メディアに出ている億万長者は、何の努力もしていなさそうに見えますよね。

しかし、何もせずに大金が手に入ることはほとんどありません。私たちの見えないところで、いろいろなものを切り捨てて成功をつかんでいます。例えば、誤った価値観や人間関係、過去の栄光など。もうひとつ上のレイヤーに行きたいなら、今すぐ余計な思い込みやこだわりを脳内からなくすことが必須!

そこで今回は、お金持ち事情に詳しい経営コンサルタントの金川顕教さんと、不動産会社デグチパーキング代表取締役社長の出口和生さんのふたりに、どんな考えを捨てた方がいいのか教えていただきました。以下から、お金持ちがこれまでに不要と判断してきた概念や、価値観を紹介します。

成功者ならではの思考回路を真似して、どんどん億万長者に近づきましょう。

お金持ちがこれまでの人生で「不要」と判断してきた概念・価値観7選

■1:「やらない」という選択肢は不要

「やらない」という選択肢を捨て、進めそうな道どちらかを進もう
「やらない」という選択肢を捨て、進めそうな道どちらかを進もう

何か新しいことにチャレンジするとき、まず本当にやるのかどうかを考えてしまいますよね。しかし、金川さんは「悩んで決断力を浪費するのは時間の無駄」と語ります。

「何事も最初から選択肢を少なくすれば、悩まずに生活できるようになり、時間のロスを減らせます。だからこそ『やらない』という選択肢をなくして、すぐにやる。始めるのが早いほど、結果も早く出ます。このときの判断基準は、やりたいか・やりたくないか。できるかどうか、やるべきかどうかは考えないようにしましょう」(金川さん)

「失敗するかもしれない」「まだやるべきではないかもしれない」などと思い悩んでしまい、本当にやりたいことをやれずにいる人は、案外多いのではないでしょうか。しかし、その悩んでいる時間が、実はタイムロス。まずは自分の中にある常識を打ち破ることが、必要なのかもしれませんね。

■2:「がんばった」という自己認識は不要

職場のだれよりも長く残業し、寝る間も惜しんでがんばってしまう人は、身近にいませんか? 金川さんによると、この「がんばっている」という自己認識は良くないのだそう。

「『寝ないでがんばっているから、きっと結果が出るに違いない』と思っているうちは、運も結果もいまひとつ。がんばりすぎて自分のキャパシティを越えると、メンタルに悪影響を及ぼしたり、体調を崩したりします。

逆にちょっと肩の力を抜いて、無理せずにいるほうがツイていたり、結果も良かったりするもの。がんばったという達成感や自己認識を捨てて、楽しいことや、うれしいことが入る余裕を持つことが大切です」(金川さん)

そもそも「がんばる」という言葉には、「やりたくないことを無理にやっている」というニュアンスが含まれていると金川さんは指摘します。これがもし「やりたくてやっていること」なら、がんばることはないはず。普段から「自分はがんばっている」と考えがちな人は、特に注意しましょう。

■3:高い自己評価は不要

高い自己評価は捨てよう
高い自己評価は捨てよう

「自分はあの人よりも仕事ができる」という考えは、少なからず職場での自信につながるもの……ですが、こういった高い自己評価は、ビジネスシーンでは不要である、と金川さん。

「自分より優秀な人が世の中には多い、という認識を持つことが重要。たとえば『自分がやらなきゃ』という考えはうぬぼれに等しく、ビジネスでは損をすることが多いので要注意です。自分の実力を冷静に見極めて、自分よりも優秀なパートナーを持つことで、今よりももっと成果が出せるようになるでしょう」(金川さん)

実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざがあるように、成功している人ほど謙虚さを忘れません。優秀なパートナーを得られれば、人格の面でも多くを学ぶことができそうですね。

■4:「過去の成功」体験アピールは不要

あなたの身の周りに、自分の自慢話ばかりで煙たがられている人はいませんか? 仮に相手が取引先の重役なのであれば、話を合わせて盛り上げるところですが、職場の上司や同僚であれば、周りの目は冷ややかです……。出口さんによると、このように過去の栄光に囚われているのはNGなのだとか。

同じ自慢話を繰り返すのは、その人の人生が停滞している証拠。今と昔では成功の条件が違うので、過去の成功体験を捨てないと、時代に合わなくなって衰退します。大切なのは過去ではなく、今です。過去の成功体験を人に言い続けている時間があったら、明日のことを考えましょう。たとえあなたが何歳であろうとも、考えるべき未来はありますよ」(出口さん)

過去の成功にすがり、それを繰り返すだけでは、やがて時代に取り残されてしまいます。輝かしい過去の成功体験は、自分の心の奥にしまっておきましょう。

■5:ルーズな人との付き合いは不要

ルーズな人との付き合いはやめよう
ルーズな人との付き合いはやめよう

あなたの身の周りには、どんな友達がいますか? 話していて感じのよい人、ポジティブな人、ネガティブな人、時間にルーズな人……さまざまな人がいるはずです。出口さんは「人間は周囲の人の影響を必ず受ける」と言います。そのため、付き合う人は厳選するのがよいでしょう。

