私が敬愛する伊達男・加藤和彦さんが

そのファッション哲学を語りつくした名著

『エレガンスの流儀』(河出書房新社)の中で、

自身が愛用する靴ブランド

(クレヴァリー、ジョンロブ、ヘンリー・マクスウェル)に

「高潔なる変態」

という言葉を贈っております。

その言葉を眼にしたとき、私の脳裏に真っ先に浮かんだのは

このブランドでした。

ヒロシ ツボウチ。

エンツォ・ボナフェ、プレミアータなど一時代を築いた銘柄の

開発に携わったデザイナー、坪内浩さんが立ち上げたブランドです。

ファッション業界の中にあっても、凄まじいほどのお洒落っぷりで、

もはや伝説となっている伊達男・坪内さん。

このブランドには、彼のファッション哲学が余すところなく凝縮されています。

ご覧ください!  この春に向けて、私が購入した2足を!

「高潔なる変態」。

その言葉は伊達じゃない!

左はカーフとハラコをコンビで使った

モンクストラップシューズ。

豹柄のヘアカーフを使っていた既製モデルをベースに

無地にアレンジしてもらい、個人オーダー。

前回のブログで、リヴェラーノのスーツに合わせていたのがこちらです。

そして右は「幻の」ボタンブーツ。

海外ブランドではこれがスナップボタンだったり

飾りだったりしますが、こちらはリアルにボタンホールが開けられております。

実は靴職人でこれが縫える職人さんは世界でも少数

日本では、もはや数人だそうです。

どちらも靴としてのこだわりは一級品。しかしヒロシツボウチのすごいところは、

薀蓄にとらわれることなく、靴をお洒落の1アイテムとして気軽に楽しめるところ。

そこには日本屈指の伊達男、坪内さんの矜持が感じられます。

だから、この靴を買うと洋服ももっとほしくなる。

茶のモンクは、サファリジャケットと合わせて

ベージュ系コーディネートのアクセントとして使いたい。

そして黒のボタンブーツは、軍パンなどと合わせて

ボタン前回で、ラフに履きこなしたいなぁ・・・。なんて。

ヒロシツボウチの靴。それは私のお洒落心を

さらに掻き立ててくれる、かけがえのない存在なのであります。

この記事の執筆者
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。
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