世の中には、まるでお金に愛されているように、お金が自然と集まってくるタイプの人がいますよね。そうなりたいと思ったら、一体どうすればいいのでしょうか? 実は、人間の器ならぬお金の器が大きくすることが必須。そしてそのために、お金持ち独特の価値観を理解し、取り入れる必要があります。
会社の経営者や医師、芸能人など著名人が多く利用する高級フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」を経営し、富裕層の行動様式などをテーマに情報発信も行う黒坂岳央さんは、「お金持ちの方はとにかく共通して、投資マインドを持っています」といいます。
そもそもの「お金の使い方」は、支払うお金と等価値のモノやサービスを買う消費、支払うお金以下の価値のモノを買う浪費、未来の価値を見越してモノを買う投資、の3つに大別されます。
そのなかで、お金持ちと呼ばれる人々は、そのうち投資に圧倒的にお金を使っているというのです。
「お金持ちは、消費や浪費には驚くほど興味を持ちません。とくに浪費は、年収1億円を超える資産家の方でも月1万円以下、という話もよく聞きます。彼らはとにかく、無駄なものは買いません。その一方で、自己投資や情報への投資は惜しまないのです」(黒坂さん)
自己投資はステップアップのため資格の学校に通ったり、留学したりといった未来の自分自身への投資、情報への投資はコンサルティングなどがよい例です。お金持ちの人々は、みな共通してこうした投資を積極的に行っているといいます。これが投資マインドです。
ただ、未来の価値にお金をかけろと言われても、なかなかピンとこないですよね。そこで今回は、黒坂さんから誰でも簡単にできることを教えていただきました。お金の器を広げるために、さっそく習慣にしていきましょう。
お金持ちがやっている「お金の器の広げ方」5選
■1:苦痛をいとわず格上の人と付き合う
ビジネスで成功するためには、人間関係が欠かせないですよね。自分より先に成功している人とのコネクションは、重要な武器になり得るもの。実際、黒坂さんも「お金持ち同士で付き合うという傾向は間違いなくあります」と断言。ただし、「『お金持ちと関係をつくることはタダ』だと思ってはいけません」とも言います。
「成功者と一緒にピース写真を撮ることが目的になっている人は、成功しません。成功する人は、自分よりも先に成功した人々の行動習慣や考え方、マインドを学ぼうとします。
最初は考え方のレベルやスケールが違いすぎて、恥ずかしさや苦手意識、苦痛を感じることもあるかもしれません。彼らの話についていくためには、自分のレベルを上げないといけない。マインドを学ぼうと思っていないと、その苦痛に耐えることができないんです」(黒坂さん)
その努力も含めて、タダだと思ってはいけないのです。成功者は、たゆまぬ向上心を持っています。苦痛を乗り越えて手に入れる自分自身の成長には、お金では買えない価値があるのです。
■2:手土産に気を配る
お中元やお歳暮、手土産がさほど重視されなくなっている現代ですが、お金持ちはそういった細やかな心遣いを忘れません。相手だけでなく、その奥さんや家族へのお土産を用意するなど、配慮も細やか。
そうした手土産を受け取った相手は、家庭内でも「素晴らしい方とお付き合いしているのね」と喜ばれ、それが巡り巡って一段階深い信用へとつながっていく――このことを、とてもよく理解しているのです。
黒坂さんは、「お金持ちは人の心をつかむことに繊細ですし、よく勉強されています。細かいところに気を遣っていると感じます」といいます。
心を込めて、相手を思って選ぶ手土産は、「あなたを大事に思っている」という信頼のメッセージになります。金額ではなく、相手の好きなものを選んだり、相手の家族が喜ぶものを想像したり、そうした細やかな手土産選びも、お金持ち体質になるためのよい習慣です。
■3:資産(財布の中身)を100円単位で完璧に把握する
お金持ちに共通しているのが、この習慣だそうです。黒坂さんによると、「みなさん、驚くほど把握しています。『今、財布にどれぐらいあるか』と聞いたら、100円単位で答えられると思いますよ」とのこと。
なぜかといえば、お金持ちは突発的な出費はまったくしないから。必要だから買う、という点が一貫していて、「安いから」と予定外の物を買うことは皆無。逆に価格が2倍でも、迷うことはありません。
「今、財布にいくらあるか答えられない人は、なんとなくお金を使っているのかもしれません。買うつもりはなかったけど半額だったから買う、といった行動が続くと、財布の中身がわからなくなっていくのだと思います」(黒坂さん)
「安いから買う」は賢い買い物のように見えますが、そのせいで買う必要のないものまでかごに入れてしまうと、それは「浪費」です。今、自分の財布にいくら入っているのかわからない、という人は、「安いから」という理由で不要のものを買っていないか、振り返ってみるとよいでしょう。
■4:お金に関する感覚を研ぎ澄ませる
数字に強くなる努力をして、お金に関する感覚を研ぎ澄ませること。これも重要な要素のひとつです。なぜかというと、投資マインドを持っている人は、期待値を目安に投資をするから。
投資における期待値とは、投じたお金に対して戻ってくる「見込み」の金額を表したもの。期待値の高いものへの投資を続けていくと、回数を重ねるほど標準偏差が高くなり、いわゆる勝つほうに進んでいくと言います。
少し難しい話ですが、要するにお金持ちは、そのモノにお金を投じるだけの価値があるかどうかの判断が、非常にシビアで合理的だということ。この感覚は、経験から身につけていくことが十分可能です。どんなに数字が得意ではなくても、自分のお金のことなら苦手意識は少ないはず。
「ビジネスでは驚くほど冷徹な判断を下される方でも、リフレッシュするときには驚くほどお金を使ったりもしています。お金の使い方にメリハリがあるのも、お金持ちの特徴かもしれませんね」(黒坂さん)
前項の「財布の中身を把握している」も含めて、まずはお金に関する感覚を研ぎ澄ますことが、お金持ち体質への第一歩のようです。
■5:モチベーションを高めるためにお金を使う
最後は、お金の使い方。黒坂さんは、「お金持ちは、目標の設定の仕方が普通の人とまったく違います」といいます。目標設定といえば、「今年は英会話を始めよう」「夏までに5キロやせよう」「このビジネススキルを身につけよう」など、やるべきことを挙げる方法が一般的。
ですが、お金持ちの場合、もう一段先に目標を設定します。
「たとえば『1年に1回モルディブに行って豪遊する』という目標を設定して、それまでに何が何でもこのビジネスを仕上げるぞ、という自分自身のモチベーションに利用するんです。これも、自分自身への投資といえます。お金持ちは自分の感情の高ぶらせ方をよく知っていて、そのためにお金を使うんです」(黒坂さん)
毎年目標を立てるのにどうしてもうまくいかないという人は、モチベーションを高めるごほうびを目標に設定して、再チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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投資マインドの実践はハードルが高くても、このなかのどれかならできるはず。ピンときたものから取り入れると、徐々にお金に対する意識が変わっていくのが感じられるはずです。少しずつお金の器を広げて、お金持ちの仲間入りしましょう。
フルーツギフトショップ・水菓子 肥後庵
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- よりみちこ