「運の悪い人やルーズな人、ネガティブな人など、マイナスな波動を感じる人と付き合うと、マイナスな影響を受けてしまう危険性があるので、注意が必要です。経営の神様とも呼ばれる松下幸之助氏も、運の悪い人と付き合ってはいけないと言っています。

わたしは、たとえ5分でも約束の時間に遅刻するような営業マンからは、モノを買いません。『謙虚さをなくす兆候は、時間にルーズになること』という言葉を聞いたことがあります。忙しいのは誰もが同じです。反対に遅刻知らずの人は、信頼できる人だと見極めてよいでしょう」(出口さん)

運の悪い人や時間にルーズな人、ネガティブな人を好転させることは、こちらの運気を差し出す覚悟がいるほどの難題だと出口さんは言います。往々にして手を差し伸べた自分まで運がない状態に巻き込まれてしまうため、そういった人からは距離を置くのが無難です。

■6:嫉妬心や感情の波は不要

職場内に成績を競い合うライバルのような存在がいて、相手に負けないために自分も努力する……。そういう経験をされたことがある、という方も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか? しかしながら、このような競争関係は、一歩間違えれば相手への嫉妬心を生む危険性も。

金川さんは「感情の起伏は、パフォーマンスを落とす大きな原因になる」と警鐘を鳴らしています。

「仕事において、勝った負けたというような感情の起伏は、自分の視野を狭め、判断を鈍らせ、結果的にパフォーマンスを落とす原因になることがあります。ビジネスシーンでは、良いときも悪いときも常に平常心を保つことが大事。そのためにはまず、周りと比較しないこと、それから仕事を好きになって楽しむことです」(金川さん)

他者と比較することがモチベーションアップに繋がるという人は、他者ではなく過去の自分を比較するようにしましょう。昨日の自分が相手なら、嫉妬心が生まれることはありませんね。

■7:愚痴や批判を口に出すことは不要

愚痴や批判の吐露はやめよう
愚痴や批判の吐露はやめよう

日常生活において不満を感じる場面は、だれにでもあるでしょう。だからといって、愚痴をこぼしたり他者を批判したりするのは時間の無駄。

「愚痴や批判は何も生み出さないので、時間の無駄です。愚痴を言う時間があったら、自分の将来にプラスになることに使ったほうがいい。また、他人を批判することはマイナスしか生みませんから、批判ではなくアドバイスをしましょう。相手のために、という『for you』の気持ちで考えれば、改善の方向へ持っていく視点に切り替えられるはずです。

とはいえ、ときには愚痴を言いたくなることもあるかもしれません。そうならないために、私は『うまくいったら周りのおかげ、ダメだったときは自分のせい』と考えます。人のせいにしなければ、周りに不満をぶつけることはなくなります」(金川さん)

「現状をもっと良くしよう」という前向きな気持ちと、相手のためを思う気持ちがあれば、自ずと愚痴や批判を他者にぶつけることはなくなります。うまくいかなかったときに「人のせいにしない」という、心の余裕も忘れてはいけませんね。

以上で紹介してきた7つのような、形のないものを捨てることは、頭ではわかっていても、なかなか難しいもの。

しかし金川さんは、「本心から価値観を変えようという気持ちがないと結果は出ない」と語っています。「二兎追う者は一兎をも得ず」という言葉があるように、「お金持ちになりたいけれど、今の習慣は変えたくない」といった気持ちでは、目標を達成できないのです。

また、出口さんによると、これまでの習慣や価値観などの概念を捨てるためには「やらないことを決めておく」ことが大切なのだとか。つい過去の考えに引き戻されてしまったら、これらのアドバイスを思い出してください。何度も繰り返し頭に叩き込むことで、自分の考えを改める原動力になるはずです。

金川顕教さん
経営コンサルタント、ビジネスプロデューサー、投資家、事業家、作家
(かながわ あきのり)経営コンサルタントとして不動産、保険代理店、出版社など、さまざまなビジネスのプロデュースに携わる。ビジネス書や自己啓発書、小説などの執筆も行なっており、累計発行部数は20万部以上。近著に『年収300万円の人の悪習慣 年収1000万円の人の良習慣 年収1億円の人のすごい習慣』(サンライズパブリッシング)などがある。
公式サイト
出口和生さん
デグチパーキング代表取締役社長
(でぐち かずお)28歳のときに設立した不動産会社を37年間、経営中。不動産投資などを含め、年収は1億円を超える。自宅地下に個人図書館を所有するほどの読書家で、年間読破数は2000冊以上。近著に『年収1億円の社長が教える「上手に捨てる人」と「捨てるのが下手な人」のルール』(秀和システム)がある。
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この記事の執筆者
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WRITING :
上原純