当時のジェントルマンのスタイルに欠かせなかったのが帽子とステッキ。中でも帽子は、それをかぶらないで外出することは現代の感覚で言えば靴やズボンをはいていない感覚に近いほどで、当時のイラスト画や写真を見ると労働者でない限りは必ずなんらかの帽子をかぶっています。
モダンジェントルマンの仕上げは、帽子専門店でのひとときで
素材も作りもブランドの数だけこだわりがある
当時の帽子は、ジェントルマンが愛用したフォーマルな固い山高帽と、帽子の頭にくぼみのあるやわらかい素材でできたソフトハットが主流。当時の洒落者はソフトハットを自己流の形にしてかぶるのが粋だったとか。 現代のモダンジェントルマンのスタイルの中で、意外とハードルが高いのがこの帽子かもしれません。
「何度かお店でトライするんだけどシックリこなくて…」という声も耳にします。これは色やつばの幅、クラウンの高さの違うものをかぶり比べていないことも一因。そうしたことができるのは帽子が充実した専門店に限られるためかもしれませんね。
さて、そんな中で、今季のおすすめはイタリアの老舗ボルサリーノと東京の新進気鋭のザ ファットハッター。
どちらも経験豊かなスタッフがファーストハットにトライしたい人から、自分だけの帽子が欲しいというオーダーにまで対応可能。この店に足を運んでこそモダンジェントルマンの完成です。
- TEXT :
- 大西陽一 スタイリスト
- BY :
- MEN'S Precious2018年冬号、Butler Bertie's Clipping 執事バーティー
- クレジット :
- 撮影 両角 潤(juno)