ウィーンが現代にもたらした芸術のすべてを網羅!
2019年に日本とオーストリアの外交樹立150周年を迎えることを記念し、東京・六本木の国立新美術館と大阪・中之島の国立国際美術館にて、「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」展が開催。先行して4月24日から始まった国立新美術館の会場には、早くもたくさんの人が訪れています。
ウィーンでは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、絵画や建築、工芸、デザイン、ファッションなど、それぞれの領域を超えて、新しい芸術を求める動きが活発化。ウィーン独自の煌びやかな文化が花開いたこの時期は「世紀末芸術」とも呼ばれ、画家ではグスタフ・クリムトやエゴン・シーレ、オスカー・ココシュカ、建築家ではオットー・ヴァーグナー、ヨーゼフ・ホフマン、アドルフ・ロース、デザイナーのコロマン・モーザーなどが登場。
本展は、この現代にも大きな影響を与えているウィーンの世紀末文化を、18世紀の女帝マリア・テレジアの時代から「近代化(モダニズム)への過程」という視点で紐解く新しい試みの展覧会となっています。
クリムト、シーレといったウィーン世紀末の巨匠が一堂に!
本展では、クリムト、シーレ、ココシュカらウィーン世紀末の巨匠が遺した作品の数々を一挙展示。肖像画から市民の生活を描いた油彩画など当時の時代背景がわかる作品に加え、素描、ポスターなどのグラフィックも加わり、モダニズムの黄金時代を築いた作家たちがお互いに影響しあった様を感じ取ることができます。
また、今回展覧会ポスターにも使われているクリムトが最愛の女性を描いた《エミーリエ・フレーゲの肖像》は、撮影可能。日本国内の展覧会でここまで著名な作品が撮影できるのはまれな機会です。フラッシュ撮影禁止などルールを守って、この貴重な機会を楽しんでみて。
音楽の都・ウィーンと音楽家たちの逸話にも触れて
ウィーンの一教師の家庭に生まれ、そこから音楽家への道を駆け上ったシューベルト。音楽家たちが上流階級のパトロンの援助を受けて作曲する時代から自らが書きたい作品を創り上げるように変化する時代を感じさせる絵画も展示されています。
シューベルトが仲間たちと音楽を奏でるなかで、メンバーの屋敷で開催された集まりは「シューベルトの夜会(シューベルティアーデ)」と呼ばれるように。その様子がウィーンの邸宅から郊外へのピクニックなどで描かれています。
シューベルトのようにピクニックやホームパーティーで音楽を楽しむときに「シューベルティアーデする」なんて表現を使っていたのでしょうか。会場にはシューベルトが着用していた眼鏡も展示されています。
展覧会の最後のお楽しみ!関連グッズが大充実
美術展などを訪れて、高揚感をもって出口に出たとき。その気持ちを日常に取り入れることができるグッズは近年さまざまなものがつくられています。今回もたくさんありましたが、いくつかピックアップしてみました。
やはり多いのが、《エミーリエ・フレーゲの肖像》をモチーフにしたもの。刺しゅうをほどこしたキーホルダーは、作者のクリムト版もあり。また、サンリオの人気キャラクター「マイメロディ」の頭巾の部分に取り入れたボールチェーンぬいぐるみなども。
ウィーンの老舗洋菓子店「デメル」の焼き菓子「ショコラーデントルテ」も、《エミーリエ・フレーゲの肖像》をイメージしたオリジナルの限定パッケージで登場。こちらは数量限定なので見つけたら即買いで!
問い合わせ先
- ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道
- 東京展
- 会場/国立新美術館
- 会期/2019年4月24日(水)~8月5日(月)
- 休館日/毎週火曜日 ※ただし4月30日は開館
- TEL:03-5777-8600
- 住所/東京都港区六本木7-22-2
- 大阪展
- 会場/国立国際美術館
- 会期/2019年8月27日(火)~12月8日(日)
- 休館日/毎週月曜日 ※ただし9月16日、23日、10月14日、11月4日は開館、翌日休館
- TEL:06-6447-4680
- 住所/大阪府大阪市北区中之島4-2-55
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 北本祐子