大勢の人に尊敬されるような人間になりたいと思うことはありませんか? 社会的に成功している人物は、単に能力が高いだけでなく、おしなべて人間的魅力も高いもの。

眩しくなるような輝きや存在感があるから、周囲の人から応援してもらえて、ますます大きな成功を収められる……。これが最高のスパイラル。そんな素敵人間に、些細なことでレベルアップできるのであれば取り入れてみたいですよね。

今回は、リーダーシップ・行動心理学の研究者である池田貴将さんから、人間力が高い人が実践している良習慣について教えていただきました。いくつになっても人は変われます。これから少しずつでも以下の8つを意識して、魅力的な人間に近づいていきましょう!

些細なことだけど確実に「人間レベルが上がっていく良習慣」8選

■1:人のために見返りを求めず行動する

相手を純粋に喜ばせたい

他人に喜ばれることをすればするほど周囲から慕われる。これは、誰もが疑わない自明の理でしょう。では、あなたは相手を喜ばせる行為をどのような動機で行っているでしょうか?

池田さんによれば、人間力の高い人は、見返りを求めることなく、ただ相手が喜ぶのがうれしいからというナチュラルな気持ちで日々の行動を決定しているとのことです。

「人間力の高い人は、自分を使って相手を喜ばせたい。他方、人間力の低い人の場合は、周りの人を使って自分を喜ばせたい、というように両者は考え方の方向性からして真逆なんですね。

だから、同じ相手のための行動であっても、人間力の低い人はどこか見返りを求めてしまっています。そして、自分の求める見返りが得られないと、『こんなにしてあげたのに!』と憤慨して善行が長続きしないのです。

他方、人間力の高い人は、例えば仕事でメールのやりとりをする際、『どうすれば相手により読みやすいか』、『いつ送るのが相手にとって都合がよいか』など、常に相手にとってプラスになることを自然と考えます。プライベートも然りで、『このレストランはあの友人が好きそうだから今度誘ってみよう』などと、他者を喜ばせることに重きを置いているのです。

しかも、見返りを求めての行動ではないので、ずっと相手のためになる行動を継続することができます。こうした積み重ねによって、人間力の高い人の周りには味方がどんどん増えていくのです」(池田さん)

見返りを求めないからこそ、他者から褒められたり感謝されたりしなくても、「どうすればもっと相手を喜ばせることができるか」とより高い次元で考えることができ、人を幸せにするスキルもアップしていくのですね。

下心なく、純粋に「相手を喜ばせたい」という動機で、日々の行動を決定していきましょう。

■2:仕事を依頼されたとき自分が相手の役に立てるかどうかを第一に考える

敢えて依頼を断るほうが相手のためになることも

スケジュールが詰め詰めの状態で、上司から複雑な仕事の依頼をされた場合、引き受けるべきか否か? 相手のための行動をとる……ということであれば、引き受けるのが正解とも思えますが、実は敢えて断るほうが人間力の高い判断ということもあるようです。

「仕事を依頼されたときに、スケジュールが厳しい状態なのに、『やっておきます』と安請け合いしてしまう人がよくいます。もし、それが相手のためではなく、単に自分がいい顔をしたいという動機であれば大いに問題です。

安易に引き受けて期日に間に合わなかったり、ギリギリ間に合っても仕事のクオリティーが低かったりすると、結局は依頼してくれた人の期待を裏切ることになります。このように、その場の気分でイエス、ノーの判断をしていては、周囲の信用は失墜する一方です。

他方、人間力の高い人は、無理筋の依頼に飛びつくようなことはしません。依頼内容と自分のスケジュールを冷静に加味したうえで、自分が相手のお役に立てないと判断すれば、速やかにお断りします。

そのかわり、自分が『やる』と相手に約束したことは何がなんでも必ず遂行する。自分がいい顔することよりも、自分が相手に役に立てるかどうかというブレない軸で判断しているのです。

この軸があれば、ノーを伝えても嫌われることはありませんし、むしろ『あの人は必ず約束を守ってくれる』と周囲から信用はどんどん厚くなるでしょう」(池田さん)

仕事でもプライベートでも依頼や誘いを断るのが苦手という人は多いはず。ノーが言えないのは、実は自分がいい顔をしたいだけではないでしょうか? 人間力を高めるために、その場の気分ではなく自分が相手に役に立てるかどうかという基準で判断するように心がけましょう。

■3:自分の判断に自分が責任をもつ覚悟で対応する

困難に立ち向かう

どんなに優秀な人物でも、仕事をしていくうえで、必ずミスやトラブルは発生します。大切なのは、ミスやトラブルが発生したときに、自分がどのように判断・対応するか。人間力の高い人は、どんな理不尽な状況に置かれても、自分で判断し、その結果に責任をもつ覚悟で対応するとのことです。

