1世紀を超える歴史を持つ日本の機械式時計

「セイコー プレザージュ プレステージライン 漆・白檀塗 限定モデル」

●ケース材質/ステンレス・裏ぶた:ステンレス+サファイアガラス ●バンド材質/クロコダイル ●ケースサイズ/縦47.8×横40.5×厚さ12.8 ㎜・94.0g ●キャリバー/No6R21 ●駆動方式/メカニカル ●自動巻(手巻つき) ●駆動期間/最大巻上時約45時間持続 ¥270,000(セイコーウオッチお客様相談室)※税抜価格、2000本限定

ベースに採用する漆黒の文字盤は、金属に漆を重ねる革新的な手法と、平滑面を生み出す古来伝承の技を合わせ、何十回もの塗りと研ぎを繰り返すことで創生されたものだ。

漆の美しい光沢をたたえながら、針の動きを妨げない厚みに仕上げるには、高度な技術が必要とされるが、このモデルは漆黒文字盤の上に、さらに伝統的な漆芸「白檀塗」をあしらう。

3時と5時に位置するサブダイヤルに見られる独特の飴色こそ、白檀塗特有の色味。下地となる漆文字盤に重ねるように金属粉を塗布し、何層にも、褐色味を帯びた透漆の塗りと研ぎを繰り返すことによって、暁の空からしぼったような色が生まれるという。

白檀塗の空にあたかも月のように浮かぶ、9時位置の金色の曲線には、漆芸の装飾手法のひとつ「蒔絵」が描かれる。白檀塗と同じように、漆地に接着剤となる漆を施し、その上から金色の金属粉を蒔いて固めて加飾する。

この蒔絵が、しっとりとした文字盤に華を添えている。監修には、加賀蒔絵をあしらった高級万年筆などで世界的に名高い漆芸家、田村一舟氏を起用。完成までに、多くの漆器職人が携わることで、いわば漆芸の競演を実現している。

金銀箔や粉、金銀の塗料の上から塗り重ねることで独特の飴色を表現する「白檀塗」の技法。文字盤に独特の奥行きをもたらす。
金色のダイヤルに華やかさをもたらす「蒔絵」。はじめに漆器の表面に漆で絵や文様、文字などを描き、漆が乾燥する前に金属粉を蒔き漆面に定着させる古来から伝わる技法。

艶やかな漆の美しさを引き立てる、エレガントなフォルムのケースは、筋目と鏡面で研磨の仕上げを分け、ガラスには、どの角度からも漆の魅力が伝わる、デュアルカーブサファイアガラスを採用。光の反射を抑えるセイコー独自のスーパークリア コーティングも施されている。

日本伝統の美意識と時計作りの至高の技術の邂逅から生まれた芸術品といえるだろう。

漆や白檀塗文字盤は、漆芸家 田村一舟氏が監修。緻密な技術から創り出す精緻な美しさが見るものを魅了する。
三日月をイメージした金色の弓なりがデザインされたシースルーバック仕様、ダイナミックな回転錘の動きや精緻なてんぷの動きを見ることができる。Limited Edition の文字と、0001/2000~2000/2000 までのシリアルナンバーが記される。
限定本数は2000本。特注の桐箱に収められている。

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この記事の執筆者
主にモノ雑誌を中心に’80年代から活動するライター。トレンド製品や斬新な着想から生まれたガジェット全般の執筆に取り組む一方で、腕時計やバッグ、シューズといった、男の逸品をテーマにした記事も手がけている。
WRITING :
安藤政弘
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