コミュニケーションで失敗して、後悔したことはありませんか? 緊張して的確な言葉が出てこなかったり、説明がわかりづらくて誤解させてしまったり……。

話が下手だと、それだけで正当な評価を受けられなくなります。プレゼンや面接がうまくいかず、人間関係でもトラブルを起こしやすい。人生を損したくはないもの、今からでも話のうまい人になりたいですよね。

実は、トークスキルの向上に才能やセンスは必要ありません。経験とテクニックで上げることができるのです!

そこで今回は、人気放送作家・村瀬 健さんの著書『人を引きつける人の話し方』から、話がおもしろくて人を引きつける人がやっている「話し方テクニック」を5つ、ご紹介します。コミュニケーション上手になって、人生をいい方向に持っていきましょう!

「話のうまい人」が自然とやっている話し方テクニック5選

■1:野球・陸上・料理にたとえる

たとえ話が難しい話をわかりやすくする

難しい話はなかなかうまく伝わらないもの。難しい話をするときは、何かにたとえて話すことを心がけましょう。とくに伝わりやすいのが、野球のたとえ話です。

たとえば、デフレスパイラルという言葉をそのまま「物価の下落と実体経済の縮小が相互作用して景気が悪くなる状況を指します」と説明すると、理解しづらいですよね。

しかし、野球に当てはめて「大リーグのエンゼルスのスター選手が捕まったと仮定します。こうなると、ただでさえチームの戦力が弱っているうえに、ほかの選手の士気も低下します。エンゼルスは最下位になるかもしれない。これがデフレスパイラルです」と説明すると、すんなり意味が通じます。

たとえ話は、野球以外でもOK。料理や陸上競技にたとえても、うまく意図が伝わります。たとえばアドバイスをしたり、小難しい人生の教訓を話すときに、「あなたは料理をつくるのはうまい。ただ、料理に合う器を選ぶのが下手だ」「障害があるほど、ゴールしたときにうれしいものだ。陸上のハードル走もそうだろ?」などとたとえを入れてみてください。こうすると、相手を納得させやすくなります。

村瀬さん曰く、「ポイントは、先に未来の意味を伝え、次にたとえ話を披露すること。(中略)たとえ話を使いこなせるようになれば、難しいことでも正確に、わかりやすく伝えられます」とのこと。本来の意味とたとえ話をリンクさせて、理解させやすくしましょう。

■2:新聞記事の「見出し」を意識する

大見出し、中見出し、本文、小見出しを意識すれば伝わりやすくなる

会話はキャッチボール。質問というボールを投げたら、答えというボールを返すもの。このとき、ボールを受け取ったまま延々と投げ返さないと、相手をうんざりさせてしまいます。そのため、ボールをテンポよく投げ返すことが重要。

新聞記事の見出しを意識して話すと、だらだら感がなくなりなります。新聞記事は、「●●代議士、逮捕!」という大見出し、「企業から賄賂!」という中見出し、その下に本文、そして本文中には小見出しが挟まれているもの。見出しは読むだけでおおよその内容がわかるようになっていますよね。

大見出しは会話の結論。「休日は何をしていますか?」と聞かれたら、「映画を見ています」がそれに該当します。中見出しは大見出しの補足。映画の話なら、大見出しに少しだけ情報を加えて最近見た映画や好きな映画を言いましょう。そして「あなたは何をしていますか?」と聞いてみるのです。

この質問で「私も映画を見ています」と返されたら、本文と小見出しを提示してOK。ちなみに小見出しは、重要事項のこと。キーワードとなる言葉や要点をピックアップして、部分的に説明しましょう。新聞のように大見出し、中見出し、本文、小見出しを意識するだけでロジカルに話せて、相手に伝わりやすくなります。

■3:会話中は「古畑任三郎」になりきる

ジェスチャーが説得力を高める

村瀬さんは、「言葉の伝わり方は、身振り手振りでも違ってきます。同じ意見でも、ジェスチャーを駆使するだけで、クオリティーが上がって見える」と言います。ロダンの彫刻のように、あごに手を当ててから返答したり、おでこに人差し指を当てたり、どこか一点を見つめてから話したりすれば「私は今ちゃんと考えましたよ」というメッセージになり、相手の受け取り方が違ってくるとのこと。

動作の参考になるのが、刑事ドラマで人気を博した古畑任三郎。彼のジェスチャーは視聴者に賢そうな印象を与えるため、あご触り、おでこ指置き、一点見つめは発する言葉に箔をつけるのです。

また、「たとえばですよね、たとえばですよ」「いいですか、いいですか」などと同じ言葉を繰り返す言い回しもよく使っています。これも伝わる度をアップさせます。古畑任三郎の真似は人を巧みに引きつけることができるので、話すときは真似してみましょう。

■4:話のポイントを「ひと言でかいつまむ」

要約して伝えると相手がイライラしなくなる

漫才の役割は、ボケとツッコミのふたつ。古瀬さん曰く、「ツッコミの技術を知っていると、会話の方向やその場の空気、さらには相手の自分に対する印象も、うまく誘導できます」とのこと。

ツッコミは、説明下手な人のサポートをするときに使えます。そもそもツッコミの基本は、かいつまむこと。同席者の説明がわかりづらいとき、「つまり、●●ということです」などと要約して伝えるとわかりやすくなります。

これは「つまり、●●ということですよね?」などの質問形式のツッコミでもOK。同席者に嫌な顔をされることもありません。おもしろい部分(聞き手に伝えるべき部分)をかいつまみ、優先順位の高いところから説明する。話に加わっていないときにポイントをかいつまむことを心がけると、いい空気をつくれます。

■5:違和感にはすかさず「ツッコミ」を入れる

ツッコミどころを探すことで会話をコントロールできる

ツッコミのテクニックは、自分の言いたいことがうまく伝わっていないと感じたときにも使えます。「今の話は要するに●●ということです」と、最も伝えたいポイントをかいつまんで短く挟むのです。これを習慣すると、スムーズに伝えられます。

自分が聞き役に回っているときは、相手の違和感(ツッコミどころ)を探すと口数が少なくても、会話をコントロールできます。たとえば、相手が「妹と外で遊んでいたんです。そしたら友達のボブが……」と話し始めたとき、「すいません。子どものころ、どこにいらしたんですか?」と聞く、「ロスのほうに」と返されたら「じゃあ、帰国子女ですか?」と質問するのです。

そもそもお笑いは常識や普通を出発点として、それと違ったことを言うことで成立します。この違いを指摘するのがツッコミの役目。ツッコミ目線を身につけることで、会話に深みが出てきます。会話に出てくる違和感はすべてツッコミどころと思い、敏感に反応していきましょう。

口下手のままだと、どんなに頑張ってもなかなか認められません。うまく説明できないというだけで、過小評価されるのは避けたいですよね。そうならないように上記のコツを習慣にして、話のうまい人になっていきましょう!

村瀬 健さん
放送作家、漫才作家
(むらせ たけし)1978年、兵庫県生まれ。関西大学法学部卒業後、作家活動を開始。テレビ番組「爆笑レッドカーペット」「キングオブコント」「ヨシモト∞」などの構成、ブレーンに放送作家として参加。漫才作家としては、ティーアップ(2008年、上方漫才大賞・大賞受賞)などに漫才台本を提供。指導した芸人は2000組を超える。放送芸術学院専門学校の講師も務める。
『人を引きつける人の話し方』村瀬 健・著 三笠書房刊
この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
2018.10.23 更新
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
藤岡あかね
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