サイト
2つの源泉を入り比べ!静謐な高台で日本屈指の酸性泉を満喫
温泉街の喧騒から一線を画す、草津白根山の麓の高台に佇む「界 草津」は、2026年6月に開業したばかり。木立に囲まれた敷地内には野鳥の声が優しく響き、木漏れ日が揺れ、非日常の穏やかな時間を過ごすことができます。
温泉は、万代鉱源泉と西の河原源泉の2本を使用。大浴場の内湯には大きめ1つ、小さめ2つの合計3つの浴槽が設けられ、草津温泉の2本の源泉の湯巡り気分を楽しめます。
「万代鉱源泉と西の河原源泉はどちらも酸性泉ですが、浴感や湯温は微妙に異なります。万代鉱源泉は湧いた瞬間は約95度の熱湯で、草津のなかで最も酸性度が強いとされる湯。それに対し、西の河原源泉は約49度で比較的肌当たりがやわらかいといわれています。内湯の3つの浴槽で、その2つの源泉の入り比べができるのがユニークです。
広々とした大きめの浴槽を満たすのは万代鉱源泉。浴槽では43度ほどのやや熱めで、湯上りにピリッとした刺激が感じられます。一方、小さめの2つの浴槽にはそれぞれ万代鉱源泉と西の河原源泉が引かれて湯温は約38度。もともと高温の源泉を湯量の調整や加水によって、心地よいぬる湯に冷ましています。そうしたこだわりの湯遣いの賜で、万代鉱源泉と西の河原源泉それぞれの魅力をじっくり味わい尽くすことができました」(植竹さん)
「内湯はガラス窓から柔らかな日差しが差し込む開放的な空間で、立ち込める湯煙と湯面がキラキラ輝く様子が幻想的。露天風呂では、高原の涼やかな風を感じながら万代鉱の湯に浸かれるのが至福です。ひとつの大浴場で湯巡り気分を味わえ、草津の湯の恵みを十二分に満喫できるのは、贅沢でかけがけのない体験だと思います」(植竹さん)
館内では、草津温泉の魅力を紐解くプログラム「温泉文化いろは」を毎日開催。湯守が草津温泉の歴史や泉質、効果的な入浴法などをわかりやすくレクチャーします。また、草津の湯の強酸性を視覚的にとらえられるユニークな実験も。錆びた金属を温泉の湯につけると10分ほどで錆がみるみる落ちるのを目の前で見ることできます。
さらに、地域の文化を体験できるプログラム「ご当地楽」では、群馬県の絹産業にちなんだ「シルクを紡ぐ上州座繰り」を実施。木製の座繰り機を使って繭から糸を挽き、できた糸はタッセルにして思い出に残すことができます。
そして、「界 草津」の大きな特徴のひとつは、敷地内に設けられた宿泊者専用のトンネル。約80メートルのトンネルを介して、閑静な湯宿と活気溢れる草津の街という2つの異なる世界を自由に行き来できるのが斬新だと植竹さんは話します。
「館内で充実した時間を過ごすだけでなく、宿泊者専用のトンネルをくぐり抜けて温泉街に気軽に繰り出せるのも『界 草津』の醍醐味。トンネルの前後で表情がガラリと変わる草津に出合えるのは唯一無二の体験です。
オリジナルの浴衣を身にまとって街をそぞろ歩きし、レトロさとトレンドが融合する温泉地の風情を満喫したあとは、再びトンネルを抜けて静謐な世界へ。街の賑わいと宿の穏やかな時間のコントラストを楽しみながら、温泉三昧できるのが格別でした」(植竹さん)
歴史文化をデザイン!洗練された2つの食事処で味わう旬の美食
湯上がりの寛ぎをクラスアップするのは、群馬の食文化と歴史をエレガントに昇華させた美食の数々。「界」ブランド初となる2つの食事処を備えており、滞在スタイルに応じて選択できる趣向が凝らされています。
メインダイニングでいただける「上州豊伝会席」は、群馬の名産品や郷土文化を目と舌で体感できる工夫が満載。名物「湯もみ」に見立てた湯もみ板でリエットをかき混ぜる先付けをはじめ、「上毛かるた」をあしらった華やかな器で登場する宝楽盛り、養蚕文化から着想を得た「繭玉のムース」など、日本の美意識と遊び心が凝縮されています。
一方、トンネルを抜けた西の河原公園のほとりには「蕎麦割烹 SAI(サイ)」が佇みます。地粉を使用した粗挽きの十割蕎麦を、鰹・昆布・干し椎茸からだしを引いた風味豊かな三段つゆで味わう本格派。地酒やクラフトビール、ナチュラルワインも豊富に揃い、四季折々の緑を眺めながら静かにお酒と蕎麦を嗜む、上質な大人時間を演出してくれます。
以上、「界 草津」をご紹介しました。館内の大浴場で2種類の源泉の入り比べをし、さらにトンネルを抜けて温泉街でも湯巡りする。そんな草津の魅力にどっぷりひたりたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 界 草津
- 住所/ 群馬県吾妻郡草津町大字草津字白根464-690
客室数/全94室
料金/朝夕2食付き 2名1室1名 ¥46,000~(税込) - TEL:050-3134-8092
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)

















