1995年7月に発売されて以来、女子高生の間で一大ムーブメントを起こした「プリント倶楽部」。ゲームセンターに立ち寄り、撮ったプリントシールをハサミで切り分けてシェアしていた方も多いのではないでしょうか?

メインユーザーの女子高生に向けて、'90年代から可愛く写すことを重視してきたプリントシール機ですが「可愛い」の定義は、その時代の女の子のトレンドと共に、変わっています。スタンプや落書き機能、顔の補正機能などを使い、その時代の女子高生の思う「可愛い」を実現し、今も進化を続けています。

そこで今回はフリューの広報・白石夏海さんに教えていただいた、大人の知らない「プリントシール機の現在」についてご紹介。「盛る」ための工夫やプリのSNS投稿実情など、女子高生たちのこだわりは、大人も顔負けかもしれません。

現在はゲームセンターへの設置だけでなく、ファッションビルなどで展開しているそう

■「くっきり系」&「ふんわり系」。女子高生の「可愛い」の審美眼

「ふんわり」盛れる仕上がり、2018年3月8日発売の新機種『SALON AIR2』

2000年代以降のギャル全盛期は浜崎あゆみさんや益若つばささんなど、カリスマの存在がファッションやメイクの流行を左右していましたが、現在はタレント、モデル、インスタグラマーと女子高生の憧れの存在もさまざま。好みも原宿系、渋谷系、モード系など、多岐に分かれています。フリューのプリントシール機は、そんな好みのバリエーションに応えるために写りを多種多様に用意しているそう。大きく分けると、ふたつのトレンドがあると白石さんは言います。

「ひとつは、輪郭線がシャープで肌のツヤ感が目立つ『くっきり系』、もうひとつは全体的にベールがかかっているようなフワッと見える『ふんわり系』です。『くっきり系』や『ふんわり系』の中でも、それぞれの機種で微妙に顔の丸みや、髪の毛のツヤ感、目の大きさなどが違います」

左・「くっきり系」、右・「ふんわり系」

例えば、目を大きく見せる補正機能ひとつをとっても、目尻のラインを伸ばして大きくするか、瞳の真ん中の縦幅を大きくするか、全体的に大きくするかで顔の印象が違ってくるそうです。また、アイラインを目立たせることで目を大きく見せている機種もあれば、実際に目の中心部分を下げて大きくしている機種もあるのだとか。

同じ「くっきり系」でも髪のツヤ、瞳の縦横幅、ノウズシャドウの入り方などが違います。
「ふんわり系」のプリ3種類。

とはいえ、上の写真を見て「どれも同じに見える…」と思う方もいるはず。こういった一見同じように見えるものでも、その細かな雰囲気の違いを女の子たちは見極め、自分の好きな写りのプリを選んでいるそうです。

■「盛れている」プリは変顔とセット。SNS暗黙のルールとは?

コーディネート写真を撮る女の子のトレンドに合わせ、全身を可愛く残すという提案をした2009年発売『Lumi』

以前は、ハサミで切り分けて友達と分け合っていたプリントシール。現在は、プリ画をデータで共有し合い、それを自分のSNSアカウントで投稿するのが主流です。女の子たちは、SNS投稿で少し変わった工夫をしているようで…。

「SNSでプリの画像を共有するときには、盛れて可愛く撮れたものと変顔はセット。例えば、インスタグラムの投稿では最初の一枚目に持ってくるのは盛れている(※1)方、画面をスライドした2枚目に変顔を載せるんです。盛れているプリだけアップすると『ぶりっ子』と思われてしまう可能性がありますから。可愛く見せる=『盛れているプリ』と、みんなに愛される=『変顔のプリ』を投稿することで、可愛いと思われることとみんなの好感を得ること、両方を実現するために女の子たちは工夫しているんです」

※1:「盛れる」とは自分の中で最もポテンシャルの高い、理想的な状態に補正・加工すること。

女子高生の「可愛い」の理想形が、SNSで不特定対数の人から評価されるようになり、プリの楽しみ方も変化しています。例えば、女子高生は撮影したプリ画にあえてスタンプや文字などの落書きをしないこともあるそう。これはインスタグラムに投稿するために、帰ってからスマホアプリで自分好みに細かく加工するから。二次加工をするこだわり派の子はアレンジをしたプリをインスタに投稿しているのだとか。一方ツイッターではネタ系の面白いプリを載せるという傾向があるそうです。

■プリ機は1機240万円。個人宅に設置はできる?

“理想の盛れ感”を追求したプリ機『winc3(ウィンク3)』(9月6日発売予定)

さて、Instagramで「#プリクラ」を検索してみると、プリは女子高生にとって定番人気の楽しみな模様。きっと好きが高じてプリントシール機を自宅に設置したいと考える方もいるかもしれません。プリの個人宅への設置について伺うと「プリ機を置きたいという人はいる」とのこと。

「プリントシール機を自宅に置きたい、購入したいと言ってくださる個人のお客さまはいらっしゃいます。ですが、現在弊社ではプリ機の個人のお客様への販売は行っておらず、アミューズメント施設様などに向けたBtoBtoCの販売形態を取らせていただいております」

プリントシール機1台の販売価格は税抜き240万円。機能を考えると、意外にも低価格ではないでしょうか。

■女子高生たちとの共通点も見つかる?大人がうまく撮るコツとは?

外装自体もインスタ映えするデザイン。2018年6月発売の『PINKPINKMONSTER』

長らくプリを撮っていない大人からすると、女子高生の流行は「まったくわからない」と思う方もいるのでは? ただ、そんな女子高生たちとの共通点もプリで見つけられるかもしれません。最後に久しぶりに大人の女性がプリントシール機に挑戦する際に、可愛く撮るためのコツをふたつ教えていただきました。

■1:恥ずかしがって後ろに下がらないこと

「後ろに下がると照明が当たりにくくなって顔が暗くなり、ほうれい線などにも影が出ます。最新機種には、撮影するブースの床に立ち位置がマークされた機種が多いのでそこに立つようにしてみてください」

■2:カメラをしっかり見ること

「自分の顔を確認するライブビューモニターがカメラの下についているのですが、慌てている間にそのモニターを見たままシャッターがおりてしまうことが多いんです。ガイダンスで必要なことを全部言ってくれているので、次に何をしたらいいのかも分かるようになっています。カウントが始まったらカメラを見るようにすれば、目線がずれることがないと思います」

欲張りな女の子に愛されてきたプリントシール機。ブースに入ってはしゃぎながら撮影することも魅力のひとつです。ゲームセンターに行くのは抵抗がある方も、久しぶりに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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WRITING :
石水典子
EDIT :
高橋優海(東京通信社)
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