夏はお庭やテラスなどで行うともっと楽しくなるホームパーティー。そんなホームパーティー、いざ参加するとなったら最高に盛り上がって、全員が「参加してよかった!」と思える場にしたいものですよね。

そこで今回は、ホームパーティーのゲストとしてのふるまいについて、パーティーのプロであるパーティースタイリストの久林紘子さんにアドバイスいただきました!

まずは基本を押さえよう!ゲストの愛されマナー6つ

まずはゲストとしての基本マナーをチェック!

■1:手土産持参は必須!

手土産は、感謝の言葉とともにさりげなく渡す
手土産は、感謝の言葉とともにさりげなく渡す

「手土産は到着早々、『お招きいただきありがとうございます』などの感謝の言葉とともにさりげなく渡すのがスマート。また、ホームパーティーで必要なデザート、パン、ドリンクなどを持参したほうが良いか事前にホストに確認しておくと良いでしょう」(久林さん)

■2:Fashionably Late(ファッショナブリーレイト)を心がける

パーティーの開催時間には、少し遅れて行くのがスマート
パーティーの開催時間には、少し遅れて行くのがスマート

「アメリカではファッショナブリーレイトという言葉が存在するくらい、パーティーの開催時間に少し遅れて行くことは、招待する側の準備を考えて当然と考えられています。ホストとの間柄にもよりますが、これも愛されマナーです。ホストはギリギリまで掃除やおもてなし準備に追われているため、少しだけ遅れて来てもらえるとホッとするものです。『何か駅で買っていくものはありますか?』『あと5分くらいで着きます』などメールを入れてあげるのも気遣いのひとつ。とはいえ大幅な遅刻は、乾杯や料理の段取りを狂わせてしまうこともあり、ご法度。遅れるのはせいぜい5~10分くらいまでにしましょう」(久林さん)

■3:TPOをわきまえた服装を

素足の場合はソックスやストッキングなどを持参しましょう
素足の場合はソックスやストッキングなどを持参しましょう

「服装については後ほど詳しくご説明しますが、基本はTPOをわきまえること。また素足の場合はソックスやストッキングなどを必ず持参するようにしましょう」(久林さん)

■4:お開きのタイミングを気遣う

ホストはゲストが帰った後の片付けもあるので気を遣いましょう
ホストはゲストが帰った後の片付けもあるので気を遣いましょう

「楽しいからといってズルズルと遅くまでいるのはマナー違反。ホストはゲストが帰った後の片付けもあるので気を遣いましょう。ホストから『お開き』は言い出しにくいもの。片付けの時間になったら手伝い、テーブルを整えつつお開きの雰囲気か提案・確認します。まだまだパーティーが続くようであれば、一度みんなで洗い物などを終わらせてから飲み直すようにすると、ホストも後々の片付けのことを心配せずにリラックスして一緒に楽しめます」(久林さん)

■5:写真をSNSに載せる際は確認を

「パーティーの様子をSNS投稿したい気持ちはわかりますが、個人宅で撮影した写真をSNSへ投稿されたくない人もいます。『写真を撮ってもいいですか?』『SNSに投稿してもいいですか?』と必ず確認を。またスマートフォンで撮影すると位置情報が写真に情報として付加されてしまうことがあるため、絶対にないように気をつけましょう」(久林さん)

■6:会費制を提案する

会費制を提案し、少額であってもゲスト同士で負担するのが今後の関係のためにもおすすめ
会費制を提案し、少額であってもゲスト同士で負担するのが今後の関係のためにもおすすめ

「ホストから言い出しにくいのが会費制。一般的にゲストから特に費用は支払わず、手土産や持ち寄りなどでまかない、ふるまわれる食事代はホストが負担するものですが、人数が多いと材料費も多くかかります。ホストとの関係性にもよりますが、友人同士であれば帰り際に会費制を提案するのも気遣いが感じられて良いですね。少額であってもゲスト同士で負担するのが今後の関係のためにもおすすめです」(久林さん)

手土産は手づくり・購入どっちがいいの?

