観るなら「昼公演」? 「夜公演」?

まず、あなたが旅行者で、特別なミュージカル好きでないのであれば、最初は昼公演(マティネー)をご覧になることをオススメ。理由は2つ。

 ひとつは、旅の途中で観る夜公演は、疲れて眠くなる確率が高いから。時差ボケで昼公演でも眠くなるかもしれないが、夜公演は、直前に食事をすませていたりすると睡魔に襲われる可能性大。

写真:Jose Fuste Raga/アフロ
写真:Jose Fuste Raga/アフロ

 もうひとつは、前の理由とも関連するが、夜公演を観るとすると食事の時間が中途半端になる。劇場街周辺のレストランでは「プレシアター・ディナー」が用意されていて、開演時間前に済ませられるように配慮されていたりするが、なんとなく気が急くし、お酒も控えめにしないと眠気の原因になる。それに、最近は19時始まりの演目が多くなっているから、よけいに早く切り上げる必要が生じる。かと言って、終演後にすると、早くても22時前後にはなる。もちろん、それを見越して開いている店も多いが、翌日のことを考えるとあまりゆっくりもできない。

 ……というわけで、まずは昼公演で試してみるのがいいと思うしだい。

 昼公演は一般に、水曜、土曜、日曜の13時~15時開演。『オペラ座の怪人』だけは水曜の代わりに木曜の昼公演がある。ただし、ホリデイ・シーズン等は変則になるので、ご注意を。


「チケット」の入手

 で、なにはともあれ作品選びだが、ハナから観たい作品があるなら、それに越したことはない。が、ここでは、あなたが「ミュージカルってどうなの?」と半分疑問に思っている場合を想定して、そんな方でも楽しめる娯楽性の高い新作『キング・コング』(※2018.11.21配信記事)で話を進めよう。

 まずはプレイビルのサイト(http://www.playbill.com/)を開く。最上段のバーにある「SHOWS」から「BROADWAY」→「King Kong」と進む。このページに知りたい情報のほとんどが載っている。作品の概説、劇場の場所(住所をクリックすると地図が出る)、上演スケジュール、上演時間、主要スタッフ&キャスト、公式サイトへのリンク等々。

 そんな中に「BUY TICKETS」のボタンがあるのでクリック。ウィンドウが開いて、「BUY TICKETS」と「VIEW DISCOUNT OFFERS」という2つのボタンが出てくる。最終的には同じサイトに飛ぶのだが、ここでは、とりあえず「VIEW DISCOUNT OFFERS」をクリック。次のページに「BUY TICKETS ONLINE」というボタンがあるので、その下側の「BUY TICKETS」をクリック。飛んだ先がチケット購入サイトになる(注:「VIEW DISCOUNT OFFERS」の代わりに「VIEW ALL BROADWAY DISCOUNTS」というボタンが出る作品もあるが、その場合はディスカウントがないので最初から「BUY TICKETS」をクリック)。

 以下、購入サイトの「FIND TICKETS」のボタンを押して、希望の枚数・日時を選び、出ているパスワードを入力して、席選択ページに飛ぶ。『キング・コング』はオーケストラ(1階席)前方が楽しいが、そこは空き具合とお値段で。席を決めた後、クレジット情報その他を入力し、受け取り方法を劇場窓口預かりにして、購入終了。

 と、まあ、これが一般的なネット購入法。もちろん他に、劇場窓口で直接買う、ディスカウント当日券売場TKTS(https://www.tdf.org/nyc/7/TKTS-Overview)で買う、アプリTODAY TIX(https://www.todaytix.com/)経由で買う、といった方法等もあるが、最初は、わかりやすくて、ディスカウントがあって、寒い中並ばなくてもいい、このネット購入がオススメ。

