さて、お次は

シュナイダーのマントです。

2年前にSCYEという日本のブランドのものを購入して以来、

クラシックスタイルにおける究極のアウターとして

個人的に大注目してきたのですが、

今季はドメスティックから

モードにいたるまで約5〜6ブランドがマントを提案。

セールス面でも上々らしいというので驚きです。

実際着てみれば、その魅力に気づいていただけるかと。

①とても暖かい!

(たっぷりとしたシルエットで、空気を大量に含みます)

②間違いなく一生モノ

(トレンドと関係ないですからね)

③カジュアルからスーツまで

汎用性が高い

(和装にも似合いますよ)

④問答無用に粋

(クラシックなのに、タダモノじゃない感が漂います)

一度羽織ってみれば、もう手放せませんよ!

さて、そんな今買えるマントの中で、

もっともクラシックなものがシュナイダー。

なんたってオーストリア貴族御用達の本物ですから

歴史に裏打ちされた機能的デザインや

しっとりとしたローデンクロスの肌触りなど、

漂う風格が違います。

クラシック指向の方でも、

これならチャレンジしやすいのではないでしょうか?

で、私が提案したいのはこんなスタイル。

ザ・森の番人スタイルです。

元々チロル地方で着られていたという

こちらのルーツを鑑みると、

着こなしのテーマとすべきはズバリ言って

「山」。

マリンブルーやボーダーといった「海」の要素。

スニーカーやスウェットといった「スポーツ」の要素。

デニムやカーゴといった「ワーク&ミリタリー」の要素。

正直言ってこのあたりは避けるのがベストです。

だから色づかいはベージュからブラウン、

オフホワイトといったアースカラーを基本にして、

シックに抑えたいところ。

合わせるパンツはコーデュロイの

トラウザースなどもよく似合うのですが、

ここではあえて裾を絞ったジョッパーズパンツを合わせて

シルエットのメリハリ感を強調、

よりクラシックかつ洒落た印象を追求しています。

そして足元も大切。

「山」というならばマウンテンブーツや

トリッカーズのウイングチップブーツなどを

合わせたいところですが、それではちょっと無骨。

よってスウェードのタッセルスリッポンを合わせて、

エレガントさを演出しました。

ターンブル&アッサーと較べてグリーンの色味が深い、

シャルベの靴下を合わせているのもポイントです。

で、締めは小物類。

渋めなカシミアマフラーも似合いますが、

それでは少々地味に見えてしまう難点も。

よって超大判のモヘアストールをふわっと巻く。

その際、重要なのは色味です。

マントの森林を彷彿とさせるカーキ色に合わせて、

オレンジ、イエローが混ざったチェック柄を合わせれば、

ほら、まるで紅葉!

こんな着こなしで枯葉を踏みしめながら歩いたら・・・

ポエムだな〜

メルヘンだな〜

(山城新伍)

え、古い?

この記事の執筆者
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。
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