中華界のニューウェーブ【香辣里】で“湖南料理”を味わう! 発酵・燻製・ハーブの魅惑の世界へ

湖南料理って何?
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メニュー表の1ページ目。店名の「香辣里」が印象的だ
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厨房では現地の料理人が腕を振るう
湖南料理といっても、どんな料理なのかピンとこない人が多いかもしれない。湖南料理は、唐辛子の辛さに加えて「発酵・燻製・ハーブ」という3つのキーワードを軸にした湖南省の中華料理だ。かつて経験したことのない新たなメニューの数々は、知れば知るほどその魅力に引き込まれていく。
湖南料理の代表格! 毛沢東がこよなく愛した『毛氏紅焼肉』
まず、迷わずに食べて欲しいのが『紅焼肉(ホンシャオロウ)』という料理。本国では、毛沢東の大好物だったことからメニュー名のあたまに「毛氏」と付くことが多く、『毛氏紅焼肉(マオシーホンシャオロウ)』と呼ばれいる。まさに、湖南省を代表している料理のひとつだ。

湖南料理は一般的に「辛い料理」というイメージが強いが、この『紅焼肉』はまったく辛くない。豚の三枚肉の塊を甘い醤油ベースに浸して煮込んだ角煮に近い料理である。一見、脂身が多く「胃もたれしそう……」と思うかもしれないが、時間をかけて煮てしっかりと蒸すことで余分な脂が削ぎ落とされていて、意外にもあっさりとしている。豚肉の脂身は、ほぼコラーゲン状態! 食べた次の日のお肌が楽しみだ。
“燻製中華”イチオシメニュー

『干鍋腊肥腸』は豚のモツを燻製し、青唐辛子やセロリなどと炒めた一品。旨味の効いた辛さと薫香は、箸もお酒も止まらなくなるクセになる旨さ。毎年12月~3月の寒い時期になると、豚肉を塩漬けにしてから干して燻製し、「腊肉(ラーロゥ)」という湖南省版ベーコンを作るのだが、そんな湖南省に根付く燻製の文化を利用してつくられた逸品である。
“ハーブ中華”イチオシメニュー

さわやかな味わいで、辛い料理のお供に最適な『紫蘇煎黄瓜』。日本ではあまり見かけないが、パクチーやドクダミ、ミントや紫蘇といったハーブ類を加熱するのもまた湖南流のひとつ。加熱してもなお爽やかな風味があり、そのままでももちろんおいしいのだが、辛い料理と一緒に食べることでより旨味が感じられる。
“発酵中華”イチオシメニュー

“臭魚”と書いて『チョゥユゥ』と読むこの料理。漢字のイメージからはほど遠い、とてもいい香りだ。発酵液に浸して一週間ほど発酵させることで魚の水分はしっかりと抜かれ、タンパク質の含有量が増えるので、旨味がぎゅっと凝縮している。炒め煮された身は、ふっくらとしていて、ホロホロと柔らかな食感。唐辛子の辛味もまた刺激的だ。
忘れてはいけない「米」の存在

そして、お気づきだろうか。全ての料理に『香米(シャンミー)』が欠かせないことを。香米(シャンミー)は、タイ米に似た長細い白米を2時間ほどじっくり吸水させた後に、小ぶりの茶碗で蒸し上げてつくるごはん。どの湖南料理をたべていても、このパラパラとした軽やかな食感の『香米』がほしくなるのだ。お酒との相性もいいが、お酒を飲めない人でもしっかりごはんを満喫できるお店だろう。

カクテルにスパイス⁉ 独創的なドリンク

いやいや、やっぱりお酒が飲みたい。という人には、他のお店ではなかなか見られない『腌好(イェンハオ)ハイボール』や『羊香(ヤンシャン)トマトハイ』がオススメ。『腌好(イェンハオ)ハイボール』は、中国紅茶の茶葉、梅干し、レモンを2日間漬け込んだバーボンの原液を、茶こしで濾しながらグラスに注ぎ炭酸水で割ったハイボールだ。爽やかな酸味とシュワッとした喉越しが堪らない。他にも、クラマトトマトジュースと香り付けに特製のスパイス(クミン・唐辛子・エゴマ・胡麻)をトッピングした『羊香トマトハイ』などがある。趣向を凝らしたドリンクの数々は、料理をより一層おいしくしてくれる。

「東京をはじめ、日本には数多くの中華料理店がありますが、中国の地方の文化を再現した料理が提供されているお店はまだまだ少ないですよね。【香辣里】は湖南省がテーマですが、今後は、東南アジアの食文化と融合して進化している雲南省など、いろんな地方にフューチャーしたお店を展開したいと思っています」と、ブランディング担当の小林さん。今後も味坊グループは私たちがまだ知らない、中華料理の新たなジャンルを見せ続けてくれるに違いない。

問い合わせ先
- 【香辣里(シャンラーリ) TEL:03-6450-8791
- 住所:東京都世田谷区太子堂4-23-11 GEMS三軒茶屋7階
アクセス:田園都市線「三軒茶屋」駅より徒歩2分
営業時間:[月~木]17:00~24:00、[金]17:00~翌3:00
[土]11:00~翌3:00、[日]11:00~24:00
定休日:無休
※8/1より平日のランチ(11:30~14:00)もスタート
記事元:ヒトサラ https://magazine.hitosara.com/article/1295/
- TEXT :
- ヒトサラ編集部
公式サイト:ヒトサラ
- EDIT&WRITING :
- 矢吹 純(フリーライター)
- RECONSTRUCT :
- MEN'S Precious編集部