「スポーツの試合後のインタビューにて、選手たちは自分の勝ち負けを決して観客や天候のせいにはしませんよね。そうしたアスリートたちの結果に責任をもつという毅然とした姿勢に人々は感動し、彼らを応援したくなるのではないでしょうか。

ビジネスの世界でも同じです。例えば、お客様から想定外のクレームが発生した場合、人間力のある人は、そのクレーム内容が理不尽なものであっても、自分が担当した仕事である限り、責任をもって対応しようとします。

まず相手の話をしっかり耳を傾けたうえで、『お客様にとってプラスになるには?』、『自社にとってプラスになるには?』を総合判断して、対応を決めるのです。

自分が怒られたくないとか、自分がヘマをして恥をかきたくないという自己保身はなく、どんな結果になろうと自分の判断に自分が責任をもつという覚悟があります。

仮に、その対応によって、お客様を余計に怒らせてしまうなど、悪い結果を招いてしまったとしても、またその事態に自分の責任で対応していく。最後まで投げ出さない。

そのような覚悟のある人を、周囲の人は応援したくなるものです。たとえトラブルへの対応に誤りがあり、被害が拡大するようなことがあっても、信用を失うよりは、周囲からフォローしてもらえる可能性のほうが高いでしょう」(池田さん)

問題が起こったときに他人に尻拭いさせようとするのではなく、自分が泥をかぶる覚悟で対処するほうが、心強い援軍を得ることにつながるのですね。

■4:全く価値観の異なる人の話も否定せず聞く

どんな意見にも耳を傾ける

人間力の高い人は、人の話の聞き方にも特徴が。自分と気の合う相手だけでなく、全く価値観の異なる人の話も否定せずに最後まで聞くことができるそうです。

「自分と価値観が合わない人の話は、通常は聞いているうちに『そんなはずない!』と耳をふさぎたくなってしまうもの。

ところが、人間力の高い人は、自分と価値観がかけ離れていたり、正反対だったりする話でも、『そういう意見もあるのか』と最後まで否定せずに聞くことができるのです。

また、自分にとって耳に痛いアドバイスでも虚心坦懐に受け止めて、『それやってみます』とすぐに実践する素直さももち合わせています。

このように、どんな話でも受け入れる素直さがあるので、人間力の高い人はどんどん視野が広がりますし、有益なアドバイスや情報をもらえる機会もおのずと増えるのです」(池田さん)

逆に言うと、似たもの同士でつるんでいると、人間としての幅は狭まる恐れがあります。自分にとって居心地のいい相手とばかり付き合うのではなく、敢えて「この人、苦手かも」という人物とも臆せずコミュニケーションをはかりましょう。

■5:コスパを考えずに趣味に取り組む

読書に没入する

人間力が高い人……といえば、読書を通じて知識や教養を身につけることを心がけているというイメージがありますよね。実際、池田さんによれば、読書の習慣は重要とのこと。さらに、人間力アップの秘訣は、読み始めた本は必ず通読するという点にあるとのことです。

「人の話の聞き方でもお伝えしたように、人間力の高い人は、自分とは異なる価値観を素直に受け入れるという特徴があります。

この特徴は、読書の仕方にもよく現れていて、読んでいる途中におもしろくない、よくわからないと感じても、まずは最後まで読んでみようとするのです。

読み始めた本は必ず通読するという読み方は、一見すると非常に効率の悪い方法ともいえるでしょう。このような読書の仕方では、重厚で難解な専門書を3か月もかけて読んだのに、内容はほとんど理解できなかった……なんてことも当然起こりえます。

それでも、人間力の高い人は、その読書にかけた時間を無駄だったとは捉えません。彼らにとっては、内容がわかったかどうかよりも、その本を通じて自分の知らない世界に触れられたこと自体に意味があるといえます。

読書に限らず、美術鑑賞でも、山に散策に行くのでも、趣味というのは何らかの短期的な成果が得られるものではありません。しかし、コスパ度外視で趣味に取り組むことは感性を磨くことにほかならず、それが人間的魅力にもつながっているのではないでしょうか」(池田さん)

自分がよくわからないものはどうせ役に立たないから……とコスパを気にして切り捨てていませんか? 一見、役に立たなそうな趣味にも思い切り没入にしてみましょう!

■6:自分の「やりたい」という気持ちを尊重する

あなたにとって理想の朝の過ごし方は?

