通が教える「秘密の京都」アドレス

四季折々の豊かな表情を楽しめる京都ですが、実は通こそ暑いときに京都に行くという噂が。そこで、「京都通」がおすすめする京都の穴場スポットを厳選! 多くの人で賑わう秋の紅葉シーズンを前に、その魅力をたっぷりとご紹介します。

一面に咲き誇る睡蓮がまるでモネの絵画のような、龍安寺の「鏡容池」

龍安寺の「鏡容池」
龍安寺の「鏡容池」

旬香舎(しゅんこうしゃ)主宰の久住ゆきさんのおすすめは、龍安寺の「鏡容池」。

世界遺産でもある龍安寺(りょうあんじ)は、応仁の乱で有名な武将・細川勝元が創建した禅寺で、妙心寺七刹のひとつ。石庭として名高い方丈庭園のほうが有名ですが、実は、寺内にある鏡容池(きょうようち)は京都屈指の睡蓮の名所です。この鏡容池、平安時代には石庭よりも有名だったそうで、古くは公卿が船を浮かべて歌舞音曲を楽しんだという池泉回遊式庭園。春には桜、秋は紅葉と季節の木々が池を囲むように植えられ、四季折々の姿をまるで鏡のように映すことから「鏡容池」の名前がつけられたとか。

「梅雨のころから盛夏にかけて、白や赤、黄色の睡蓮が咲き誇ります。睡蓮は日がのぼり始めると咲き、午後には少しずつ花を閉じてしまうので、特に午前中に行くのが絶対おすすめ。池を覆うかのように咲き乱れる睡蓮の美しさは、まるでモネの絵画のよう。圧巻です」と久住さん。

龍安寺のもうひとつの見どころである石庭。白砂の上に15個の石を配した枯山水の石庭は「虎の子渡しの庭」とも呼ばれる
龍安寺のもうひとつの見どころである石庭。白砂の上に15個の石を配した枯山水の石庭は「虎の子渡しの庭」とも呼ばれる

約15万坪と、広大な敷地を誇る龍安寺。山門をくぐるとすぐ左手にある鏡容池は、境内全体の3分の1ほどを占める。睡蓮の見ごろは5月下旬から9月中旬。

問い合わせ先

  • 龍安寺 
  • 拝観時間/(3月1日~11月30日)8:00~17:00、(12月1日~2月末日)8:30~16:30
    拝観料/¥500
  • TEL:075-463-2216
  • 住所/京都府京都市右京区龍安寺御陵下町13

海の京都・京丹後の 「和久傳の森/森の中の家安野光雅館」へ小トリップ!

「和久傳の森/森の中の家安野光雅館」
「和久傳の森/森の中の家安野光雅館」

染司(そめのつかさ)よしおか6代目の染織家、吉岡更紗さんのおすすめは「和久傳の森/森の中の家安野光雅館」。

京都市街から車で約2時間半。京丹後・久美浜に、昨年6月誕生したこちらは、緑豊かな約9千坪の敷地があり、美術館とレストラン、和久傳の銘菓などがつくられる工場を併設しています。そのほか、実際にレストランでも使用されているフキや山椒、しいたけなどを育てている畑が広がる。和久傳の大女将、桑村綾さんが故郷の京丹後を元気にしたいという思いからつくられた、この「和久傳の森」。美術館には、大女将が昔からファンだった画家・安野光雅氏の優しく繊細な水彩画が企画展として展示されています。

折れ曲がったコンクリートの回廊を移動すると、見えてくるのは森の中にひっそりたたずむ美術館。建築家・安藤忠雄氏が手がけた美術館は、シャープなラインの外観に対し、展示室は木が多用された壁や床など、温かい印象。吉岡さんも「光が差し込む細長い窓からは森の景色が見えて自然の中にいることに気づかされます。市内からは遠いですが、海が近い久美浜や夕日ヶ浦に一泊すれば、夏ならではの大自然を満喫できます」と、自然豊かな京丹後の魅力を語ります。

左から/生姜糀¥1,080(税込)・傳スケ飴¥788(税込)※在庫なくなりしだい販売終了・季節限定の青さちりめん¥540(税込)
左から/生姜糀¥1,080(税込)・傳スケ飴¥788(税込)※在庫なくなりしだい販売終了・季節限定の青さちりめん¥540(税込)

「工房レストラン wakuden MORI」では、丹後産コシヒカリの糀としょうゆ、しょうがを合わせた生姜糀や、安野氏が描いたパッケージが人気の傳スケ飴(在庫なくなりしだい販売終了)、季節限定の青さちりめんなども販売されています。

問い合わせ先

緑豊かで市街よりも涼しい「大原三千院」

写真提供/三千院
写真提供/三千院

何必館(かひつかん)・京都現代美術館のキュレーターを務める梶川由紀さんが推薦されるのは、「大原三千院」。

「洛北の離れ里というだけあって、大原まで出かけると気温がずいぶん違う気がします。まるで絨毯のような苔も見事! 眩しいくらいの鮮やかな緑は目にも涼しげです」と梶川さん。

国宝に指定されている阿弥陀三尊像をはじめとする御仏はもちろん、「聚碧園(しゅうへきえん)」「有清園(ゆうせいえん)」といった庭園の美しさは随一。特に客殿から眺める聚碧園は、緑と紅い毛氈(もうせん)のコントラストが美しい。一方、青苔に杉や檜などの立木が並ぶ有清園は、夏は新緑、春は山桜やシャクナゲ、秋は紅葉、冬は雪景色と表情を変えます。

「空気が澄んでいるからでしょうか、暑いなかでもシンとした心地よさがあって、つい長居してしまいます。お盆の時期には、約1万個の提灯が灯され、幻想的な雰囲気に包まれる万灯会も開かれます」

往生極楽院の南側、弁天池脇には、小さなお地蔵様たちがひっそりと。わらべ地蔵と名付けられたこのお地蔵様たちは、石彫刻家・杉村孝氏の手によるもの。有清園の苔と一体となって、きれいに苔むしている姿も愛らしい。

問い合わせ先

  • 大原三千院 
  • 拝観時間/(3月~12月7日)8:30~17:00・閉門17:30、(12月8日~2月)9:00~16:30・閉門17:00
    拝観料/¥700 
  • TEL:075-744-2531
  • 住所/京都府京都市左京区大原来迎院町540

以上、「京都通」の方々がおすすめする3つの穴場スポットをご紹介しました。秋の京都は紅葉などで混雑が予想されるので、ぜひひと足先に訪れてみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
BY :
『Precious7月号』小学館、2018年
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
PHOTO :
ハリー中西、合田慎二
EDIT&WRITING :
田中美保、遠藤智子(Precious)
RECONSTRUCT :
難波寛彦