「無意識や無知」というのは怖いものです。自分の何気ないひと言やちょっとした仕草が、相手をバカにしてしまっているかもしれません。とはいえ、自分ではなかなか気づけないことなので、困りますよね。

そこで今回は、意識のうちに相手をバカにしているNG言動を、コミュニケーション講師であり、マナー講師でもある峯苫由布子さんにピックアップしていただきました。

実は相手をバカにしていた失敗エピソード

無意識のうちに相手をバカにしているとは、一体どういうことなのでしょう? 峯苫さんによくある失敗エピソードを聞いてみました。

実は相手をバカにしていた失敗エピソード

「ある30代の専門学校講師の女性は、行政のある部門との取引で、書類の書き方がわからず、問い合わせをしました。

教えてくれたのは市役所を定年で退職し、出向していた方だったそうです。教えてもらいながら、彼女は相づちの際、『なるほど、なるほど』と言葉にしていたそうです。しかしだんだん相手が不機嫌になり、最後は『君は失礼だ』と怒られたそうです。

『なるほど』という言葉は対等な話し合いで確認するような相づちの仕方です。彼女にしてみれば対等な取引相手だと思ったのかも知れませんが、教えてもらう立場で、しかも相手はかなりの年上です。この場合『わかりました』『ありがとうございます』などの言葉が適当です。

『なるほど』も口癖でつい使ってしまうこともありますが、学校の先生に生徒が『なるほど』と言うのはおかしいでしょう。年上や立場が上の方に使うのは相手をバカにしているようにとられてしまいます。ビジネス上では立場、年齢などさまざまな方とコミュニケ-ションを取っていきます。このように、何気ない口癖が知らないうちに相手に不快な思いをさせていることもあるのです」

無意識のうちに相手をバカにしているNGな言動8選

「なるほど」の他にも無意識のうちに相手をバカにしているNGな行動や発言があるそうです。峯苫さんに8つ挙げていただきました。

無意識のうちに相手をバカにしているNGな言動

■1:鼻で笑う

「鼻で笑う行為は、相手の言うことが自分にとってはたいしたことことではないときや、自分の価値観が理解できないとき、自分のほうが上だと自己顕示欲を示したいときなどにしてしまいがち。無意識に癖になっていることもあります。同僚や友達と上手くいかないなど悩みがあるときには、自分が自然とバカにしている態度をしているかもしれません」

■2:「知らないの?」

「知っている自分を優位に見せようとする気持ちが入れば、相手にとってとても嫌な言葉です。『世間知らず』と言われて大変傷つき、ずっと気にされている方もいます。自分が言われたらどう思うかをよく相手の立場に立って考えたいものです」

■3:「でも」「だって」「でもね」

「これらは、“Dの言葉”と言われ、相手の意見を否定してしまう言葉です。自分の主張を聞いてほしいときについ出てしまうフレーズですが、まずは『あなたはそうお考えなのですね』と相手の意見をすべて受け取り『私はこのように考えていますがいかがですか?』と自分の意見を伝えるようにします。Dの言葉は気を付けないとよく出てしまうフレーズです。自分の意見を主張したいがために相手を否定していることに気づきましょう」

■4:「そんなこと私でもできない」

「賞賛しているような微妙な言い回しですが、ちょっと引っかかる言葉です。『私でも』の『でも』には私のほうが上だという気持ちが含まれます。“私のほうが賢いのに”、“私のほうが若いのに”、“私のほうが能力あるのに”と思っていないと出てこないフレーズなのです」

■5:「こうしたほうがもっと良いのに」

「これはよく、ファッションや髪型、仕事のやり方などに使われる言葉です。上司が部下に仕事のやり方などを伝えるときは“指導”ですので問題ありません。ただファッションや髪型などに口を挟むときには私のほうがセンス良いわ、よく知っているわ、自分の思い通りにしたい、言ってあげているといった心理が垣間見えます。相手は見下されているような感じがすることもありますから、『もっとこうしたほうが良いよ』といったことは、相手から意見を求められてから言うようにしましょう」

■6:「私はいらないけどあなたどうぞ?」

「よっぽど親しくない限り、自分がいらない物を人にあげるのはどうかと思います。例えば、お世話になった上司に自分のいらない物をあげたりはしませんよね。あるとき、友人に『ビジネスの話を聞いたのだけど、私は嫌いでまったくする気がないの、あなたやらない?』と言われました。すごく嫌な気持ちになってまるでゴミ箱にされたような気がしたのです」

■7:横目で見る

「めんどくさがりの方は注意してください。コミュニケーションの基本は相手に腹、顔をまっすぐに向けて、目を合わせて話すこと。職場で怖いと言われる方は、PCに向かい仕事をしている顔がとても厳しい顔になっていて、呼びかけられて振り向いたときもその表情のまま横目で相手を見るなんてことが多いのです。PCに向かう顔の表情も優しくなるように気をつけ、振り向くときには身体から相手に向け、顔もしっかりと向けて話すように心がけましょう」

■8:目の前の人を大切にしない

「プライベートではよくあること。誰かと一緒に居るのに携帯を触ったり、携帯でずっと仕事の話をしていたり。私もあるとき友達が電話をしながら家に入ってきて、座ってもずっと人と携帯でしゃべっていたときがありました。私の家に来ているのに私は置いてきぼりで、大切にされていない感じがして悲しい思いをした記憶があります」

失敗を避けるには「相手の立場に立って見直すこと」

峯苫さんは、無意識に相手をバカにしてしまう言動を避けるためのポイントを次のように話します。

「知らず知らずにしている失礼な行動は、相手の立場に立ったときに初めて分かります。自分が使っている言葉を見直してみることで、ギクシャクした関係の理由が分かったり、自分の隠しているプライドや自己顕示欲も見えてきたりします。そこに気付いて受け入れるだけでも、“こうあらねばならない”と固定概念で堅くなっている自分を解放することができるものです。

本当にラグジュアリーな方は、目下の方に対しても丁寧な話し方をなさいますし、本当の優しさを身につけており、バカにしたり、威張ったりはしないのです。私たちもハイクラスのビジネスマンにふさわしいコミュニケーションを身につけたいものです」

失敗を避けるには「相手の立場に立って見直すこと」

誰もが気を抜くと陥ってしまうNG言動。自ら振り返って見直してみること、そして普段から誰に対しても丁寧でバカにしたりせず、相手を尊重する気持ちを持つことが大切と言えるのかもしれません。

峯苫由布子さん
日本魅力アップ協会 プロデューサー
(みねとま ゆうこ)モデルとマナー講師のスキルを使い、グランドハイアットでマナースクール「アル・レスカ」を開講。パリマダムの永遠の美しさを伝えている。
マナースクール アル・レスカ
日本魅力アップ協会

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この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
2018.10.23 更新
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利
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