お正月は、新年のお祝いムードで、いつもより気分が浮かれる時期。そんなとき、つい「お祝いごとだから」とやったことが、相手にとっては迷惑になることもあります。そこで今回は、お正月に無意識にやってしまいがちなNG行動5つについて、ダメな理由と代替え策を日本マナーOJTインストラクター協会会長の笹西真理さんに教わります。

無意識にやってしまいがち!お正月に避けたい迷惑な行い5選

■1:元旦早々のアポなし訪問

「これはかなり迷惑になってしまい、避けるべき行動と言えるでしょう。そもそも『正月』とは1月の別称であり、元旦とは1月1日の午前を指します。日本人はわざわざ正月に『お』という敬称を付け、さらに『睦月』と呼び、家族が睦み(むつみ)合って、つまり、なれ親しみ合って過ごす大切な月としてきました。

そして元旦には、それぞれの家庭に『年神様』という新年の幸福をもたらす神様がいらっしゃいます。そんなときに、家族でもない人がそのお邪魔をしてはいけません。新年を『迎える』と言うのも、この神様をお迎えするといころからきているのです。ですから、家族の大切な時間を守る配慮が必要です。

大切な知人ということであれば、事前にアポイントを取り、三が日の正午以降、15時ごろまでに終えるように訪問してはいかがでしょうか」

■2:「正月休みなしで働きづめなのよ」などの愚痴メールやLINE

大変なのはわかるけど、ここは気遣いが必要です。
大変なのはわかるけど、ここは気遣いが必要です。

「これも大きな迷惑となります。愚痴メッセージを受ける立場になってみれば、容易にわかることですよね。元日は『幸福を願い、一年の計』を立てる日です。自らのマイナス言葉で、相手に嫌な気分を正月早々させるのはやめましょう」

■3:相手が喪中なのに平気でお祝いメッセージを送る

思いやりを忘れずに。
思いやりを忘れずに。

「知らなかった場合は仕方がありませんが、これも配慮が足りないと言えます。そもそも『喪中』は喪に服す側が新年の喜びを伝えられない期間です。お相手に『挨拶ができない』という気を遣わせないために、自ら控えましょう。もし年が明けてから何かご挨拶をしたい場合、寒中見舞いとして、松の内の1月7日をすぎてから節分までに出すとよいでしょう」

■4:そんなに近しい間柄ではないのに、新年早々、電話や豪華すぎるメールをする

適切な距離感も、マナーの一つです。
適切な距離感も、マナーの一つです。

「これはまったくNGという行為ではありませんが、相手を戸惑わせる可能性が高いでしょう。関係性に合ったアプローチを心がけることが大切です。何かを行動する前に、相手がどう思うか立ち止まってみましょう。日ごろは配慮できていても、お正月はお祝い気分で気分も浮かれているものですので、普段とは違う行動に出てしまうことも。

結果的に『気遣いの欠けた迷惑な行い』と判断されてしまわないように、お正月も慎重に行動しましょう。そのためには、先にお伝えした『正月』の本来の意味を理解しておくと良いです」

■5:深夜0時の「あけおめ」メール

一度冷静になることも必要です。
一度冷静になることも必要です。

「現代ではまったくNGということではありませんが、元日とはいえ『0時』に連絡をするのは、特に相手によっては、大人の女性としてふさわしくない行動と言えるかもしれません。軽はずみな行動は避けて、相手に応じて慎重に行動しましょう」


お正月は、どうしても気分が高揚して、無意識にいつもとは違う行動をしてしまいがち。しかし、自分の軽はずみな行動により、相手は「新年早々、迷惑な人」とウンザリし、せっかくのお祝いムードを台無しにしてしまうことにもなりかねません。気づかずにやってしまわないように、これらのNG行動をヒントにして、お正月にはぜひ、相手の気分をよくするような、大人女性にふさわしい行動をしたいものですね。

笹西真理さん
トゥルース代表取締役 、日本マナーOJTインストラクター協会会長、マナースクール Grace主宰
(ささにし まり)客室乗務員退職後、飲食・小売関連の販促・広告戦略のコンサルタントとして活躍。 その後、Truth、マナースクール Grace、日本マナーOJTインストラクター協会を設立。現在は企業・各種団体で人材育成の指導を行う一方、接客・接遇のプロ養成に力を注ぐ。
日本マナーOJTインストラクター協会HP
この記事の執筆者
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WRITING :
石原亜香利