あなたは1日のスケジュールをどのように立てていますか? 人間力を高めるには、自分がしなければならないことよりも自分がやりたいことを優先させるほうがよいとこのことです。

「例えば、朝の過ごし方。多くの人は、始業時間が9時だから、8時には家を出る。そのためには、7時に起きなければならない……と、会社の都合から逆算してスケジュールを決めているのではないでしょうか。

もちろん、会社には遅刻せずに出勤する必要はあるのですが、とはいえ、自分以外の都合に振り回されてばかりなのは、かなりもったいない生き方かもしれません。スケジュールを立てる際には、周りの都合ばかりにとらわれるのではなく、自分がどのように生きたいのか、を見つめるのが大事です。

朝をどんなふうに過ごしたいか自由に考えてみましょう。朝の時間の有効活用といえば、勉強や運動などがすぐに思い浮かびますが、そう堅苦しく考えることはありません。

優雅にブレックファストをとりたい、花の世話をしたい、猫と遊びたいなど、自分が心の奥底からやりたいことを考えてみましょう。自分がやりたいことがはっきりすればするほど、そのぶん早起きするなど、行動が変わってくるはずです」(池田さん)

自分のやりたいことを実践して楽しく生きている人は魅力的ですよね。できない理由を探したり、自分以外の都合に振り回されたりするのではなく、まずは自分のやりたい気持ちを尊重しましょう。

■7:目先の問題だけを解決しようとするのではなく「どういう自分になりたいか」という視点を持つ

高い視点から考える

人間力の高い人はトラブルに直面したとき、自己責任で解決しようとするというのは前項のとおり。もうひとつの特徴として、彼らはただ目先の問題を解決しようとするだけでなく、「どういう自分になりたいか」という視点をもつ傾向があるようです。

「例えば、僕自身の経験なのですが、ぎっくり腰になった場合、腰の痛みを消すことだけに目を向けるのか、二度とぎっくり腰に悩まされない健康な自分になりたいという視点をもつのかで、脳に入ってくる情報量が雲泥の差になります。

現在の痛みにのみとらわれていると、ただ受身の姿勢で治療を受けて、その痛みがおさまるだけで満足してしまいがちです。そうなると、また同じ症状を繰り返すかもしれません。

他方、僕の場合、二度とぎっくり腰に悩まされない健康な自分になりたいという視点をもつことで、身体の仕組みや栄養、運動などさまざまな方面に自然と関心が向き、その方面の知識がどんどん増えました。結果的には、ぎっくり腰が完治しただけでなく、ずっと以前から悩まされていた背中の痛みや肩・首の凝りまで解消することができたのです」(池田さん)

誰しもトラブルに直面するのは嫌なものですが、それが自分の知識を広げたり、自分を成長させたりするチャンスだと思えば、ちょっとワクワクしませんか?

上記の例は健康面のトラブルでしたが、仕事や人間関係に関しても同様です。ただ、目先の問題を解決しようとするだけでなく、「この先どういう自分になりたいのか」という一段高い視点から物事を捉えましょう。

■8:未来に投資する

現在の行動が未来を作る

あなたは、「10年後にはこういう人間になっていたい」という理想を実現するべく、自分に何か投資していることがありますか?

「人間力の高い人は、そのときの気分で行動せず、1週間後、1年後、10年後など常に未来を見越して行動を決める傾向があります。

その典型例といえるのが、運動する習慣。人間力の高い人は、単に、流行っているから、気分転換によさそうだからといったその場限りの動機ではなく、未来の健康に投資するという意味で、短期的な運動するのが好きだからというのではなく、未来への健康に投資するという意味で、運動を習慣化している人が多いのです。

今から10年後を考えたときに、余暇に寝転がってスマホを見るのか、ジムに通うのか。後者のほうが健康にいいのは明らかですよね。そして、健康をキープできれば自分がハッピーなだけでなく、周りの人に役立ち続けることもできます。

それがわかっていても、普通の人は『面倒くさい』『時間がない』などと言い訳して、なかなか重い腰を上げることができません。他方で、人間力の高い人は、10年後の自分にとってプラスとなる習慣を積極的に取り入れることができるのです」(池田さん)

池田さんは、「現在の自分は過去の自分の行動の積み重ねによってできている」とも主張します。現在が過去の集積であるとすれば、未来は現在の集積。現在の気分だけで行動を決めるのではなく、10年後の自分にとってプラスとなるかどうかを意識しましょう。

今回ご紹介した8つの習慣のなかで、あなたが「ぜひやってみよう!」と思うものはありましたか? その決意をすぐに実行することこそが、素敵人間にレベルアップする最初の一歩かもしれませんよ!

池田貴将さん
リーダーシップ・行動心理学の研究者
(いけだ たかまさ)株式会社オープンプラットフォーム代表取締役。リーダーシップ・行動心理学の研究者。早稲田大学卒。在学中に渡米し、世界No.1コーチと呼ばれるアンソニー・ロビンズ本人から直接指導を受け、そのノウハウを日本のビジネスシーンで活用しやすいものにアレンジ。感情と行動を生み出す心理学と、人間力を高める東洋哲学を統合した独自のメソッドを生み出した。
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この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
中田綾美
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