通勤やお出かけなど、電車を利用する際には必ず訪れる「駅」。毎日のように利用する方も多いと思います。だからこそ、うっかり気を抜いてしまっていることはありませんか? 無意識のうちに、大人の女性として恥ずかしいマナー違反をしてしまっている可能性に、思い当たることはありませんか?
そこで今回は、マナースクール・ライビウム代表の諏内えみさんに、意外とやってしまいがちだけれど、実はNGな駅構内での所作について教わりました。どれも、品格のある女性ならやらないことばかり。周囲に笑われてしまう前に、改めて気をつけていきましょう。
みっともないのでやらないほうがいい「駅構内でのNG所作」7選
■1:改札で「人の流れ」を妨げる
改札を通るときには、その足を止めず、流れるように切符を投入したり、ICカードをタッチしたりしたいもの。
「ICカードが入っているお財布を、タッチする直前に探してアタフタするなど、その場の流れを妨げるのは当然ながら、よくありません。あらかじめ探して持っておいて、流れに乗るのがマナー。
お子さんがいらっしゃる場合、子どもがやりたがるので切符を持たせて入れさせる……という場面もあるかと思いますが、混雑する時間帯などで人が後ろに並んでいる場合は、これも流れを妨げるのでやらないのがベターかと思います」(諏内さん)
改札というのは、人が次々と通る「流れ」がある場所。この流れをせき止めるような行為は、大人としてマナー違反です。
■2:自分が原因の不具合で改札が閉まったのに、一言もない
同じく改札で、ICカードの不具合や残金不足などで、タッチしたのに「ピンポーン」と音がして扉が閉まってしまった場合。やはり、人の流れをせき止めてしまいますね。
「不具合で閉まってしまった場合は、すぐに後ろの方に『すみません』などひと言断りを入れたり、会釈をするのがマナーです。このひと言が、意外とない方が多いです」(諏内さん)
流れを止めてしまったのは「誰にでもあり得ること」なので仕方ないとして、その後にひと言あるかないかで、かなり印象が変わりますね。「すみません」と添えるだけで、その場の空気までもが固まらずに済みます。
■3:ホームで食べ物を食べる
ホームや電車内でメイクをする行為もよく問題にあがりますが、それに次いであまり行儀がよくないのが、何かを食べる行為。
「本当に時間がなくて食べている方もいらっしゃると思いますが、できたらホームなどの公共の場では食べない、という余裕が欲しいですね。やむを得ず食べる場合でも、においが気になるものは避けたほうがいいと思います」(諏内さん)
学生さんならいざ知らず、大人の女性がホームで何かを食べているのは、あまり美しくありませんよね。
■4:スマホに夢中で「黄色い点字ブロック」を占領する
ホームでの歩きスマホはポスターなどで注意喚起されています。ですが、やはり待っている間など、スマホが手放せない人は多いですよね。
「並んで電車を待っている間に、スマートフォンを見ているのはいいと思います。ただ、それでも周りに気を配る余裕は欲しいです。携帯に夢中になって、黄色い点字ブロックを踏んでしまっていて、その点字ブロックを必要としている方に気がつかない、という方もいます。ベビーカーが通るとか、杖をついている方が通るとか、スマホを見ていても、きちんと周囲を把握して邪魔にならないように避けるのが大人のマナーです」(諏内さん)
スマホに夢中になりすぎず、周囲を見渡す余裕を持つのが、大人の女性のたしなみと言えそうです。
■5:降りる際にドアのそばを陣取る
電車の乗り降りのときも、注意すべきポイントがあります。
「電車の降車時に、車内ドアの近くでスペースを陣取って動かない、という方がいますよね。その場を守りたいのかもしれませんが、いったんホームに降りてから、また乗ればいいんです。しがみつかず、他の人のことを考えるのが大事。今はスマホを見ながら乗って、スマホを見ながら降りる人も多いですが、乗り降りの際はベビーカーを押した方や高齢者の方に譲ったり、『お手伝いしましょうか』と声をかけたりするなどの気配りができるといいですね」(諏内さん)
我先に乗り降りしたりとトラブルも起きがちな場所なだけに、大人の女性として周囲への気遣いが欲しいですね。
■6:健康なのに混んでいるエレベーターに乗り込む
エレベーターやエスカレーター、階段など、電車から降りて改札に向かうには移動手段がいくつかあります。どれを使うのも個人の自由ですが、場合によってはマナー違反を犯していることも。
「エレベーターに乗るのは構いませんが、もし自分が健康であるなら、周囲を見ながら乗りましょう。高齢者やけが人や妊婦、ベビーカーの人が待っているのであれば、遠慮するべき。ただ、外側からではその方の不自由さが判断できないケースもあります。パッと見健康そうな若い人であっても、エレベーターが必要な方もいます。見た目だけで判断できないことも、認識しておいたほうがいいです」(諏内さん)
ここでもやはり必要なのは、周囲を見渡す目。自分のことばかりしか見えず、余裕がない振る舞いは美しくありません。
■7:腕にかけた傘の先端を人に向ける
秋は雨も多く、傘を持ち歩く日も多いですよね。そんな日に気をつけたいマナーもあります。
「雨の日に傘の柄を腕に引っ掛けている方は多いですよね。内側から柄を掛けると、バランス的に傘の先っぽが人の方に向いてしまうんですね。そうすると人に当たったり、しずくが落ちたりする。傘が当たった方のストッキングが破れてしまったりすることもあります。なのでマナーとして傘の柄は、腕の外側から引っ掛けて自分に傘の先が向くようにするといいですね。傘のベルトをしっかりと閉じるのもお忘れなく」(諏内さん)
この傘の持ち方、無意識でよくない例をやってしまっている方も多いのでは。傘の持ち方に気をつけるだけで、人に迷惑をかけてしまう可能性をグンと減らすことができます。
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以上、意外とやりがちな駅構内でのNGな所作を7つ、ご紹介しました。心当たりがある方も多かったのでは? 通勤などで毎日のように訪れる場所だからこそ、人に不快感を与えることなく、余裕ある大人の女性として振る舞うようにしていきましょう。
マナースクール ライビウム
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- こばやしあさみ