手土産は手づくり・購入どっちがいいの?
手土産は手づくり・購入どっちがいいの?

ホームパーティーといえば、手土産。手づくりか購入かは迷いどころです。久林さんは手土産について次のようにアドバイスします。

まずは必要なものをホストに確認!

「先ほどもお伝えしましたが、まずホストに何が必要か確認を。デザート担当、パン担当、ドリンク担当など割り振られて持ち寄り(ポットラック)になることもあります。ホスト側が全体を見て決めることなので、事前にこちらから聞く気遣いが大切です」(久林さん)

持ち寄りになり、手づくり・購入どちらでも良いと言われたら?

「持ち寄りスタイルになり、手づくりでも買ったものでもどちらでもいいとホストから言われた際は、手づくりでもかまいませんが、全体とのバランスを意識したメニュー内容、ホストの手間を取らないようにお皿やココットにあらかじめ乗せて行くなどの配慮が必要です。手づくりも購入するものも、ホストが喜んでいただけるかどうかを第一基準に考えましょう」(久林さん)

手ぶらで来てと言われたら?

「もしホストから『何も持ってこなくていい、手ぶらで来て』と言われた際は、買ったもののほうがベター。手づくりは、パーティーのフードの全体のバランス、流れを壊してしまう可能性があります。また、ホストの手料理よりも評価が高くなると、ホストの顔を潰してしまう可能性も。パーティー当日にみんなで食べたり飲んだりもでき、余っても、後日ホストに喜んでもらえるような、個別包装のものや日持ちのするワインやドリンク、生ハムなどの加工品、チーズやナッツ、スイーツなどを購入して持っていくのがおすすめです」(久林さん)

手土産・持ち寄りの品を選ぶポイント

手土産・持ち寄りの品を選ぶポイント
手土産・持ち寄りの品を選ぶポイント

そこで久林さんに、手土産や持ち寄りのときのコツを教えていただきました。

手づくりの場合

「ホストの手間を取らせないことが重要です。例えば、その場で新たにカットしなければいけない、またはお皿を必要とするものは避けます。そのためには取り分けの要らないフィンガーフードや、冷めてもおいしいパテやマリネなどの冷菜などが良いでしょう。テーブルコーディネートの世界観を壊さないように、なるべく白、無地などシンプルな器が良いでしょう」(久林さん)

購入する場合

「ホストからどんなものが良いか伝えられてない場合は、前菜やパン、スイーツなどのうち、どれが良いか事前にホストに聞いてみると良いでしょう。他のゲストが持参するものが決まっている場合もあるのでバッティングしないように聞いておくのも良いですね。話題のお店などで購入すればパーティーの会話が盛り上がり、非日常感も楽しめるのでおすすめ。バゲットはベーカリーでカットしてくれるところも多いので、直前に購入&カットしてもらうと良いですね」(久林さん)

手づくり・購入どちらか決めかねる場合は?

「フラワーアレンジメントもおすすめです。フランスではホームパーティーに呼ばれた際はワインやデザート、花を持参します。花束ですと、すぐ水につけなければいけないとホストの手間をとらせてしまったり、花瓶がお宅になかったりすることもありますので、生花のフラワーアレンジメントがおすすめです。お花があるだけで空間が華やかになりますのでホストが好きそうな花、色を選んでみてください」(久林さん)

ホームパーティーで気をつけるべき、4つのファッションマナー

ホームパーティーで気をつけるべき、4つのファッションマナー
ホームパーティーで気をつけるべき、4つのファッションマナー

続いて、気になるのがファッション。ホームパーティーにふさわしいファッションマナーを教えていただきました。

■1:コンセプト・テーマに合わせる

「パーティーのコンセプト・テーマが決まっていれば、それに沿ったドレスコードを。わからなければホストに尋ねましょう。もしパーティーのテーマカラーなどがある場合は、それを用いたファッションにすると、パーティーの統一感も出て華やかになると思います」(久林さん)