 購入したチケットは、観劇当日に劇場窓口で受け取る。窓口では「Will call」または「Picking up」と言って苗字を言う。クレジットカードを出せば確実。


劇場までの「足」

オススメは確実な「徒歩」

写真:Assaf Frank/アフロ
写真:Assaf Frank/アフロ

 ブロードウェイの劇場街は、東西が六番街(6th Avenue)と九番街(9th Avenue)、南北が41丁目(41st Street)と54丁目(54th Street)の間にある(例外はリンカーン・センターにあるヴィヴィアン・ボーモント劇場)。なので、ミッドタウンに滞在していれば、だいたい歩いて行かれる。ちなみに『キング・コング』の劇場は53丁目とブロードウェイの角にある。

次いで「地下鉄」

写真:AGE FOTOSTOCK/アフロ
写真:AGE FOTOSTOCK/アフロ

 ホテルが離れている場合は地下鉄で近くの駅まで移動。A/C/Eライン、1/2/3ライン、N/Q/R/Wラインの、42~50の数字の付く駅のどれかが近いはず。リンカーン・センターは1/2/3ラインの66St駅が直近だが、59St/Columbus Circle駅も近い。電車は頻繁に来るとは限らないので時間は余裕をもって。ことに土日は本数が少なめで、止まる駅が変則になることもあるので注意が必要。

タクシー」や「バス」は避ける

 タクシーやバスは時間が読めないので避けたい。道は普段でも混んでいることが多いが、開演時間が近づくと劇場街全体が混み始めるので、やむなくクルマで移動する場合は、お早めに。


ドレスコード

 服装の規定はない。例えば、ジーンズにTシャツでも恥ずかしくはない。一方、背中の開いたドレスを着ている女性もいる。つまり、最高のエンターテインメントを味わう場に来て、それぞれが思い思いにオシャレをしているわけだ。なので、それなりにこだわってみるのも楽しい。

 ただし、徒歩や地下鉄移動の場合は、それを前提に。また、開場は開演30分前だが、長い列ができて並ばされることが多いので、天気の悪い日は足元にもご注意。

 今の時期は着込んでいるので大丈夫だが、夏は冷房が効きすぎて寒いことがあるので一着余分に。

 あと、手荷物は少なめに。クロークがない劇場も多い。買い物をした時は一旦ホテルに置いてから出かけたい。

 それから、最近は必ず手荷物検査があり、危険物とは別に飲食物の持ち込みも禁止なので、ペットボトルの持ち込みが認められない場合もある。ご用心。


劇場の中で

 チケットをチェックする係員が、入ってどちら方向へ進むかを言ってくれる。聞き逃したら、中にいる係員に尋ねればいい。

 客席の入口まで行くと案内係(アッシャー)がいて、チケットを見せると席まで案内してくれる。が、劇場によっては「何列めの何番目」と言うだけの場合もある。席の番号の振り方が日本とは違うので注意。例えば『キング・コング』の場合は、オーケストラ(1階席)のステージに向かって右側が奇数、左側が偶数、中央が100番代の連番、といった具合。

 プレイビルという無料プログラムは、この案内係から受け取る。

 劇場内にはバーがあって、飲み物(アルコールも各種ある)やスナックを売っている(チップをお忘れなく)。で、昔は考えられなかったことだが、客席に持ち込むことができる。ただ、氷の入った飲み物は音がするので、上演中に飲むのは遠慮したい。

 また、休憩は15分しかなく、トイレは混む。特に女性トイレは大変混むので、同伴の方がいる場合は気をつけた方がいい。

 TシャツやCD等の土産物の購入には、ほとんどの劇場でクレジットカードが使える。

 以上。ニューヨークでミュージカルを安心してお楽しみあれ。

この記事の執筆者
ブロードウェイの劇場通いを始めて30年。オンのミュージカルは99.9%網羅。たまにウェスト・エンドへも。国内では宝塚歌劇、歌舞伎、文楽を楽しむ。 ミュージカル・ブログ「Misoppa's Band Wagon」(https://misoppa.wordpress.com/)公開中。 ERIS 音楽は一生かけて楽しもう(http://erismedia.jp/) で連載中。
公式サイト:ミュージカル・ブログ「Misoppa's Band Wagon」