「ベーシックアイテムこそ、おしゃれに遊べるアイテム」だと言うスタイリストの大西陽一さんに、今回は、白シャツのアレンジテクニックを教えていただきます。

お手本にしたいのは、ファッションを自在に楽しむイタリアンマダムたち。センス際立つ着こなしテクニックから、おしゃれにアップデートするヒントを探っていきましょう。

定番の「白シャツ&ブラウス」をアップデートするには?

シルエット選びやアクセサリーなどの小物使いが、定番アイテムをアップデートする最大のポイントだと大西さん。おしゃれ上手なイタリアンマダムたちは、どんなテクニックでおしゃれを格付けているのでしょうか?

■1:フリルの甘さを控えた「デニムスタイル」

ムードを調節して大人にまとった、フリルディテールのシャツスタイル
ムードを調節して大人にまとった、フリルディテールのシャツスタイル

それ一枚でも絵になる、大胆ディテールのブラウスを選んだこちらのマダム。「フリルがたっぷり入った甘めのブラウスを、カジュアルなデニムとブラック一色で統一した小物選びでうまくクールダウンする、その調節が上手ですね。スタイルよく見えるブラウスの前身ごろを少しデニムにインする“ちょいブラウジング”テクニックもお見事!」

■2:スリムラインを印象付ける「ゴールドのネックレス」

上半身にポイントを置いた、ワントーンのお手本スタイル
上半身にポイントを置いた、ワントーンのお手本スタイル

白という膨張色でスリムラインを実現したのは、往年のアメリカ人女優を思わせるような個性的なキャラクターで魅せたこちらのマダム。「メガネがずり落ちた感じがキュートですよね(笑)。首元を印象付けるネックレス使いや無造作にくくった髪の毛など、コーディネート全体のバランスが素晴らしい! なにげなく計算されたシルエットや丈感など、まさにオールホワイトのお手本的着こなしですね」

■3:スタイルを印象付ける「キモノスリーブ」

変化形シルエットをなじませた上級シャツスタイル
変化形シルエットをなじませた上級シャツスタイル

「通りかかった瞬間に、オーラを感じた!」と大西さんが大絶賛するのは、永遠のクラシックを体現したこちらのマダム。「古さを感じさせないモノトーンスタイルは、おしゃれ好きならでは。本人のスタイルが完成された永遠不滅のスタイルです! 僕がリスペクトするスタイリストの原 由美子さんを思わせる、色褪せないシャツスタイル。スリーブが広がった、変化形をうまく取り入れる、そのセンスが際立っていました」

■4:メンズライクに仕上げた「スタンダードシャツ」

女性らしさを秘めたメンズライクなシャツスタイル
女性らしさを秘めたメンズライクなシャツスタイル

メンズライクなチノパンを主役にしたこちらのマダムは、絶妙なゆるさがポイント。「メンズファッションでもチノパンがリバイバルしているのですが、彼女はタック入りのスーパーワイドなチノパンをとても素敵に取り入れてますね。ベーシックなシャツをウエストインしてトレンド感を出したり、胸元を大きく開けて女性らしさをかいま見せるなど、ちょっとしたテクニックを上手に組み合わせた、ある意味洗練されたスタイルに目を奪われました」

■5:「自転車」を武器に視線を奪った勝者(おまけ)

スタイルよりも演出で魅せる裏技
スタイルよりも演出で魅せる裏技

ファッションセンスもさることながら、「自転車」という武器を味方につけ、街中で視線を集めた、こちらのマダム。

「大胆な自転車姿に釘付けでした。男性のクラシックなドレスシャツのディテールを再現したシャツをミニスカートに合わせた、とてもシンプルなスタイルですが、何よりも、そのスカート丈で自転車に乗るのか! とツッコミを入れたくなる大胆さに心をつかまれました。東京でこんな人がいたら、間違いなく追っかけて行って、写真を撮らせてもらっちゃいますよね(笑)」


今回は、定番のシャツをおしゃれにアップデートするポイントを、大西さんに紐解いていただきました。ひと際目を引くイタリアンマダムたちは、シルエット選びやアクセサリーなどの小物使いがプロ級! センス際立つスタイリングテクニックを、日常に取り入れてみてください。

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この記事の執筆者
『メンズプレシャス』創刊時から携わる、ファッションスタイリスト。年2回行われる、メンズファッションの国際展示会・ピッティ ウオモやミラノ コレクションに行くなかで、気づけばストリートスナップの撮影がライフワーク化!? 最近では、男性目線で紐解く「ヨーロッパの素敵なマダム」の着こなし分析に夢中。
PHOTO :
大西陽一
EDIT&WRITING :
石原あや乃