イタリア初のスターバックス・ミラノ店
兼ねてからバルセロナやウイーンなど他のヨーロッパ諸国の首都を訪れるたびイタリアにスターバックスが上陸する日は果たして来るのだろうか? と考えたこともあったが、イタリア初のスターバックスは、キャラメルフラペチーノがあったり、ソイラテがあるような、いわゆる誰もが知るスターバックスとは一味違った、世界3店舗目となる高級ライン「リザーブ・ロースタリー」なのだ。
ミラノの街並みをイメージした店内はイタリアならでは!
黒服のセキュリティが警備に目を光らせる入り口を抜けると、確かに天井も高く広大なスペースだが、新しいというよりも昔からここにあったかのような印象がある。
それは古いバールによくあるモザイクタイルや大理石のカウンターなどが古き良きイタリアの雰囲気を上手に醸し出しているからなのだろう。
右手にはイタリアには珍しい長い楕円形のカウンターでコーヒーを楽しむ人たちや、中央には巨大なロースターがあり常時スタッフがコーヒー豆を出し入れしている。
一階はほぼ満員だったので中二階にあるカフェ・スペース「アリヴィアーモ」へ。ここではスタッフが席まで案内してくれるばかりか荷物やコートを預かるクロークもある、ホテルのカフェラウンジのようなサービス。
メニューを見るとオリジナル・ブレンド「リザーブ2018」「パンテオン2018」などの他産地別にスマトラ、タンザニア、ブラジルなど合計20種類。
抽出法としてドリップ、インフュージョン、水出し、サイフォン、カフェモカがある他にカウンターではバリスタがシェイカーを振るカクテルのスタイル、ミクソロジーも提案している。
選んだのは冷たい水出しコーヒー「ニトロ・ドラフト」から「ニトロ・コールド・ブリュー TALL₡5.50」、エスプレッソを氷と共にシェイクしたカフェ・シェケラートとは違い、水出しならではの柔らかなカフェインとほのかな酸味で非常に飲みやすいコーヒーだった。
確かに一般のスターバックスからすると価格は3倍近いがサービスを考えると手頃な値段ではないだろうか。
ちなみにベーカリー部門はミラノ市内に数店舗構える「プリンチ PRINCI」が運営。
ブリオッシュ、トルタ、パニーノ、マフィン、パネットーネ、ピッツァ、パニーノと揃い、アペリティーヴォの定番スプリッツはじめワインからグラッパまでバール同様アルコールのラインナップも充実しているところが通常のスターバックスとは違う点で、朝、昼、夕方、夜と使い分ける楽しみもある。
もしミラノを訪れたなら、物見遊山を兼ねて一度試す価値はある。
「Starbucks Reserve Roastery(スターバックス リザーブ ロースタリー)」
- TEXT :
- 池田匡克 フォトジャーナリスト