■2:お手伝いができる服装・エプロン持参

「いつでもキッチンでお手伝いや取り分けができるようなファッションにしましょう。例えば袖が広がっているもの、白で汚れたら大変そうなラグジュアリーなものは避けるなど。ただ、カジュアルすぎるジーンズはホストやゲストに失礼な場合もあるので注意を。そして、エプロンを持参しておくのも愛されマナーです。ホストやゲストとの関係性、そのホームパーティーの趣旨や空気に合わせて動けるように、バッグに忍ばせておくと良いですね」(久林さん)

■3:ガーデンパーティーなら動きやすいパンツスタイルでもOK

「ホームパーティーは家飲みと違い、ホストがある程度準備して非日常感を楽しむもの。もしガーデンパーティーなら、頑張りすぎず、周りに気を配ったエフォートレスラグジュアリーな動きやすいパンツスタイルや、床に座る場合も足が隠れるので便利なロングスカート、マキシワンピースなどがおすすめです」(久林さん)

■4:素足にサンダルで訪れる際は、必ず靴下やストッキングを持参

「また夏は素足でサンダルを履くことも多いので、お宅に上がる際は薄手の靴下やストッキングをさっと履くなど、素足でスリッパを履かないよう配慮を。おしゃれなインポートのミニストッキングなどもあるので、マナーに沿いながらもプラスワンアイテムを取り入れればオシャレです」(久林さん)

ゲストの心得。ホームパーティーを盛り上げるには?

ホームパーティーが盛り上がるかどうかは、ゲスト次第なところも! そこで盛り上げ役としてのゲストの心得を教えていただきました!

話題性のあるフードを持参し、後半に出す

「ホストに確認し、デザート持参がOKであれば、話題性のあるフードを持参し、最初から食卓には乗せずに、会の後半に出してもらうと盛り上がります。また、大きめのお肉の塊を後半に出し、皆の前で切り分けサーブするとエンターテイメント感もありますね。あとはみんなが喜ぶようなデザート、珍しいお取り寄せや写真映えするようなものなども後半の盛り上がりに有効です。フード選びのコツは、『こうやってつくられているデザート』、『~でしか手に入らないデザート』など、エピソードやストーリー性があるものを選ぶことです」(久林さん)

ちょっとした「お祝い」を見つけ、サプライズで祝う相手をつくっておく

「当日、誕生日の人がいなくても、誕生日が近い人、転職した人など、ちょっとしたお祝いを見つけ、サプライズパーティーにしてしまうのも一興。ミニケーキなど用意してキャンドルを立ててお祝いするなどすれば、パーティー後半の雰囲気をガラリと変えることができます。仕切り直しにもおすすめですよ」(久林さん)

ちょっとしたお祝いを見つけ、会の後半をサプライズパーティーにしてしまうのもおすすめ
ちょっとしたお祝いを見つけ、会の後半をサプライズパーティーにしてしまうのもおすすめ

いかがでしたでしょうか。ホームパーティーにゲストとして参加するための心得として、さまざまな配慮やポイントがあったとは驚きですよね。ぜひ細やかな配慮で、ホストの気持ちを先読みして行動し、他のゲストと一緒に盛り上がり、楽しいひとときを過ごしましょう。

久林紘子氏
久林紘子さん
パーティースタイリスト、Tokyo Flamingo代表
(ひさばやし ひろこ)パーティーやイベント、CMや雑誌撮影の空間スタイリング、プロップスタイリングを行う傍ら、ホームパーティーに関する企業講演、企業のインスタグラムのディレクションや撮影のトータルプロディースを行っている。ホームパーティー検定1級。ホームパーティー検定エキスパート。
https://www.tokyoflamingo.com/
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利