1926年、ロンドンに創業した「タンノイ」といえば、世界最高峰のスピーカーをつくるメーカーであることは言うまでもない。その「タンノイ」の独自性とはどこにあるのか?それは、ただ音を拡散させるための装置としてではなく、スピーカーを楽器のように鳴らすという、現代では希有な設計方針を採用していることにほかならない。
歴史的場面にも立ち会った国家的知名度を誇る名機「タンノイ」
木が作り出す臨場感あふれるサウンド
![写真は、かつての邸宅にあったような超大型スピーカーとして、最も印象に残る伝説の名機、『オートグラフ』の直系シリーズのひとつ。同社が誇る音の定位に優れたデュアルコンセントリック(同軸2WAY)方式によって、特に大編成のオーケストラによる音楽再生は、他の追随を許さない。[H855×W398×D368㎜]『スターリング/SE』※参考商品](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/4/2/720mw/img_425777802ef0b75fc55c7298a21fd95b782692.jpg)
この信条を支えているのが、高級家具と同等の品格を持つ、上質な木材で組み上げられたスピーカーボックスである。箱そのものが発する振動は押さえ込まれることなく、あえて共振させることでスピーカーの音と調和させる仕立てだ。こうして「タンノイ」は、落ち着いた知性ある声色をもって歌い出す。
英国といえば鉄鋼のイメージも強いが、船舶用品や什器などの高級木工の分野でも数多くの一流品を生み出している。「タンノイ」の音は、英国の木を扱う伝統の積み重ねによってつくり上げられているのだ。
BRAND HISTORY

※2012年夏号取材時の情報です。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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- パイルドライバー