一流の日本料亭や高級ホテルのレストランなどでは、時に料理教室を開催していることがあります。一度でいいから行ってみたい、通ってみたいと考えるけれど、なかなか敷居が高く、行きづらいという人は多いかもしれません。
そこで今回は、一流の料理教室で学ぶための誰も教えてくれない基本マナーや、そうした敷居の高い料理教室で学ぶ醍醐味について、企業研修を行う会社と重ね煮料理サロンを主宰し、マナーもお料理も両方プロフェッショナルな石井由美子さんに教わります。
「一流の料理教室」へ行く前に知っておくべきこと
一流の料理教室へ行くためのスキルレベルとは?
一流の料理教室へ行く前にどれくらいのスキルレベルが必要なのでしょうか?
「料理の腕を磨くために行くものですから、スキルレベルは気になさらなくても良いと思います。緊張せずに楽しみましょう。
その上でお伝えするとすれば、野菜の切り方の種類、例えば小口切り、短冊切りなどは少し調べて覚えておくと良いと思います。友人が初心者のころ、料理教室で先生に『さいの目に切って』と言われ、『すみません、サイ(動物)の目の形が思い出せません』と返したという笑い話があります。そんな友人も今ではエキスパートです。
さらに自分で練習しておけば、シェフが行うときの手際の良さに感動するはず。緊張せず、お家でおいしく再現できるようしっかり学びましょう」
一流の料理教室における5つの基本マナー
そこで石井さんに、一流の料理教室における基本マナーを5つ教えていただきました。
■1:すべてのものを静かに丁寧に扱う
「材料や食器を静かに丁寧に扱いましょう」
■2:写真撮影、動画撮影は許可を得る
「お料理や調理風景の写真撮影、動画撮影は必ず許可を得ましょう。許可が出ても他の人の邪魔にならないように撮影すること」
■3:アピアランスに配慮を
「おしゃれをしていきたいところだと思いますが、指輪は不潔に感じる人がいますし、食器を傷けることがあります。アクセサリーも異物混入の可能性があります。香水はつけず、髪もまとめましょう。エプロンなどは、ぜひ好きなデザインを楽しんでください」
■4:私語や大きな声などは慎む
「やはり不要な私語や大きな声でのお話は慎むべきです。お料理のレッスンに集中を」
■5:笑顔で挨拶を
「入室するときには、黙って入らず、笑顔で周りの人への挨拶をしながら。これから料理を教わる方、一緒に料理をつくる方と良い関係を築くことで料理もよりおいしく、うまく仕上がります」
■6:バッグやスマートフォンの扱いに配慮を
「テーブルやキッチンの上にバッグやスマートフォンを置かないようにしましょう。自分ではいくらきれいにしていたとしても、人には不潔に映ります」
一流の料理教室で避けたい3つのNG行動
続いて、石井さんに、一流の料理教室では避けたいNG行動を教えていただきました。
■1:料理の批評や自慢話をする
「シェフのやり方や料理の批評、他ではこうだったという自慢話は周りを不愉快にします」
■2:調理のチャンスは均等に
「ほとんどの料理教室では、チーム制でつくっていきます。自分ばかりが調理のチャンスを奪わないようにしましょう。譲り合う気持ちが大切です」
■3:シェフの独り占めは避ける
「熱心さはわかりますが、シェフや板前への質問や会話の独り占めは禁物。他の参加者さんも聞きたいことがあるかもしれません。ぜひ他の方への配慮をしてください」
一流の料理教室で学ぶ6つのメリット
一流の料理教室では、一般的な料理教室と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか。そのメリットを6つ挙げていただきました。
■1:シェフの動きをしっかりと隅々まで観察できる
「シェフや板前の段取りや動線の合理性、材料の扱い方の丁寧さ、無駄のなさはしっかり見ておきましょう。指先の動かし方ひとつ、さすがと思うものがあるはずです」
■2:プロの盛り付けも学べる
「料理だけでなく、一流の盛り付けの仕方もしっかり学べるのも魅力です。何から順番に置いて、どのよう高さを出しているか、ソースを引く美しさのチェックは必須です」
■3:非日常の空間を楽しめる
「広いキッチンや専門的な調理器具。試食の際の室内やテーブルの雰囲気など非日常の空間を楽しみましょう」
■4:トップレベルの知識を学べる
「一流の料理教室であれば、世界あるいは日本をリードする知識や技術、トレンド、珍しい調味料なども学べます」
■5:参加者同士の意識の高いコミュニケーションが楽しめる
「料理に対してこだわりや、ときめく気持ちの高い方たちが参加しています。参加者同士の出会いやコミュニケーションも楽しみましょう」
■6:一流のシェフの人柄を楽しめる
「一流のシェフの多くは、ユーモアとサービス精神があります。厳しい調理人の先生だとしてもチャーミングなはず。一流の人と共に過ごす時間を楽しみましょう」
いかがでしたでしょうか。一流の料理教室は、注意したいことが多くあるものの、そこで学ぶことのできる内容はどこをとっても充実しています。存分にその貴重な時間を楽しみ、そして吸収するためにも、皆が気持ちよく過ごすことのできるよう心がけたいですね。ちょっと敷居の高い料理教室でも、まずは、第一歩を踏み出すことから。
http://yasai-plusclair.com/
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利