世界で最も有名な家具見本市、「ミラノサローネ」が開かれるイタリア・ミラノの街。パリ、ニューヨークと並ぶファッションの発信地として有名ですが、インテリアでもほかの都市に追随を許さないくらい、いちばんのトレンドを生み出しているのがミラノなのです。

そんなミラノで「インテリアで話題のホテルがある」と聞いたら、泊まってみたくなるのがインテリア・エディターというもの。そのホテルの名は「HOTEL VIU MILAN(ホテル ヴィウ ミラン)」。ニコラ・ガリツィアが内装デザインを手がけ、Molteni&C(モルテーニ)が家具を手がけた、シックでモダンなインテリアのホテルです。

屋上スイミングプール
ロビーに座るエディターD

本記事では「ホテル ヴィヴ ミラン」の外観、内観、ロビーやレストラン、厨房、プールサイド、スパ、部屋の内観、アメニティ、宿泊した感想などをまとめています。

ミラノ唯一の屋上プールから、360度のパノラマの景色を望む「ホテル ヴィウ ミラン」

ファッション好きの大人の女性のなかには、旅行やお仕事でミラノに訪れたことがある、という方もいらっしゃるのではないでしょうか? 今度行くなら、宿泊するホテルを、イタリアならではのおしゃれなインテリアで選んでみてはいかがでしょうか?

屋上スイミングプール
宿泊者だけが入れる、ミラノの唯一の屋上スイミングプール。街のスカイラインを一望できます。

2017年3月にオープンした「HOTEL VIU MILAN(ホテル ヴィウ ミラン)は、新しく開発された金融街と中心市街地のちょうど中間に位置する注目のエリア、ポルタ・ヴォルタ地区にある5つ星ホテルです。

有名なセンピオーネ公園からも、おしゃれなコルソ・コモ地区からも徒歩10分。市内各地への地下鉄でのアクセスも良好で、最寄りの地下鉄の駅「モニュメンターレ駅」までわずか200m。ドゥオモ(大聖堂)へもトラムで簡単に行くことができます。10のカテゴリーに分けられた9階建て、124室の客室。お部屋の広さは、26〜110㎡。宿泊費の目安は、¥31,000〜¥349,000(スタンダード ルームの平均価格に基づきます)。屋上プール、スパセンター、サウナ、フィットネスセンターを併設しています。

※ミラノサローネやミラノコレクションが開催される時期は価格が高騰します
大理石テーブルに置かれたピンクの花
ダークウッドな床に、スチール脚の大理石テーブル。折れ戸のような壁の向こうにはエレベーターがあります。
椅子に座るホテルスタッフ
出かけるたびに褒めてくれるフレンドリーなスタッフさんもホテルの質を上げていました。後ろのアートは客室でも使われています。

「モルテーニ」の特注家具がつくり出すラグジュアリーな空間

ホテルの内装デザインは、ミラノで活動するデザイナーのニコラ・ガリツィアによるもの。ロビー、バー、レストランをはじめとする共用部と、スイートルームを含めた客室の家具は、すべてイタリアの最高峰ブランド「モルテーニ」の製品および特注製品を採用しています。

また、張地にはヴェネチアで100年以上もの歴史を持つテキスタイルの老舗ブランドである「ルベリ」を用いるなど、すべてにイタリア製の最高級のものを選んでいます。

グレージュのラグの敷かれたホテルの一室
明るいグレージュのラグが敷かれたダークウッドの床。ラグと同色のスツールやローテーブルにフレッシュなグリーンのベルベット効かせたジオ・ポンティによる「D154.2」。※ホテル ヴィウ ミラン提供写真
大きな窓があるホテルのロビー
自然光が降り注ぐロビー。見知らぬ人と同席しても気まずくならないコーナーづくりがよく考えられています。 壁の向こうにレストランがあります。※ホテル ヴィウ ミラン提供写真

インテリアだけでなく「食」でも人気のあるホテル ヴィウ ミラン

1Fには星付きシェフ、ジャンカルロ・モレッリが手がけるバール・ビストロ「BULK」、レストラン「MORELLI(モレッリ)」があります。郷土料理や各国料理を楽しめ、観光客はもちろん地元の方も集まる新たな人気スポットとなっているらしく、毎晩とても賑わっていました。

ホテル内のレストランの内装
デザインウィークの時期だったこともあるかもしれませんが、客層は業界関係者っぽい若者が多かったのが印象的でした。※ホテル ヴィウ ミラン提供写真
カントリーキッチンスタイルのレストランの様子
14名だけが利用できる人気のキッチン内のシェフズテーブルは、シェフ自ら手がけた昔ながらの温かいカントリーキッチンスタイル ※ホテル ヴィウ ミラン提供写真

