高級ホテルの中華料理店などでいただける、高級餃子。そのワンランク上の餃子は、一般的な家庭の餃子とどのような違いがあるのでしょうか? 今回は、ふたつの高級ホテルに入っている中国料理店に、取り扱う餃子のこだわりをヒアリング。そこから、いわゆる「高級な餃子がおいしい理由」を探ります。

高級ホテルの中華料理店に聞いた、最高においしい餃子の条件とは?

■1:グランド ハイアット 東京の「チャイナルーム」

グランド ハイアット 東京の「チャイナルーム」

グランド ハイアット 東京の中国料理店「チャイナルーム」では、四大中国料理が楽しめます。こちらで提供されている餃子は、まさに技術の粋を極めた最高級品。いったい、どんな餃子をいただくことができるのでしょうか?

「チャイナルーム」の点心

「当店では、アラカルトメニューで『海老蒸し餃子』と『なでしこポークの焼き餃子』、贅沢な素材をふんだんに使った点心を種類豊富にご用意しているランチの飲茶オーダーブッフェでは、『ホタテとニラの四川風海老蒸し餃子』、『トリュフ入りホタテ蒸し餃子』、『燕の巣 オリーブの葉 白身魚のせ 海老蒸し餃子』、『鮑(あわび)と海老 野菜の揚げ餃子』、『クレソンと鶏肉の蒸し餃子』と、本場の味と素材にこだわった、本格的な餃子をバラエティー豊かに取りそろえています」

豪華な食材の羅列に、見ているだけでお腹が空いてきそうです。これらの高級餃子には一体、どんな特徴があり、普通の餃子とは異なるのでしょうか?

どの素材も産地や品質などを厳選

「味にこだわり、どの素材も産地や品質などを厳選している上に、香港で修業経験のある点心師が毎日丁寧に手づくりし、本場さながらの本格的な餃子をご提供している点です。

常に中国各地の味を研究している経験豊かなシェフと、ひとつひとつ心をこめて手づくりしている点心師の存在によって、実現できることと思います」


■2:ヒルトン東京ベイの「王朝」

ヒルトン東京ベイの「王朝」

続いて、ヒルトン東京ベイには、「王朝」という中国料理店があります。ここではこだわりの焼き餃子と水餃子が堪能できます。王朝の料理長に、”焼き”と”水”、両方の餃子のこだわりを教えていただきました。

鍋貼(焼餃子)のこだわり

鍋貼(焼餃子)のこだわり

■1:具材と調味料

「具の中身は、国産豚、キャベツ、ニラ、ネギ、ニンニク。野菜をかなり多めとし、独自の割合で配合しています。おいしさの秘訣は、国産豚の上質な肉と脂、野菜とのバランス。ゲストからの要望もあり、ニンニクを主張させないよう少量入れています。少量でも入れることにより、味のバランスがよくなります。味付けは、オイスターソース、醤油などです」(「王朝」担当者)

■2:皮

「皮は、薄力粉に熱湯を入れて練り、15分ほど寝かせています。熱湯を入れる理由は、薄力粉に含まれるグルテンの特性である粘性を抑えるため。グルテンは皮にもちもち感を出してくれますが、しっかりした皮に仕上げたいため、あえてグルテンの粘性を出さないようにしています。

皮をしっかりとさせている理由は、当ホテルの餃子は約10センチと非常に大きく、具も多いことから、焼いた際に肉汁や、旨味が外に逃げないようにするためです」(「王朝」担当者)

■3:大きさ

「餃子の大きさが約10センチと非常に大きいのは、まずは、見た目のインパクトと、大きくして食べごたえを出すためです」

■4:提供方法

「アツアツの鉄鍋で餃子を提供し、その際、鍋の下に白ネギの頭の青い部分を敷いて提供しています。これにより、熱した鉄鍋の熱でネギが焼け、提供する際に香りが立ちます」

■5:タレ

「餃子のタレは王朝特製の秘伝配合のピリ辛タレで、高級白ゴマ、酢、醤油、朝天辣椒油(チョウテンラージョーユ)を合わせた特製ダレ。朝天辣椒油とは、朝天辣椒という唐辛子を粉末にした物にぬるい油を入れて、香りを出したもの。タレには油だけではなく、粉末も使用しています」

水餃子のこだわり

水餃子のこだわり

■1:具

「具は、国産豚肉、人参、ニラ、ネギ。そこに丁香(クローブ)の粉末を少量入れています。丁香(クローブ)は漢方に使われる生薬のひとつで、香りが良いため使用しています」

■2:皮

「皮は、強力粉に水を入れて練って30分ほど寝かせています。水で練るのは、強力粉はグルテンの粘性が強いので、それを生かすためです。この皮で包むとモチモチした食感になるのと、薄くしたときに皮がしっかりしているので皮が破けにくいためです。小龍包などにも使われる皮です」

■3:タレ

「タレは、水餃子専用の特製タレをかけて提供しています。甜醤油(醤油、酒、砂糖、ニンニク、ネギ、生姜、八角を煮詰めたとろみのあるタレ)、王朝特製辣油、高級白ゴマ、高級白ゴマペースト、麻油(ゴマ油)を合わせたタレです。『王朝』の水餃子は上海風。紅油水餃子にしてしまうと四川料理になり、油も多く、ゲストのニーズとは違うので、この特製のタレを使用しています」

まさに「高級餃子」と呼ぶのにふさわしい、手間暇とこだわりよう。最高級の餃子と呼ばれるための条件は、いったいどこにあるのでしょうか?

「使っている食材はひとつひとつがシンプルなものながらも、細部にこだわってつくられ、手の込んだ特製ダレを使用すること。これにより、ご家庭では味わうことのできない特別なひと皿になると考えます。

提供の仕方も、高級餃子の条件のひとつだと考えます。ただ皿に盛るのではなく、提供されたときにゲストがわくわくとするような演出がポイントになるかと思います。『王朝』で言えば、熱々に熱した鉄鍋での提供、鉄鍋の下に敷いたネギの香りなどです」

最高級の餃子の条件をあえて言うなら、共通しているのは、厳選された素材と貴重な味付けにタレ。そして食べる側のことを思われながら、ひとつひとつ丁寧につくられていること、といえそうです。

そんな贅と技を極めた高級餃子をいただく際は、味や食感だけでなく、”仕事人”のこだわりエピソードごと、まるごと味わいたいものですね。

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WRITING :
石原亜香利