ご存知の通り、国内でのF1華やかりし時代は過去のこと。若者のクルマ離れが顕著だったり、日本人レーサーが不在だったり、地上波によるテレビ中継がなかったり、F1のメジャー感が薄れる要因は様々にあるが、日本におけるモータースポーツ文化はこのまま衰退してしまうのだろうか。

 個人的な感想は否。F1の現場は想像以上に興奮した。

フジロックよりも多くの人が来場!

なんとガレージ内部から、マクラーレンのマシンがピットインする様子を見学することができた。
今年30回目となる鈴鹿でのF1日本グランプリ。30回記念として、往年の人気マシンがレジェンド走行を行った。雨の影響で走行中止となるマシンが多かったが、フェリペ・マッサが乗るフェラーリF10(2010)のほか、フェラーリF187(1987)、フェラーリ248F1(2006)、ミカ・ハッキネンが操るマクラーレンMP4−13(1998)が登場。現行マシンとは一味違うド迫力のエンジン音を轟かせた。

 全身を振動させるエンジンの爆音。風に乗って漂ってくるオイルの香り。ピットガレージから伝わる緊迫。サーキットを見つめるスタンド席の一体感。スケールの大きさ…。

 まるで野外音楽フェスのような、現地でしか味わうことのできない高揚感は、モータースポーツファンならずとも魅了されることは間違いない。新幹線を乗り継いで出かける価値は十分にある。実際、フリー走行、予選、決勝の3日間合計来場者数は最盛期には遠く及ばずとも、去年、一昨年を上回る16万5000人を数えている(ちなみに’18フジロックフェスは3日間で12万5000人)。

 淑女とのデートにはもちろん、ご子息ご息女の見聞を広め、グローバルスタンダードを体感させたいと願う家族にもうってつけのイベントだ。

 そう感じられた要因に、F1がキッズフレンドリーにシフトした影響もあるかもしれない。今年グリッドガールが廃止された代わりに、決勝前のセレモニーにはグリッドキッズが登場。3歳~中学生までの破格の子供料金チケット(一律3,000円)もあった。

 そんな鈴鹿GPで私が目にしたのは、「ひたすらかっこいい男たちの世界」。闘うレーサーたちが世界トップなら、チームスタッフも世界最高水準。0.01秒を争いながら無駄のない動きでこなすピットワークは、見ていて惚れ惚れする。緊張の合間に談笑する姿さえ美しい。

トップドライバーとの接近遭遇も!

鈴鹿GPを初め、世界各地で行われる全F1グランプリのオフィシャル体験プログラムパッケージを提供するF1エクスペリエンス。チームガレージの2F部分に設置された、ホスピタリティラウンジから観戦できるパドッククラブのチケットも用意している。ピットに最も近いプレミアムシートだ。プラチナチケットを手に入れ、アクセスキーを持つ者だけが、このゲートの通過を許される。
2018年でF1のサーキットを去ることを表明している、フェルナンド・アロンソ。パドック内で遭遇し、一緒に写真を撮り、サインをもらう幸運にも恵まれた。

 あなたがまだF1を生で観戦したことがなければ、来年こそは是非。ただし、規模が大きいだけに、世界最高峰のモータースポーツを存分に堪能するには少しの下準備が必要だ。どこで見るか、何を見るか、そして何をするか…。

 階級文化であるヨーロッパが発祥のF1。客席はステイタスごとに各種取り揃えられている。観戦エリアやステイタス別に24歳以上は9,000円(予選・決勝の2日間通しチケット)から85万円(フリー走行日を含む3日間通しチケット)を超えるチケットまである。チケットのステイタスによって入れるエリアが細かく区切られているのだが、選ぶべきはやはりプラチナクラス。チームガレージが並ぶパドック内にもアクセスできるのだから、決して高い買い物ではないはずだ。

 厳重なセキュリティにガードされたパドックゲートの先では、まるで海外にいるような錯覚を起こすだろう。各国から結集したモータースポーツ界の精鋭やメディアが行き交う、彼らの主戦場を目の当たりにすることができる。お気に入りのチームガレージ内部の見学を始め、ピットレーン上に足を踏み入れる貴重な体験も。もちろん現役レーサーやチーム監督との遭遇のチャンスも待っている。

 プラチナチケットはF1エクスペリエンスのオンライン上で手に入れることができる。このほど、来年の鈴鹿GP(2019年10月10~13日)の特別体験付きオフィシャル・チケット・パッケージの販売が開始された。F1観戦計画を立てるなら先手必勝だ。

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この記事の執筆者
女性ファッション誌、ビューティ誌を中心に執筆活動を行ったのち、しばしの休眠を経て現場復帰。女性誌時代にクルマ記事を手掛けたこともあり、またプライベートではライフステージの変化に合わせて様々な輸入車を乗り継いできた経験を生かし、「紳士のクルマ」について筆を振るう。
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