すべての素材の肌触りがいい!ラグジュアリーなサービスを五感で満喫

スパホテルなので、客室階のエレベーターからしかアクセスできない屋上プールやスパ施設には、バスローブで移動できます。バスローブは、私には大きめでしたが、重すぎず肌触りの良さは抜群でした。宿泊者だけが入れる「屋上プール」「スパ」だからこそ、バスローブでも安心して移動できます。

プールサイドには木製、スパ内にはメッシュ素材の寝椅子がそれぞれ置かれていましたが、どちらも肌に跡のつかない仕上げになっていて(女性には重要なポイントですよね)安心して寛ぐことができました。もちろん寝心地も抜群でした。

テーブルの上に並べられた軽食
温水なので4月でしたが泳げました。日が長く、プールサイドでのアペリティーボは最高の贅沢でした
スパに向かう女性
スパ施設は23時まで。シックなブラック&グレーの抑えたトーンにまとめられたインテリア。ここは男女共用なので、水着を忘れずに!
プールサイドにあるテラス
朝食をいただけるプールサイドの「テラス」。好きな席に座って、温かいメニュー、食後のコーヒーやお茶をテーブルでオーダーできます。近くのモニュメンターレから鐘の音が聞こえてきます。 ※ホテル ヴィウ ミラン提供写真
朝食のジャムや調味料
それぞれのテーブルに置かれた朝食のジャムや調味料も豊富で楽しい
いろいろなベリーが添えられたワッフル
ワッフルはサクサクで生クリームがとっても濃いお味でした。写真は撮り損ないましたが中身が選べる具沢山のオムレツもおすすめです。

ホテル ヴィウ ミランの客室で過ごして感じる「最高級品の心地よさ」

スイートルーム
バスタブが窓辺に置かれたスイートルームも

さて、お待ちかねの客室をご紹介します。客室は、受賞歴のあるデザイナーのニコラ・ガリツィアによって手掛けられ、スイートルームを含めた客室の家具はすべてモルテーニ製品、および特注製品を採用しています。

モルテーニの家具が置かれた部屋
家具はモルテーニ。生地は1858年ヴェネチアで創設された最高級ファブリックメーカー「ルベリ」の特注品を使用

ミラノサローネでも長蛇の列をつくっていた人気ブランド「モルテーニ」。モルテーニは金具まで自社開発するギャラリーのような収納家具や、名作の忠実な復刻で有名なブランドです。素材のよさや、こだわりのディテールが集結してつくり出す心地よさは、使ってこそふとしたときに気がつく、贅沢なものです。

洗練されたインテリアの部屋
スマート機器とインテリアの関係が洗練されていて新しいのも特徴
朝日が差し込んだ部屋
朝日がつくる「くったり」した影も美しい、座り心地のいいソファー。ロビーと同じ作家のアートも

電子機器のなじませ方が秀逸なホテル ヴィウ ミランの客室

現代のライフスタイルでは欠かせない電子機器類も、隠すのではなく質感にこだわることでインテリアに馴染ませていたのが印象に残りました。洗練された操作板は、銅やスチールの冷たい質感とともに、温かみのある木質壁をシックに飾っていました。

iPhoneを充電しながら動画を見るのは、クラッシックなホテルではなかなかできないエンターテインメント。若い富裕層や、ビジネス利用の客層がいたのも納得できる設備内容でした。

おしゃれなベッドサイド
ベッドサイドでスムーズに全ての電子機器を操作・充電できる。やわらかなパディングとの対比が小気味良い
スタイリッシュなコンセントとスイッチ
ブラックガラスにマットなグレーで書かれた文字は見やすかったです。照明の位置もよく考えられていました
おしゃれなインテリアの部屋
壁の質感や直線的な家具、素材感のある銅の照明等で黒い大画面もインテリアに馴染んでいました

スパホテルならでは、極上品が詰まったバスルーム

ブラックベージュの大理石の洗面ボウルが印象的なバスルーム。充実のアメニティーはNYの人気ブランド「マリン・ゴッツ」の特注品。質が高く、特にアフターバスのジェルの香りは男性にもおすすめできる、癖のない柑橘系で、歩き回って疲れた体をしっとりと包んでくれました。もちろん屋上プールで泳いだ水着やバスローブを乾かすタオルウォーマーも完備されていました。

黒が基調のバスルーム
全室にバスタブがあるのがうれしい。写真奥にアメニティーが見えています
充実のアメニティグッズ
NYの人気ブランド「マリン・ゴッツ」のシャンプー、トリートメント、シナモンのスクラブ入りボディーソープ、全身用ビタミン保湿液 固形石鹸

問い合わせ先

ホテル ヴィウ ミランのインテリアコーディネートは、モルテーニ東京で実現できます。

問い合わせ先

  • 営業時間/11:00〜19:00  水曜・祝日定休
  • TEL:03-3400-3322
  • 住所/東京都港区南青山6−4−6Almost Blue B棟1F
この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM
WRITING :
土橋陽子