感動のシーンの裏にこの人あり!伝説の衣装20点を展示

私たちに感動を与えてくれた数々の場面を彩ってきた衣装。例えば、ソチオリンピックでの浅田真央さんのフリースケーティングは、何度見てもぐっとこみ上げるものがあります。その衣装を手掛けたのは、スタイリストでジュエリーデザイナーとして自身のブランド「CASUCA」でも活動する安野ともこさん。

映像作品や舞台で数多くの女優やトップアスリートを輝かせてきた、安野ともこさんの世界を体験できる展覧会では、普段は実物を見ることはできない衣装の数々を展示。展示されている衣装は、TBSドラマ『監獄のお姫さま』で満島ひかりさんが着た赤いドレスや、小泉今日子さんがCD「N°17」で着用した白のワンピース、長澤まさみさんが舞台『キャバレー』で着た衣装など、話題を呼んだ作品ばかり。

なかでも注目なのが、フィギアスケート浅田真央さんのソチオリンピックやアイスショー”サンクス・ツアー”で実際に使用したウェアや衣装。浅田真央展などでも展示されていましたが、こちらの会場では後ろからもチェックできるように展示されているので、より記憶にある感動の場面と重ね合わせながら鑑賞できます。

さらに、平昌オリンピックで金メダリストになったアリーナ・ザギトワさんの出演で話題になった2018年のTVCM「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」の衣装も展示。

さらに、2019年に新たに放送されるCMでエフゲニア・メドベージェワさんが着用した衣装も展示と、安野さんの最新作まで鑑賞できる盛りだくさんの内容となっています。

浅田真央さんが実際に着用したフィギュアスケート用の衣装のコーナー。左奥のものは、展示終了後に再び真央さんが「サンクスツアー」で着用する予定。
浅田真央さんが実際に着用したフィギュアスケート用の衣装のコーナー。左奥のものは、展示終了後に再び真央さんが「サンクスツアー」で着用する予定。
ソチオリンピックでのラスト、フリースケーティングで着用した衣装も展示。(写真右)
ソチオリンピックでのラスト、フリースケーティングで着用した衣装も展示。(写真右)
会場外からみると、衣装の背中側を見ることができます。
会場外からみると、衣装の背中側を見ることができます。
Coming Soon...の位置には現在、メドベージェワさんが着用した衣装を展示。
Coming Soon...の位置には現在、メドベージェワさんが着用した衣装を展示。
満島ひかりさんがドラマ『監獄のお姫さま』で着た赤のロングドレス(写真中央)と、長澤まさみさんがミュージカル『キャバレー』で着用した衣装(写真左右)
満島ひかりさんがドラマ『監獄のお姫さま』で着た赤のロングドレス(写真中央)と、長澤まさみさんがミュージカル『キャバレー』で着用した衣装(写真左右)
大小さまざまなサイズのスパンコールを組み合わせるなど、細部までつくりこまれていることがよくわかります。
大小さまざまなサイズのスパンコールを組み合わせるなど、細部までつくりこまれていることがよくわかります。

作品を実際に見て、これからつくる人に新たな作品づくりの励みにしてほしい

安野ともこさん。着ていらっしゃるTシャツも会場にて販売されています。
安野ともこさん。着ていらっしゃるTシャツも会場にて販売されています。

オープニングの日に会場にいらっしゃった安野ともこさんにお話を伺いました。

作品づくりにおいて、こだわっている点はありますか?

「発注者、着る方ありきなので、その方のシチュエーションとその方の想いと、着る人のイメージをどれだけ魅力的に見せられるかということをいつも考えています。私はこうじゃなきゃいけないというこだわりは持っていないのですが、ただ好きなものがはっきりしているので、どうしても私らしいイメージのものになってしまうみたいですね」

こうして一堂に集めてみると、共通するものを感じます

「そうですね。私はこっくりとしたものはあまりつくらないようで、あっさりとした感じになると思うのですよ。フィギュアの衣装でも、大きな石をバーっと使うよりも、細かい石で時間がかかっても。浅田さんの衣装でも、いつも石は8000から1万個ぐらい付けたりするので、世界にしても日本人らしさというか、奥ゆかしさみたいなものをなんとなく表現したいのかなと自分でも思っていて。その人の内面が見えるような衣装を心掛けています」

浅田さんとのご縁はどんなきっかけからだったのでしょうか?

「浅田さんとは彼女が17歳だった11年前にコマーシャルの仕事でご一緒させていただいたのがきっかけでした。CMのなかでもフィギュアの衣装のようなものが多かったので、それを着ていただくうちに競技の衣装もぜひとなり、それがオリンピックまで発展したのはありがたいことです。浅田さんとは何度も対話を重ねて、浅田さんの想いを伺い、そこに対して私が引き出しを開けてお見せして、『これありかな、これはどうかな』というやりとりをいつもたくさん繰り返しています」

今回の展示は初めての試みと伺いましたが、今後についてはいかがでしょうか?

「キャリアとしては長いですが、衣装づくりという点ではまだ新参者。こういった形でやらせていただけるのはありがたい。今回の会場となったandMade北参道は、ものづくりの場になっています。実際に作品を見ていただくことにより、学生さんとかこれから服をつくる人たちにとっての励みになるとか、気持ちがアップできるようにものを提供できれば。皆さんが実際に見るとすごいんですねっていってくださるので、展示はどんどんやっていきたいですね」

本展示では作品を間近で見られるうえに、撮影もOK! 伝説の舞台を支えた緻密なアートワークの数々を実際に目にする機会を逃さないで!

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この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
北本祐子