当時のジェントルマンのスタイルに欠かせなかったのが帽子とステッキ。中でも帽子は、それをかぶらないで外出することは現代の感覚で言えば靴やズボンをはいていない感覚に近いほどで、当時のイラスト画や写真を見ると労働者でない限りは必ずなんらかの帽子をかぶっています。

モダンジェントルマンの仕上げは、帽子専門店でのひとときで

素材も作りもブランドの数だけこだわりがある

上/2016年に原宿にオープンした工房を併設した帽子専門店のザ ファット ハッター。既製の帽子も扱いますが、なんといってもここの魅力は、帽子のフルオーダーができること。オーナーが日本中から集めた帽子の木型は圧巻。どちらかというとヨーロッパ的なエレガントな帽子よりもアメリカ的なラギッド感あるタイプをお望みの人向き。ベースになる素材もウール、ラビット、ビーバー等をチョイスできつばやクラウンの高さは言うに及ばず上部の凹みの微妙なデザインも調整可能。既製の帽子のリボンにつけてアレンジするヴィンテージピンなども販売。帽子オーダー¥20,000~(ザ ファット ハッター)下/ソフトハットの代名詞となっているイタリアのボルサリーノ。ヨーロッパの伊達男はそのやわらかい素材をいかし、自分流につばを波打たせたり、クラウンのつまみ部分の形にこだわっていた。もちろん、メイド トゥ メジャーで完璧なオリジナルに挑戦することも可能。選べるラビットファーの色は33色。仕上げの加工でスムース(毛足短)かガゼッラ(毛足長)が選べ、リボンカラーは約40色で、内側のベルト部分にイニシャルを入れることも。帽子オーダー¥83,000~(ボルサリーノ ジャパン) ヴィンテージのレザーコート¥65,000(アルソーレ)※価格はすべて税抜です。
上/2016年に原宿にオープンした工房を併設した帽子専門店のザ ファット ハッター。既製の帽子も扱いますが、なんといってもここの魅力は、帽子のフルオーダーができること。オーナーが日本中から集めた帽子の木型は圧巻。どちらかというとヨーロッパ的なエレガントな帽子よりもアメリカ的なラギッド感あるタイプをお望みの人向き。ベースになる素材もウール、ラビット、ビーバー等をチョイスできつばやクラウンの高さは言うに及ばず上部の凹みの微妙なデザインも調整可能。既製の帽子のリボンにつけてアレンジするヴィンテージピンなども販売。帽子オーダー¥20,000~(ザ ファット ハッター)下/ソフトハットの代名詞となっているイタリアのボルサリーノ。ヨーロッパの伊達男はそのやわらかい素材をいかし、自分流につばを波打たせたり、クラウンのつまみ部分の形にこだわっていた。もちろん、メイド トゥ メジャーで完璧なオリジナルに挑戦することも可能。選べるラビットファーの色は33色。仕上げの加工でスムース(毛足短)かガゼッラ(毛足長)が選べ、リボンカラーは約40色で、内側のベルト部分にイニシャルを入れることも。帽子オーダー¥83,000~(ボルサリーノ ジャパン) ヴィンテージのレザーコート¥65,000(アルソーレ)※価格はすべて税抜です。

当時の帽子は、ジェントルマンが愛用したフォーマルな固い山高帽と、帽子の頭にくぼみのあるやわらかい素材でできたソフトハットが主流。当時の洒落者はソフトハットを自己流の形にしてかぶるのが粋だったとか。 現代のモダンジェントルマンのスタイルの中で、意外とハードルが高いのがこの帽子かもしれません。

「何度かお店でトライするんだけどシックリこなくて…」という声も耳にします。これは色やつばの幅、クラウンの高さの違うものをかぶり比べていないことも一因。そうしたことができるのは帽子が充実した専門店に限られるためかもしれませんね。

さて、そんな中で、今季のおすすめはイタリアの老舗ボルサリーノと東京の新進気鋭のザ ファットハッター。

どちらも経験豊かなスタッフがファーストハットにトライしたい人から、自分だけの帽子が欲しいというオーダーにまで対応可能。この店に足を運んでこそモダンジェントルマンの完成です。

※2018年冬号掲載時の情報です。
この記事の執筆者
TEXT :
大西陽一 スタイリスト
BY :
MEN'S Precious2018年冬号、Butler Bertie's Clipping 執事バーティー
『メンズプレシャス』創刊時から、数多のスタイリングで活躍する。とりわけ、高度なテクニックを必要とする、グレーやベージュの淡い色調を、実にリアルで品のいいコーディネートに落とし込める感性の持ち主だ。紳士が知っておくべき伝統的な着こなしの奥義を、ロジカルにつくり上げる名人である。
クレジット :
撮影 両角 潤(juno)
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